23日目 制作とロザリィちゃんとディナー
23日目
ギルの眼がぴかぴか。わーお。
残念ながら本日は雨。外に行くのは難しそうだ。行くつもりはなかったけど。
食堂は相変わらずガラガラ。朝食のデザートにモザイクゼリーをチョイス。たまには雨音とカエルの声に囲まれて食べるのは悪くない。ゼリーをぷるぷるして遊ぶロザリィちゃんが可愛すぎる。あなたのほっぺをぷるぷるしたいです。
ギルは目を光らせながら『うめえうめえ!』ってジャガイモを食ってた。ジャガイモを食べる度に光が瞬いていたのがちょっと怖い。そして、ギルの様子に驚かなくなりつつある我がルマルマがもっと怖い。もっと危機感と探求心を持つべきだと心の中で愚痴る。
食後、ヨキが食堂にやってきた。一部の水回り付近からすすり泣く声が聞こえる異常事態が発生しているらしい。害を与える類ではないものの、原因不明で現在教師が対応に当たっているそうだ。休日なのにお疲れ様です。
暇そうにしているギルを引き連れ作業場へ。昨日手折ったカミシノの枝を心材とし、廃材置き場に捨てられていた材料の中から使えそうなものを探して釣竿を作る。部分的に使えるものが多かったのは幸運だった。馬鹿力のギルのおかげであっという間に解体できたのもラッキーだった。
接着剤として、ちょろまかしたリチャードとファットウォーム、ヴィーラアクアを混合し加熱処理したものを用いた。我ながら良い出来。リチャードスペシャル一号と名付けた。
リチャードスペシャル一号を駆使して何とかそこそこの長さの竿を作り上げる。金具の部分は昨日ギルが採ってきたクラウドストーンを用いた。純度は低いが立派な魔可塑性素材なので適当に加工した後、リチャードスペシャル一号でガチガチに固めた。
ギルの釣竿も作っているとミーシャちゃんに見つかった。雨で暇だったので学校内を探索していたらしい。勝手に俺の竿をぶんぶんと振り回し、しなり具合と耐久性のテストを始めだした。どうやら彼女のお眼鏡にかなったようで、今度一緒に釣りに行こうと誘われた。ギルのバカもひっぱってでも連れて来いと言ってきた。
ミーシャちゃん、こないだのギルの釣果に対抗心を燃やしているだけだ。ダシにされたのがなんかアレだったので、目を光らせながら半裸でポーズをとるギルを押し付けると、『ぎにゃーっ!?』って悲鳴を上げながら逃げて行った。何だったんだあれ。
午後はギルのボックスの中身を整理。昨日はろくに確認しなかったけど、どうしてなかなかオステル魔鉱石がいっぱいあった。交渉していくつか融通してもらうことに成功する。打てる手はいっぱいあったほうがいいってマデラさんも言ってたし。アエルノチュッチュの連中が泡を吹く姿が今から楽しみだ。
夕食にてロザリィちゃんを発見。手を振ってくれた。ひゃっほう。
しかも、来週みんなで釣りに行こうと誘ってくれた。残像が出るほど首を縦に振った。手とり足とり腰とりいろんなことを教えてあげるっていったら、ロザリィちゃんの後ろに隠れていたミーシャちゃんに脛をけられた。痛かった。
流れで夕食を一緒に取る。ロザリィちゃんの笑顔のおかげでいつも以上にステキなディナータイムだった。ギルはやっぱりジャガイモを『うめえうめえ!』って言いながら食ってた。アルテアちゃんもジャガイモを一つだけ食べたけど、『普通のジャガイモだよな……?』って言ってた。普通じゃないジャガイモだったらどうするつもりだったんだろうか。
ギルは元気にイビキをかいている。閉じた瞼の裏がうっすら発光しているのがなかなかクレイジー。今日は先端を丸めたイビルニードルを突っ込んだ。明日も早いのでもう寝る。
※明日は授業。燃せるゴミはアウトオブルーム。魔法廃棄物はネクストターン。




