170日目 エッグ婦人の診察(見栄っ張りステラ先生マジキュート!)
170日目
ギルのパジャマが子供サイズに。当然のことながら原型を留めていない。朝から嫌なものを見てしまった。
パジャマの破片を拾い集めてから食堂へ。久しぶりにロザリィちゃんがカフェオレを作ってくれて朝から超幸せ。しかも、よく見たら中に入っている氷がお星さま型をしていた。
『どうしてこれを?』と聞くと、『ナターシャさんが──くんはこれが好きだって言ってたの!』とプリティスマイルで返される。ロザリィちゃんの気遣いが非常に愛おしく感じるとともに、あふれ出る聖母感に泣きそうになってしまった。
ちなみに、お星さま型の氷はちゃっぴぃが『きゃーっ♪』とか言いながらガリガリ食ってしまった。カフェオレの濃い最後のほうも飲まれてしまう。でも、『また作ってあげるからね♪』ってロザリィちゃんが頭をポンポンしてくれて超うれしかった。
書くまでもないけど、ギルは『うめえうめえ!』とジャガイモを食べていた。今日も平和だ。
さて、朝食の後はアルテアちゃん、フィルラドとともにエッグ婦人を連れてドクター・チートフルの元へ行く。エッグ婦人は昨日も卵を産まなかったらしく、フィルラドが不安そうに『うちの子は大丈夫なんでしょうか……!』とドクター・チートフルにすがっていた。アルテアちゃんは『普段面倒を見ているのは私だろうに……』ってぼやいていた。
で、早速診察。ドクター・チートフルはエッグ婦人のおなかを何度か撫で、ケツの羽をむしってその状態を確認する。『詰まっているというよりかは、ちょっと調子が悪いだけのような感じだな』とのこと。
どうやら、エッグ婦人の体調の回復が想定以上にすさまじく、排卵促進剤が逆に産卵ペースを乱してしまっているようだった。
『体そのものには影響がみられないから、今後は少しずつ薬を減らしていくように』とドクター・チートフルは新しい周期表(いつ薬を与えるかって書いてあるやつ)をくれた。フィルラドが『ありがとうございます……!』と受け取るも、直後にアルテアちゃんが『どうせ面倒見るの私なんだから、お前が持っていてもしょうがないだろう?』と取り上げる。
フィルラド、完全にアルテアちゃんのケツにしかれていた。ドクター・チートフルもこれには苦笑いを隠せない。
つーか、これ俺一緒に来る必要あったのか? 『組長だから念のため、な』ってアルテアちゃんは言ってたけど、イマイチ腑に落ちない。なんかあった時のフィルラドの代わりだったんじゃね?
夕飯食って風呂入って雑談していたら、寝間着姿のステラ先生がやってきた。ひゃっほう。
ステラ先生、製図の最後の追い込みをかけているポポルたちを見て『やっぱり最初は大変だよね……』と遠い目をする。『だったら宿題被らせないで下さいよ!』とポポルが涙目で抗議するも、『魔系はみんな通ってきた道だから。それに、これでも少なくなったほうなんだよ?』と死んだ瞳で微笑んでいた。そんな姿もマジプリティ。
なお、ステラ先生が学生時代に一番ヤバかったときは、製図、実習レポート(最後の仕上げのレポートで七十枚は書かなきゃいけない)、プレゼン、期末テストがいっぺんに襲ってきたらしい。『あの時は死ぬかと思ったなぁ……うふふ……』って明らかにヤバい笑顔を浮かべていた。
その後、なんやかんやあって一緒にカードゲームをする。相変わらず先生のイカサマテクが半端なく、最初こそ勝ったと思ったのに気づけばケツの毛まで毟り取られていた。
で、『ギャンブルはホントはいけないんだよ?』と頭をポンポンされ、半分は俺の元に返ってきて、半分はクラス資金にぶち込まれた。なんだかんだで半分も返してくれるあたり、ステラ先生ってマジ女神。
ふと気になったので、『どこでその技術を身に着けたのですか?』って聞いたら、『む、昔付き合ってた彼氏が教えてくれた……みたいな?』とびくびくしながら教えてくれた。
一瞬絶望しそうになるものの、ロザリィちゃんが『せんせい、嘘はよくないと思う!』と救済の一言を入れてくれる。
そういや、俺たち……っていうかルマルマの間ではほぼ秘密は筒抜けだった。先生、見栄を張ったのが恥ずかしくなったのか、『……聞かなかったことにして』ってちゃっぴぃをぎゅって抱きしめてうつむいてしまった。恥ずかしがる姿もめっちゃかわいかった。
あと、ちゃっぴぃは大きな大きなそれに挟まれ、『きゅ、きゅぅ……』すごく苦しそうだった。俺もぎゅってしてほしかった。
いつのまにやら課題をすべて片付けたギルは今日も大きなイビキをかいて寝ている。結局ステラ先生はどこでイカサマテクを覚えていたのだろうか。気になって眠れそうにない。
とりあえず、ギルの鼻には服に引っ付いていたちゃっぴぃの髪の毛を詰めてみた。おやすみにすかーと。
※明日は燃ゴの日。魔廃ゴもまとめて深淵に叩き込む。
20150921 分かりづらい表現をちょっと修正。日記を盗み見る人のこともちょっとは考えてほしいものだ。あの野郎、こういうところの気が利かないから困る。




