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182日目 魔法造成実習:フラウルを用いた陣造の基礎

182日目


 ギルの鼻息がサイクロン。ねぇもう泣いていい?


 ギルを伴い食堂へ。サイクロンな鼻息のせいで、通りすがりの女の子たちのローブがめっちゃめくれる。ギルの野郎、それを見てさらに鼻息を荒くし、近くの扉が吹っ飛んだ。つくづくこいつ人間じゃねーな。


 朝食はジャガイモをチョイス。というか、鼻息がサイクロン過ぎてまともな料理はみんな吹っ飛んでしまったからだ。女子たちはみんなしてローブを押さえているし、男子たちはチャンスとばかりに女子たちをガン見する。


 いいものでも見れたのだろうか、ティキータのゼクトが超いい笑顔でギルにジャガイモを渡す。ギルのやつ、『うめえうめえ!』とさらに鼻息が荒くなった。ポポルとミーシャちゃんが吹っ飛んでいった。ジオルドが首根っこひっつかんでキャッチしてたからたぶん大丈夫だろう。


 俺? ロザリィちゃんとちゃっぴぃをしっかり抱きしめて守ってたよ。ロザリィちゃんがすっごくやわらかくて甘いにおいして超大好き。両手をふさがっている俺に『あーん♪』ってジャガイモを食べさせてくれるところとかマジ聖母。朝から思いがけずイチャイチャ出来て幸せだった。


 なお、あまりに騒ぎ過ぎたからか、途中でステラ先生、そして久しぶりにヨキがやってきた。『どうなっとるんや……』とか変な訛りをつけつつ、ヨキは超圧縮した魔法陣をギルの鼻に詰めてサイクロンを沈めた。ステラ先生はさらに『今日一日だけ我慢してね?』ってその上から魔導封印を施していた。


 ギルの野郎、ステラ先生のキュートな笑顔にトロールみたいな笑顔を浮かべ、さらに鼻息が荒くなる。ヨキの魔法陣が吹っ飛んだ。もうやだ。


 結局、ミーシャちゃんがクレイジーリボンでギルの鼻をふさぐことで事態は収まった。『長さが足りないから今日は一日肩車するの!』ってミーシャちゃんはギルの方に飛び乗ったけど、普通にリボンを外せばよかったんじゃね? つーか、そうでなくともあれって伸び縮み自在だったよね?


 授業は美の女神ステラ先生の魔法造成実習。今日からは本格的に魔道具や陣造用の魔法陣なんかを使った実習に入る。『危ないから気合入れてねっ!』って杖をコンコンしながら出席を取るステラ先生が超かわいかった。


 で、レポートを出す時手をぎゅっとしようとしたんだけど、『二度も同じ手はくらわないぞっ!』っておでこをつんってしてくれた。ステラ先生が可愛すぎて理性が崩壊しそうになる。


 さて、今日はフラウルっていう陣造魔道具の使い方について学ぶ。これ、結構大型の魔道具で中型のヤギくらいの大きさがある。数枚の魔法刃(砥魔石ではない)を円盤に固定したものを高速回転させて魔力塊を削る、すなわち裂造用の魔道具なんだそうだ。


 ちなみに、変則的に魔道具に魔法陣を刻むこともできる模様。どちらにせよ、普段俺たちが使う魔法に用いられる魔法陣じゃなくて、大型の魔道具や儀式用の魔法陣だから、使ったことがあるやつはいない。


 ここで重要なのは、あくまで動かすのは魔力塊のほうであり、魔法刃のほうはその場で回転するだけってこと。実際にやってみるとすぐわかると思うけど、回転の向きから魔力塊を動かす時と、回転と逆向きから魔力塊を動かす時で陣の表面形状もなんとなく違う。つーか、手ごたえも違ってやりにくい。


 シューン先生が裂造にはノウハウがすごく必要って言ってたけど、その意味がよく分かった。ただ削るだけだと思いきや、どうしてなかなか奥が深い。操作も結構細かかったから、アルテアちゃんやパレッタちゃんはうっかり削りすぎてしまっていた。


 あと、思いのほかデカい音と魔力の気配があってちょっとビビる。なんかほっとくと爆発しそうで怖い。『私も最初はびっくりしたよ!』ってステラ先生がお手本を見せてくれたけど、すっげぇ凛々しくて惚れ直した。


 なんだかんだで大きな事故もなく実習は終了。今回はあくまでフラウルの基本的な操作と癖をつかむってだけで、ちゃんとした陣造は来週やるらしい。『やっててわかったと思うけど、魔塵が結構出るから迂闊に顔を近づけちゃだめだからねっ!』って注意するステラ先生がマジ聖母だった。


 あ、今週はレポートはないらしい。来週に二週間分をまとめて出すそうな。まぁ、操作を覚えただけで書くことなんてないから当然っちゃ当然だけど。


 夕飯食って風呂入って雑談中、ロザリィちゃんが『あの……ちゃっぴぃの乳しぼりを……』と、ちゃっぴぃを抱きながらやってきた。真っ赤になって照れているところがマーベラスキュート。


 せっかくなので二人で悪夢椅子に座り、前回とは違うスタイルで乳しぼりを試みる。ちゃっぴぃは俺の左ひざとロザリィちゃんの右ひざに座り、二人でうまいこと固定して乳しぼりをした。ロザリィちゃんと密着出来て超ハッピー。風呂上がりだからか、すんごいいい匂いがした。あと、悪夢椅子の仕様上、ちゃっぴぃを固定しやすかったのはなかなかにグッドだった。


 で、こう、いい感じのポジションを探りつつロザリィちゃん(の手)を揉んでいたら、『きゃああああ──っ!?』っと何ともかわいらしい悲鳴が。みんなびっくりしてクラスルームの入り口を見たら、湯上りステラ先生が明らかに湯上り以外の理由で真っ赤になり、ぷるぷるした指でこっちを指さしていた。


 『なな、ななな、なにやってるのっ!?』と聞かれたので、『ちゃっぴぃの乳しぼりです』と素直に答える。どうやら、俺がロザリィちゃんの胸を揉んでいるように見えたらしい。意外とえっちな勘違いするステラ先生がマジ可愛い。


 まぁ、確かに遠くから見たらそう見えないこともないけど、もしそんなことをしていたら俺は幸せすぎて気絶しているだろう。


 結局、『まま、紛らわしく搾らないようにっ!』って目をぐるぐる回したステラ先生に言われたので、『以後気を付けます』とだけ答えておいた。本当はもっと愛にあふれる言葉を囁きたかったけど、想像以上にウブなステラ先生が可愛すぎてそれどころじゃなかった。


 見とれていたら『ふーッ!』ってちゃっぴぃに引っかかれのが未だに解せぬ。あいつマジ何なの?


 さて、ギルは今日も大きなイビキをかいている。クレイジーリボンを一日巻きつけていたおかげか、サイクロン具合ももうすっかりよくなってる。今日はあえて畑の土を鼻に詰めてみた。


 明日からはお菓子作りだ。気合を入れよう。おやすみねすとろーね。

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