240日目 ケツ枕膝枕腹枕
240日目
奇妙な抜け殻が床にびっしり。踏んで砕いてトイレに流した。
ギルを起こして食堂へ。今日は一段と寒く、雪が降っても全然おかしくないレベル。ぶっちゃけ雲があったら普通に雪が降っていたと思う。食堂にいるやつらも厚着しているものがほとんど。食堂にも暖炉はあるんだけど、端っこのほうは結構冷えるんだよね。
ちなみに、休日だから人そのものは少ない。たぶん、中にはベッドから出られないやつもいるんだろう。アルテアちゃんも『ちょっとバカ二人のケツ叩いて起こしてくる』って言ってたし。
朝食はあったかミネストローネをチョイス。おなかの底からぽかぽかしてきてなかなかにグッド。あと、ロザリィちゃんがふうふうしてちゃっぴぃに『あーん♪』ってやる姿が最高にエクセレントだった。ミーシャちゃんも『あーん♪』ってやってもらってた。あと、珍しくパレッタちゃんも『あーん♪』ってやってもらってた。
これはもう俺もやる流れだと思ってすかさずパレッタちゃんの後ろに並んだら、『もう品切れです♪』と絶望の宣告が。マジでカップのなかからっぽ。が、『代わりに……ね♪』ってちゅっ! ってしてくれてマジ幸せ。朝から天国に上りそうな気持。
なぜかクーラス、ジオルド、通りすがりのゼクトが盛大な舌打ちをしてたんだけど、いったいどうしてだろうか?
なお、ギルは今日も『うめえうめえ!』とジャガイモを喰っていた。やっぱジャガイモはふかしたてが最高らしい。おばちゃんは『工夫するところ、そこくらいしかないんだよねぇ……』って呟いていた。
午前中は栽培スペースに行って採取と水やりを済ませる。さすがにもう冬だからか、今回の収穫で今年はもう終わりそう。頑張ればもうちょい行けそうだけど、無理は禁物ってことで元気そうなのを株ごと引き抜いて魔導封印を施し、来年用とした。
んで、そのあとは例によって例のごとくゴロゴロ。ここのところ夜更かしが続いていたから、久しぶりにゆったりした時間。ほかのみんなも外が寒いからか暖炉の近くで読書とかカードゲームに興じていた。中には真面目にレポートをこなすものも。
ふと思い立ったので、スライムボールで遊ぶちゃっぴぃを手招きし、『きゅ?』とか言って近づいたところをむんずと捕まえる。『きゅーっ!?』って叫ぶのもお構いなしに組み伏せて、こないだのお返しにケツ枕を堪能してやった。
めっちゃじたばた暴れてたけど、所詮はガキ。尾っぽペチペチも羽パタパタも俺には効果なし。『きゅぅぅぅ!』ってもがく声が最高。意外と弾力があり、それでいて柔らかさもあり、ついでに高さもいい感じ。抜け出そうと動いたときに来る衝撃も絶妙。
ちゃっぴぃのケツ枕、案外気持ちよかった。ふざけてやったけど、これはうれしい誤算。なんかクセになりそう。
なお、その様子を見ていたほかのみんなは『……セーフ、なのか?』、『人としてアウトでしょ?』、『親子の触れ合いに見えなくも……』、『おいちゃっぴぃ半ベソかいてんぞ』と疑わし気な視線を送ってくる。健全なのにみんな酷い。
なお、暴れ疲れたところで開放してやったら、ロザリィちゃんに『めっ!』ってされてしまった。ちゃっぴぃはぴすぴす鼻をならしながらロザリィちゃんにしがみつく。『パパって意地悪だねー?』って頭を撫でる姿が最高にかわいかった。
慰められたちゃっぴぃは『ルァァァァッ!』って俺に容赦ないケツビンタをしてきやがった。解せぬ。
ちなみに、『ま、枕ほしいならこっちにしなさい!』ってロザリィちゃんが自分の膝をポンポンしたので、素直に好意に甘えることに。めっちゃぬくやわこくて幸せ。ロザリィちゃんの匂いもする。あと、目の前の双丘の迫力が凄まじい。
『……えっち♪』って途中で目隠しされちゃったけど、マジで最高のひと時だった。なんで膝枕ってあんなに幸せな気持ちになるんだろう? あと、ちゃっぴぃは『きゅぅ……』ってロザリィちゃんの膝枕を堪能する俺の腹枕を堪能していた。家族愛が良いって最高だよね、うん。
夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。雑談中、フィルラドがアルテアちゃんに『あの、よろしければ昼間──がやってたアレを……』と無謀にも頼み込んでいた。もちろん『あ゛?』とアルテアちゃんは女の子がしちゃいけない顔&声で拒絶する。
で、『たしかこんな奴だったよなあ!?』って容赦ないケツビンタを喰らわせていた。スパァン! って超いい音が響く。『いってぇ!?』とフィルラド。『そっちじゃなくてケツ枕のほう……!』って呟いて二発目を喰らっていた。あいつバカだ。
アルテアちゃん、『そんなもの今のお前には過ぎたオモチャだ』って射撃魔法でフィルラドを床に縫い付け、フィルラドの腹枕を使って本を読んでいた。『地味に硬くて使い心地は悪い。だが、高さだけはちょうどいい』と良くも悪くもない評価。
なお、ヒナたちはフィルラドの顔に乗って暖炉にあたっていた。足が鼻だの眼だのに入りそうになっててフィルラド悶絶。エッグ婦人はフィルラドの文字通り目の前でケツをフリフリしていたよ。
あと、パレッタちゃんもヴィヴィディナを使ってポポルの腹枕を楽しんでいた。『ふぎゃあああ!?』ってポポルは半ベソだったけど、パレッタちゃんは『ぎゅるぎゅるって音が聞こえる。これが生命の鼓動か』ってなんか感動していた。
ミーシャちゃんもムーヴメントに乗ろうとギルをリボンで押し倒したんだけど、『お腹もお尻もカチコチで使い物にならないの……』ってすっごく残念そうだった。やっぱりギルはよじ登るに限るらしい。
クーラスとジオルドは血涙。あまりにも哀れ過ぎるから、同情した女子が聖母のごとく慈愛の微笑みをして膝をポンポン叩いて招いていた。
ウチの女子ってなんだかんだで優しい人多いよね。あれ、間違いなく恋人的なアレじゃなくて子供をあやす母親のそれだったけど。まあ、あいつらが幸せなら俺は何も言うまい。
ギルは今日も大きなイビキをかいて寝ている。ミーシャちゃんの期待に応えられなかったのがショックだったのか、寝る前に『頑強さと柔らかさを兼ね備えた筋肉ってなんなんだ……?』って真剣にその脳筋を働かせていた。
あと、すっげぇ今更だけど、スペシャル入浴剤を使うのを今日も忘れた。来週こそは使おうと思う。
とりあえず、奴の希望を叶える一環として、アビススライムのぷるぷるを鼻に詰めておいた。みすやお。
※→明事日るはて燃捨えもる物ゴ棄ミ廃の法日魔←
20151129 誤字修正。




