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211日目 打ち上げの準備

211日目


 癒魔の果実がギルギルしい。……あっ、治ってる。やったね! ふぉぉぉぉぉ!


 ギルギルしい果実を個人ボックスにしまってから食堂へ。休日だというのにすでにみんなあつまっており、明日の打ち上げの準備をする気満々。


 ミーシャちゃんは当たり前のように釣竿の先にジャガイモを引っ付けてギルと戯れていた。ギルはもちろん『うめえうめえ!』とジャガイモに食らいつく。『一本釣りなの!』ってミーシャちゃんはすっげぇうれしそうだったけど、俺、イマイチあの二人の行動が理解できない。


 さて、とりあえずいつも通りフィルラド&アルテアちゃん他数名は山に狩りへ、ポポル&パレッタちゃん他数名は会場準備へ、ギル&ミーシャちゃん他数名は湖へ行ってもらうように告げる。この辺はもう慣れてきたのか、みんな特に何も言うことなくさっさと向かってくれた。


 で、俺&ロザリィちゃんとジオルド&クーラスが残る。『せっかくだし何か景気づけにいいもん町で探してくるか』と男二人はクラス資金をもって町に行く。『ぷりぷりのエビを頼む。金に糸目は付けるな』と伝えておくのを忘れない。ジオルドは『ハゲプリンと煉獄ケーキを頼む』とだけ言っていた。


 あの野郎、煉獄ケーキは高級品だってことを忘れているんじゃないだろうか。マデラさんの宿屋で食べるとしたら一週間前から予約しなきゃいけないはずのものなんだけど。一応マデラさん本人に頼めば一瞬で作ってくれるけど、それだと俺が作る場合に比べて割高になるんだよね。


 クーラスたちと別れた後はロザリィちゃんと『きゅーっ♪』とか言って俺たちと手をつないできたちゃっぴぃとともにステラ先生の元へ。ちゃっぴぃのやつ、俺とロザリィちゃんの手にぶら下がるものだから始末に負えない。足元がめっちゃふらついて困るっていう。


 いったい何がそんなに楽しいのか。俺はロザリィちゃんと手をつなぎたかったのに。


 でも、『親子みたいだよねっ!』って微笑んでくるロザリィちゃんがマジプリティで最高でした。この場合、ちゃっぴぃは俺の娘になるのだろうか?


 さて、なんだかんだでステラ先生のところに到着。なんか先生も妙にやる気で『今日は先生がいっぱい資金援助しちゃうよっ!』ってぐって胸の前でこぶしを握る。


 そんな姿がマジプリティ。なんで先生はやることすべてにおいてこんなに可愛いのだろうか。


 『今日はいつになく気合入ってますね』って聞いたら、『決闘前だから血が騒ぐの!』とのステキな答えが。さりげなく受け持ちのクラスが決闘するの、初めてらしい。


 あと、ステラ先生は学生時代、周りよりも強すぎたため決闘禁止令を言い渡されていたそうな。『最後に決闘したの……何年前だったかなぁ……?』って小首をかしげるところがキュートすぎて言葉が出なかった。


 んで、ステラ先生も交えて町に飲み物やお菓子類の買い出しに。右手に女神、左手に聖母、そして背中に乳臭い夢魔というスタイルで練り歩く。女の買い物は長いけど、ロザリィちゃんとステラ先生の買い物ならむしろいつまでも付き合っていたくなるから不思議だ。


 こころなし体も熱く、心臓もどきどきしてくる。この気持ちを何と表現するべきかわからない。


 途中、ステラ先生がインディゴロブスター(それも超高級なやつ!)を『あるだけください!』って買い上げてくれた。奢りにしたって高すぎたのでさすがに遠慮したら、『先生もなんだかエビ食べたくなってきちゃったの!』とぱちりとウィンクしてくれる。


 どうやら先生、俺がエビフライとか好きなのを知っていたらしい。『奮発したんだから負けちゃダメだぞ!』っておでこをつんってされる。あと、ロザリィちゃんにも『他の人にはナイショだよ!』って相場の五倍くらいする超高級なハートフルピーチをかってあげていた。


 『せんせい、だーいすきっ!』ってぎゅって抱き付くロザリィちゃんとやさしく受け止めるステラ先生がマジプリティ。なんで女の子同士ってこんなにも微笑ましいのだろうか。俺もぜひともその間に挟まれたかった。


 なお、買い物途中で疲れたちゃっぴぃは俺の背中で眠ってしまった。おかげでローブがヨダレ臭い。でも聖母の微笑みでちゃっぴぃの頭を撫でるステラ先生がマジゴッデスキュートだった。俺もなでなでしてほしかった。


 冗談のつもりで『僕もなでなでしてくださいよ』って言ったら『特別なんだからね!』ってマジで撫でてくれた。


 完璧な不意打ちに逆に俺のほうが恥ずかしくなる。不覚にも顔が真っ赤……耳までイチゴのようになってしまうのを自覚できた。目の前がくらくらする。あと、いつものお返しだと言わんばかりにドヤ顔するステラ先生がキュートだった。


 午後は買ってきたものを保冷庫にぶち込み、明日の料理の下ごしらえをロザリィちゃんとすることに。俺が知らない間にもずっとピアナ先生の元で習っていたのか、こないだに比べてロザリィちゃんの腕が格段に上がっている。


 『すごくうまくなったね!』ってほめたら、『──くんほどじゃないけどね♪』と微笑まれる。あと、つまみ食いをしようと周りをうろちょろしていたちゃっぴぃに『パパって女の子をおだてるのが上手だよね?』って声をかけていた。


 ロザリィちゃんにパパって呼ばれたの、さりげなく初めて。何だろうこの気持ち。ちょっとクセになりそう。


 あ、ちなみに今回はグレイベル先生とピアナ先生は不参加らしい。『不参加だって伝えといてねって言われたの!』ってロザリィちゃんが言ってた。別に遠慮することない思うんだけどね。


 で、もろもろの大皿料理の下ごしらえを済ませ、ハゲプリンやケーキの準備も終わったくらいにわがクラスメイト達が続々と帰ってくる。


 フィルラドたちは鹿とイノシシを、クーラスたちは新鮮ぷりぷりエビ&高級ハーブを、ギルたちはティラニア・コーダとジャガイモの大袋を戦利品として持ってきてくれた。一部に個人の嗜好が見え隠れしているけど、優しい俺は見なかったことにしてあげた。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る……と書きたいけど、正確には煉獄ケーキの準備をして今に至る。


 実は結構遅い時間に書いているためか、読み返すと箇条書きっぽい感じがするがしょうがない。あと今日はあんまりクレイジーっぽいところがない。


 ギルは健やかに大きなイビキをかいている。俺もなんだか眠気がヤバい。なんでこんなに眠いんだろう。宿屋にいたときは全然そんなことなかったのに。毎日が充実している証だろうか。


 とりあえず、ギルの鼻には下処理の時にとっておいたエビの殻を詰めておいた。さっさと寝て明日に備えよう。

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