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274日目 ちくびいたい

274日目


 悲鳴で起きる。恐慌の怨念樹(クリスマスツリーヴァージョン)が燃え尽きていた。片づけ忘れていた……のが都合よく掃除出来てちょううれしい。なにかいいことあるかも?


 ギルを起こして食堂へ。まだ新年二日目だというのにやっぱり食堂のおばちゃんはいつもの仕事をこなしていた。『若い子に腹いっぱい食べさせるのがアタシらの仕事だいっ!』って言ってたけど、マジでいつ休んでいるんだろう?


 朝食はどっしりオニオンスープをチョイス。おばちゃんの作るオニオンスープはマデラさんの作るオニオンスープとちょっとアクセントが違ってなかなか面白い感じ。マデラさんの宿でもいくらか種類を用意するのを検討してもいいかもしれない。


 もちろん、ギルは『うめえうめえ!』ってジャガイモを喰っていた。毎回毎回思うけど、あいつは年中ジャガイモで飽きないのだろうか?


 そうそう、今日もやっぱりちゃっぴぃが『きゅーっ♪』って俺の膝に乗ってきたんだけど、珍しいことにスプーンを自分で取り、俺に『あーん♪』ってやってきた。あいつに何があったかは知らないけど、ちゃっぴぃの成長に喜びを隠せない。


 さて、今日も今日とてダラダラすご……したかったんだけど、アルテアちゃんとロザリィちゃんから『アルテアスペシャル美容液の在庫が尽きつつある』と情報をもらったので急遽制作することに。


 どうやら、ここ数日の暴飲暴食と夜更かしのために女子たちのお肌が大変なことになっているらしく、消費ペースがいつもより段違いになっていたとか。


 ともあれ、午前中いっぱいを使ってそれなりの量を作成することに成功する。ギル素材は相変わらずわけわかんない感じに増殖しているし、そのほかの材料も在庫があったのは僥倖。


 昼食を食べた後はクラスルームで今度こそダラダラ。嘆かわしいことにこの時間になってようやく寝癖ボンバーなポポルとフィルラドが起きてきた。『ええい、だらしのない!』、『おもちゃ、みーっけ♪』とアルテアちゃんが櫛を、パレッタちゃんがヴィヴィディナを装備してにじり寄る。


 とりあえず、悲鳴の後にポポルがステキに禍々しくなったことを記しておく。マジであれどうやったんだろ?


 さて、おやつの時間ごろにマイフェイバリットチェアーでゆったりしていたら、何を思ったかちゃっぴぃが俺の膝に乗ってきて、『きゃ! きゃ!』と、おもむろに俺のローブをひっぺがしにかかってきた。


 さすがにこれには焦る。ウチの子はいつから痴女……でいいのか? ともかく、こんなにも肉食系になってしまったのだろうか。


 しかもあろうことか、俺を上半身剥き出しにし、その上で全力で俺の乳首をつねってきやがった。しかも、それで満足しなかったのか、今度は『きゅ?』って首をかしげて全力で千切り取ろうと引っ張ってきやがった。


 さすがに泣いた。叫んだ。痛いってレベルじゃない。なんで新年早々こんな目に合わねばならないのか。


 もっとひどいことに、なんとちゃっぴぃのやつ、止めに『きゅーっ!』って俺の乳首に噛みついてきやがった。それも歯のとがった部分で全力だった。


 もう、泣けばいいのか怒ればいいのかわからなかったね。俺、まさか自分の娘に等しいやつから乳首を噛み千切られそうになるとか、想像すらしなかったよ。


 なお、腹を抱えてゲラゲラ笑っていた男子連中(特にジオルドとポポル)には容赦ない腹痛の呪をかけておいた。


 さて、いくら温厚な俺でも乳首に対してのこの仕打ちにはブチ切れる。『そんな特殊な事どこで覚えたんだ!?』とちゃっぴぃを捕まえ、所謂オーソドックスなお仕置きスタイルでケツビンタをかまそうとしたところ、『ごめん! 今の私のせいなの!』とプリティロザリィちゃんの甘い声が響いた。


 どうやらちゃっぴぃとロザリィちゃんでお菓子作りをしていたらしい。で、ちょうどミルクが必要になったらしいんだけど、ロザリィちゃんが『じゃあ、いつもと同じようにパパからミルクもらってきてくれる?』とちゃっぴぃに伝えたそうな。


 もちろん、ロザリィちゃんとしてはちゃっぴぃのミルクを俺から取ってもらうつもりだったらしいんだけど、ちゃっぴぃはいつも自分がやられている方法で俺からミルクを搾り取るつもりだったらしい。


 俺は男だ。母乳も普通の乳も出ない。なぜちゃっぴぃはその辺がわからないのだろうか。


 一応、ちゃっぴぃ自身には悪気がなかった……ってことで収めたんだけど、あの時の衝撃をどう言葉で表現すればいいのか。揉み応え的にも出ないってことはわかりそうなものなのに。


 あと、それでなおちゃっぴぃは不満げだったので(おそらく自分ばっかり揉まれるのが気に食わないのだろう)、『今度から搾るのならギルのにしとけ。あいつは普段から露出しているから問題ない。千切るなりつまむなり吸い付くなり好きにしろ』って言っておいた。


 あの野郎、ポージングしながら熱い視線を送るギルに半ベソかいてたけど、躾だから別にいいよね。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。風呂場で確認したけど、俺の乳首には小さな歯形がしっかり残っていた。そして、ゼクトやラフォイドルにめちゃくちゃ笑われた。『愛人ですかぁ!? まさかの愛人ですかぁ!?』、『犯罪者もここまで来ると笑えるな!』と、なぜか今日に限ってあいつらの仲が良かったのが気にかかる。


 ちょっと腹が立ったので、【ギル・ハグの刑(Ver.フルヌード)】に処しておいた。やっぱり親友は最高の親友だと思う。


 そんなギルは今日も大きなイビキをかいて寝こけている。明日こそは釣りに行きたい。晴れるといいな……という願いを込めて、晴天の砂を鼻に詰めておいた。グッナイ。

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