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208日目 基礎魔法陣製図:三星連結立体魔法陣の製図

208日目


 俺のローブに鱗粉がいっぱい。新手の嫌がらせだろうか?


 ローブをちょっぱやで洗濯してから食堂へ。鱗粉のせいかあまり食欲がわかなかったので、今日はリンゴをまるかじりする。いつもながら、蜜がたっぷり含まれていて超デリシャス。あと俺のナイフさばきも絶好調。ロザリィちゃんも『かっこいいね!』ってほめてくれた。ひゃっほぅ。


 なお、ちゃっぴぃは俺がウサギさんに切ってやったリンゴを『きゅーっ♪』ってずっとにまにましながら見ていた。時折突いたり握ったりして遊び、いつまでたっても食べようとしないので口にぶち込もうとしたら、『ふーッ!』って容赦なく顔面をひっかかれた。解せぬ。


 ギル? 俺がグリフィンさんに切ってやったジャガイモを『うめえうめえ!』って食ってたよ。せっかく翼がうまく決まったのにあの野郎見向きもしなかった。


 あと、フィルラドが『俺にもなんか作ってくれよ!』というのでエッグ婦人モデルでジャガイモをカットしてやった。我ながらいい仕事をしたと思う。


 フィルラド大喜び。が、エッグ婦人ジャガイモは直後にヒナたちに突かれて食われてしまった。アルテアちゃんが『むごい……』って呟いていた。


 さて、今日の授業はキート先生の基礎魔法陣製図。課題を提出するとき、『今日もルマルマのみなさんはいい感じですね!』って先生がほめてくれた。再提出もほぼゼロ。


 ただ、パレッタちゃんは『虫の脚はきちんと払ってから提出しましょう』って注意されてた。ヴィヴィディナの毛のような足が裏面にびっしりついていたらしい。


 そうそう、例の落書きだけど、



『ライラちゃんの可愛い情報一つ追加! 休日限定プリンを食べられずにむくれるところがすさまじかったです! ほっぺをぷくって膨らませて、若干涙目なんですよ! 普段のギャップを考えるともう……!』


『確かに風呂上がりの女たちっていい匂いするよな。俺夜はさりげなくクラスルームの入り口に陣取って自然に女が近くに通るようにしてるぜ。ロベリアちゃんだけど、こないだナンパしてきた上級生を笑顔で受け入れる……と見せかけて上品言葉で罵倒&ビンタ&股間キックやってたわ。最後のはともかく、俺はこれくらい気が強いのがいい』


『ロベリアちゃんやべえだろ……他はいいけど最後のは人としてやっちゃいけねえよ……。だがなラド、小さい子だったら最後の奴でもそんな痛くないし、むしろその非力さが愛おしく感じるんだ。お前もホントは、いや、みんなホントは小さい子が好きなんだろ? メルティはお風呂場でもすごくかわいいんだぜ……!』


『ロリコン、超えちゃいけないラインは考えろよ? さすがにドン引き一歩前だぞ。つーか、みんな風呂上がりの女子クンカクンカしてんの? あれ入浴剤の匂いがメインだろ? ライラちゃん可愛いな! 俺もぎゅってしてみたいぜ!』



 ……と書かれていた。俺はロベリアちゃんはどうも好きになれそうにない。やっぱ女の子には優しさと母性が必要だと俺は思う。


 でも部屋の入り口に陣取るあのテクニック、俺も宿屋じゃよく使ってたし、女の子の好みに目をつぶればラドとはいい友達になれそうだ。


 とりあえず、


『この調子で女の子情報を増やしましょう! ロリコンさんは身内以外での情報を! あとエル、上級生の風呂には入浴剤が入ってるんですか? 一年のところでは見たことがありません。今度そっちの風呂使わせてくださいよ』



 とだけ書いておいた。入浴剤入りの風呂とか初耳。やっぱ上級生だから豪華なのだろうか。一回でいいから使ってみたい。エルはたぶん属性処理研か魔法材料研の人だろうし、うまくいけば融通効くと思うんだけど。


 授業内容だけど、今日は新しいところに入らず、今まで習ってきたところの復習ってことで三星連結立体魔法陣を製図するってことになった。もちろん表面精度もはめあいも、これまで習ったすべての要素をふんだんに使う超作為的な魔法陣ね。


 『一見難しそうに見えますが、今までの課題をこなしてきたキミたちならきっとできます』ってキート先生は言っていた。一応テスト期間でもあるし、新しいところに進んで頭を悩ませるよりかは時間さえかければ完成できる製図課題にしたらしい。


 実際、そういうだけあってパッと見書き方で詰まるようなところは見つからない。あと、単純に課題数が少ない(魔法陣一個だけだし)から、全体の見かけの量も少ないように思える。


 クーラスなんかは『今日は簡単すぎないか……?』って授業中だけで半分終わらせていた。今までできて三割前後だったことを考えると、そのすごさが分かると思う。ギルも普通に俺の筋肉の動きを逆解析的にコピーして進めてたし。


 ふと気になったので、『これもシキラ先生からのアドヴァイスの一環ですか?』とキート先生に聞いたら、『いえ、これは元からそういう授業計画だったんですよ』と教えてくれた。『例年、この課題のときはみんなが喜ぶそうです』との情報も。


 ただ、中間のこの時期に(あくまで比較的)簡単な課題を出すようになったのって割と最近らしい。それまでは普通に鬼畜課題が出ていたそうな。『私のときはすでに今と同じでしたけどね』とはキート先生の談。


 ちなみに、この課題が出るようになったのは『学生時代のシキラ先生ストライキ……じゃない、クーデターを起こしたかららしいですよ』ってキート先生が教えてくれた。『あと数年早くシキラ先生が生まれてれば!』ってよく飲み会の席でヨキやシューン先生が愚痴るそうな。


 シキラ先生、学生時代からクレイジーだったらしい。今と昔は違うとはいえ、俺はさすがに一年のメンツで学校の先生を敵に回そうとはとても思えない。あの人どんだけ闘争心が高いんだろうか。


 さらに驚くべきことに(?)、シキラ先生はステラ先生と同じグランウィザードらしい。なにこれ初耳なんだけど。


 あの年で(爺ばっかりしかいないはずの)グランウィザードってめっちゃすごい……と思ったら、『あまり周りに言いませんし、ステラ先生がぶっちぎりの最年少記録を持つせいで目立たないんですよ』ってキート先生が教えてくれた。


 周りに言わないの、たぶん唐突に事実を明かしてびっくりさせるためだと思う。あの人はそういう人だ。あと最年少記録を持つステラ先生マジすげえ。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。フリータイムは製図を終わらせ、明日の勉強をした。ほかのやつらは勉強と製図で半々くらいだったと思う。


 なんかちょっと眠い。習慣化しているとはいえ、なんか今日は日記の気分じゃないや。さっさとベッドに潜ってスヤスヤしよう。ギルの鼻には適当にゴミを詰めた。おやすみっ☆

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