226日目 まきわりまくりんぐ
226日目
ギルから湯気。それだけ。
ギルを起こして食堂へ。何とも恐ろしいことに、ギル以外のみんなも口元から湯気を吐き出している……なんて思ったら、今日は寒いことに気づく。息が普通に白い。そろそろ冬が始まるのだろう。
朝食はあえてビシソワーズをチョイス。おばちゃんに『なんで寒くなったのにその選択なんだい?』と聞かれたので、『人がやらないことをするのが魔系です』と爽やかに答えた。おばちゃん、妙に納得してたけどなぜだろうか?
ちなみに、普通にビシソワーズは冷たかった。途中でむなしくなり、ちゃっぴぃに飲ませようとするも『ふーッ!』と顔面を引っかかれる。解せぬ。
しょうがないので、ビシソワーズは『うめえうめえ!』とふかしたてジャガイモを貪るギルに提供した。『親友最高ぉぉぉぉぉ!』って狂喜乱舞して抱き付いて来ようとしたため全力で回避。
あいつ、この寒いのにビシソワーズなんて渡されてどうしてあんなに喜べるのか。理解できない。
さて、寒くなってきたこともあり、今日はみんなでまき割りを済ませようって話に。この学校、薪そのものは用意してくれるんだけど、割るのはなぜかセルフなんだよね。
で、早速ジオルド&ギルが薪置き場から持ってきた大量の薪をみんなで割りにかかる。お子ちゃまポポルがナタを持つ姿は見ていて大変危なっかしい。あと、クーラスも腰の入れ方が悪くて下手くそ。まあ、あいつインテリだししょうがないのか?
しばらくまき割りを続けていたらステラ先生がやってきた。今朝結構寒かったから、まき割りをしておくように通告しに来たらしい。『言われる前にやるとはさすがだね!』って頭をポンポンしてくれて超うれしかった。
が、聖母なステラ先生はまき割りしていた男子全員に頭をポンポンしていた。俺だけにポンポンしてほしいと思うのは我儘なのだろうか?
さて、先生も来たのでより真面目にまき割りに励もうとしたんだけど、『なんで魔法でやらないの?』とステラ先生に不思議そうに聞かれてしまう。
そういや、なんで俺たちわざわざナタもってやってたんだろう? みんな、その予想外の発想に開いた口が塞がらなかった。
『俺たち魔系じゃん……』ってボヤきながら連射魔法で次々に薪を割るポポル。『よく考えりゃこのナタ使いづらいな』と森神の豪鉈を具現して振るうジオルド。『ちょっとボケてただけだ』と切断罠魔法を設置しベンチに腰掛けながら薪を割るクーラス。『久しぶりに役に立ったな』とゴブリンを召還しまくり強制労働させるフィルラド。『脆え脆え!』と神速のラッシュで薪の山をたたき割るギル。
最終的に、一冬くらいなら楽勝で持ちそうなくらい薪を作ることに成功する。出来たやつはこないだペダッコ材木を乾燥させるために作ったあそこにぶち込んだ。ふと思ったけど、もしあれがなかったら保管庫まで自分たちで作らなきゃいけなかったのだろうか?
汗をかきまくったため、まき割り後はちょっと早いけど風呂に。まだルマルマ以外のメンツがいなくて超いい気分。
で、昨日使えなかった入浴剤を使おうと思ったんだけど、なぜかみんなに全力で止められた。『どうせろくなもんじゃねえだろ!』、『風呂くらいゆっくり入らせろ!』、『材料をいえ。話はそれからだ』、『俺たちの後なら使っていいぞ』、『なあ、それってジャガイモ何個分?』と散々に言われる。強行突破しようとしたらケツビンタもされた。解せぬ。
結局、『ゼクトたちがいないから今日はやめろ』と言われたのでやめることに。あいつら、道連れを増やしたいらしい。人のことを何だと思っているのだろうか。
夕飯食って雑談して今に至る。風呂の時、汗でテカるギルがやたらポージングを披露してきてたいそうウザったかった。
あと、今日もあまりロザリィちゃんとイチャイチャできなくてちょっと不満。せいぜい風呂入る前にぎゅーっ! ってされたくらい。『汗臭いよ?』って言ったんだけど、『……それがイイんです』って顔を真っ赤にしながらスーハースーハークンカクンカしていてめっちゃかわいかった。
ギルのイビキは今日もうるさい。おまけに布団をうっちゃらかして腹もさらけ出している。毛布を直しがてら、薪の欠片を詰めてみた。みすやお。
※燃やしてください。廃棄してください。すべては女神の御心のままに。
20151118 誤字修正




