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204日目 決闘申請とテスト勉強

204日目


 ギルの周りだけ月光に満ちている。が、連動して周りが暗くなるのはいただけない。


 ギルを起こして食堂へ。休日だからか、今日も人が少ない……って思ってたんだけど、教科書を枕に寝こけているやつがけっこういた。どうやら昨日の晩からテスト勉強をしてそのまま眠ってしまったらしい。


 さて、いつも通りにちゃっぴぃを膝に乗せ、『うめえうめえ!』とジャガイモを食べるギルの口にジャガイモを投げて遊んでいたら、『決闘するってどういうことだ!?』とアエルノチュッチュのラフォイドルがやってきた。


 『どうもなにも、そのままの意味だ』と答えたら、『そんな話聞いてねえ』と突っぱねられる。『怖いのか?』と煽ったら、『テスト前にてめえらみたいなクレイジーと遊んでるヒマないっつってんだよ!』と逆切れされた。


 短気な人って本当にやーね。テスト前のイライラをこっちにぶつけないでほしい。とりあえず黙ってミルク(ちゃっぴぃのヨダレ入り。あの野郎ねだったくせに残しやがった)を差し出しておいた。


 とはいえ、ラフォイドルの言うことにも一理ある。俺自身の勉強は問題ないけど、ギルの筋肉とロザリィちゃんとその他おまけに勉強を教えなきゃいけない。


 てなわけで、再来週の休日にルマルマ対アエルノチュッチュで決闘を行うということで合意した。来週じゃないのは『来週は打ち上げがあるんだよ。なんでてめえらの都合にこっちが合わせなきゃいけないんだよ』ってラフォイドルが駄々をこねたからだ。


 なお、月光と暗黒を醸し出すギルのおかげで組長会議がすごくカッコよいかんじだったことをここに記しておく。いかにもえらい人たちの話し合いっぽくって思わずテンションが上がった。


 せっかくなのでワイングラスでぶどうジュースを飲み、ノリノリで『それが貴様の選択か? わが親友、そして仇敵のラフォイドル?』って決闘申請書をラフォイドルに差し出したら、『てめえの遊びに付き合ってられねえって言ってんだろうがッ!』って闇の拳骨を放ってきた。超怖い。


 もちろん、闇の拳骨はスクワットしながら組長会談を見守っていたギルが拳で打ち砕いていた。さすが親友は頼りになる。『アエルノのくせに親友認定されやがって!』ってカチキレていたところはちょっといただけないけど。


 あと、ちゃっぴぃの口周りにミルクのおひげができていたので『あいつのローブでふいておけ』ってけしかけたら、『てめえマジぶっ飛ばすぞ』ってラフォイドルにカチキレられた。ちゃっぴぃは『きゃーっ♪』って俺のローブとラフォイドルのローブで口を拭きやがった。解せぬ。


 で、互いに決闘申請書にサインしてからラフォイドルと別れる。ラフォイドルはなんだかんだでミルクを全部残さず飲んでいってくれた。意外と律義なやつだと思う。


 その後は栽培スペースで水やりを済ませ、みんなに勉強を教えるべくクラスルームへ。今回中間テストがあるのが二教科だけだとはいえ、内容がそれなりに深いから油断ができない。これでレポートや製図の課題もあったらと想像するとチビりそうになる。


 そうそう、ギルのおかげでクラスルーム内が暗く、真ん中だけ月の光で明るかったことを記しておく。なんか野外で勉強しているみたいでちょっと楽しかった。『こういうのもステキかも!』ってウキウキしていたロザリィちゃんがマジプリティ。


 勉強会だけど、クーラスやジオルドなんかは『なんだかんだで暗記だけだし楽勝だろ』って優雅に勉強してた。でもポポル、ミーシャちゃん、フィルラドは広げたノートを見て絶望の表情&半ベソ状態だった。


 今更ながらシューン先生のノートが意味不明過ぎて役に立たないらしい。横から見たら、悶え苦しむミミズみたいな字が羅列されていてちょっとびっくりした。あとヨダレのシミも発見。居眠り野郎ども(一部除く)にまとめて内容を叩き込んでおく。


 ふと思ったけど、魔系って口の締りの悪いやつ多くね?


 午後も同様に勉強を教える。『俺こんなの楽勝だし?』って得意気なギルが筋肉コピーでミーシャちゃんのノートを作ってあげていた。その知識を与えたのは俺だと何度言い出しそうになったことか。


 が、ギルによじ登ってケラケラ笑っているミーシャちゃんと、なんかいつもより筋肉がぎこちない動きをしているギルを見たロザリィちゃんが、『そっとしておこうね?』って囁いてきたので放っておくことに。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。一日中勉強していたからか書くことがあまりない。あとロザリィちゃんともイチャイチャできなかった。ステラ先生も来なかったしちょっと不満。


 ギルは今日も大きなイビキをかいている。復習でもしているのか、ギルの筋肉がピクピク動いているのが超怖い。書き損じた決闘申請書の切れ端を鼻に詰めた。おやすみ。

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