表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/368

258日目 魔法構築学:陣造変質層が与える影響について

258日目


 ギルの瞳が魔法陣。解析してみたところ、筋肉の照りを良くする効果があるらしいことがわかった。


 ギルを起こして食堂へ。魔法陣の影響か、『なんか今日の筋肉キレ良くね!?』とギルはかなりの上機嫌。逆に、クーラス他数名は昨日の失敗を引きずり陰鬱な表情。ここしばらくの努力が無駄になったのだから、わからなくもない。


 朝食はなんとなくフライドポテトをチョイス。ほどほどにケチャップをかけ、塩コショウのアクセントを楽しむ。朝から結構がっつりいったけど、俺は若いから特に問題なし。


 あと、元気のないロザリィちゃんには俺が『あーん♪』ってしてあげた。にこってはにかみながら、『わんわんっ♪』って食べてくれるロザリィちゃんがマジプリティ。しかもちょっとだけ指にかじりつかれた。なにこれ超うれしい。


 今だから書くけど、さりげなく右手は今日使っていない。授業もこの日記も左手でやっている。ついでに洗ってもいない。まあ、当然だよね。


 そうそう、陰鬱クーラスだけど、『朝から暗いのは困るのよね!』、『うふ、おねーさんが慰めてあげましょうか?』って女子からフライドポテトを『あーん♪』ってしてもらってた。クーラスのやつ、あっという間に真っ赤になって照れていた。あいつチョロくね?


 あと、何人かの女子は『本棚ありがとね!』って気を効かせてジオルドにも『あーん♪』ってやってた。ウチの女子ってホント優しい人が多いと思う。


 書くまでもないけどギルは『うめえうめえ!』ってジャガイモを貪っていた。もちろんフライドポテトもがっつり食っていた。よく食べるのは健康的でいいと思う。


 今日の授業はシューン先生の魔法構築学。風邪でも引いたのか、先生は鼻をぐしゅぐしゅいわせ、ひっきりなしに鼻をかんでいた。当然出欠を取るのはめっちゃ遅い。なぜローブをズボンにインしているのに風邪をひくのだろうか。


 内容は陣造変質層が与える影響について。前回の授業で陣造変質層の概要について学んだわけだけど、じゃあ実際これは対象物にどんな影響があるのかってのをやった。いつも通り、以下にその概要を示す。



【陣造変質層による影響】


・魔硬の変化(多くの場合上昇する)


・残留魔応力の生起


・対浸食性の低下



 ついでに、この陣造変質層を前提とした陣造法も教えてくれたのでここに記す。



・バニシング

高魔硬度の魔法刃で対象の表面を加工することで、表面の平滑化、魔硬の向上、封縮残留魔応力付与を図る加工法。



 ごちゃごちゃ書いたけど、要は陣造変質層の性質をうまく制御すれば材料の質を高められますよって話。これだけのことを話すのにどうしてシューン先生はあんなに時間をかけるのか、未だによくわからない。


 もちろん、ミーシャちゃんやパレッタちゃんはローブをはぎ取ってスヤスヤしていた。誰のローブかは書かなくてももうわかるだろう。


 ポポルのやつ、寒くなったからって俺のローブの中に潜り込んできやがった。『別に普段からちゃっぴぃとか入れてるしいいじゃん! こっちはマジで寒いんだよ!』って言ってたけど、俺は野郎はお断りなのだ。優しいから入れてやったけど。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。左手で書いてるってのもそうだけど、最近冷え込みが激しいからこの時間は手がかじかむ。ロザリィちゃんに齧られた右手はきちんと温めておかなくては。


 ギルは今日も大きなイビキをかいている。一瞬、この隙に奴の瞳の魔法陣を写そうかとも思ったけど、面倒だからやめておいた。


 あいつの鼻の穴には火精の涙を詰めてみる。キラキラしててちょう綺麗。ほんのりあったかいのもいい感じ。おやすみーとぱいすぺしゃるえでぃしょん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ