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17日目 基礎魔法概論:星型魔法陣と円型魔法陣

17日目


 ギルの髪が逆立っていた。ちょっと予想外だった。


 朝食はハムエッグとトースト。いくら種類が多いとはいえ、そろそろ被りだしてくる。『魅惑のふわふわヘアー!』とか言ってポーズを決めるギルが怖い。あいつマジで何を考えているんだろう? でも、それを見てくすくす笑うロザリィちゃんがとっても可愛かったです。ギルもたまには役に立つもんだ。


 朝食中、ティキータ・ティキータの連中がエンゼルフィンのひれを譲ってくれないかと交渉しに来た。エンゼルフィンって警戒心が強くて全然捕れないから、値段も高くて手が出せず悩んでいたらしい。


 なぜかクラスのみんなが判断を俺に求めてきたため、一部を相場の六割で譲ることにした。その代り解体で得たひれ以外のものをこちらに渡し、なおかつティキータ・ティキータがルマルマの欲しい素材を確保した際は優先的にこちらに流すように取り付けた。お互い良い交渉ができたと思う。エンゼルフィンは今のところ使い道なかったし。


 あっちの代表はゼクトと名乗った。欲しいものがあったら遠慮なく言ってくれとのたまった。言葉通り容赦なくぶんどってやろうと思う。


 授業前に交渉で得た金をクラスルームの貯金箱に入れる。この金はクラスの金だ。あと、クラスの契約帳にティキータ・ティキータとの契約を加えておいた。時間を見つけてステラ先生の認可を得ておこう。


 授業は基礎魔法概論。相変わらずシューン先生はローブをズボンにインしている。


 内容は魔法陣のベースパターンについて。メジャーどころの星形と円型の特徴と違いについて語る。例によって例のごとく、メモの一部を下に示す。


『星型魔法陣は陣造が比較的容易であり、耐久性こそ円型魔法陣に一歩及ばないものの陣の破壊・再構築が素早く行えるため、瞬時に様々な魔法を使い分けられるというメリットがある。また、再構築の際に構成魔力そのものを繰り返し利用できるため汎用性が高く、負担も少ない。魔深がある魔法陣の陣造にも適している。複雑形状の陣も容易に作れるが巨大な陣型を作るのにはあまり向いていない。


 円型魔法陣は総じて内魔変係数が高く、侵しに強くて魔応力に優れる。高負荷の魔力に耐えられるため、一度陣造してしまえば高威力の魔法を連発できるという強みがある。また、陣そのものが丈夫なために魔道具とはコンセプト的にも作業的にも相性が良い。巨大な陣も作れるが一部の形状は再現するのが非常に難しい。また、作り変えるのには手間がかかり、再構築も再び魔力を使うので負担は大きい。


 基本的には個人単位での使用を想定する場合は星型、作戦単位での使用および魔道具に刻み込む場合は円型のベースパターンを用いるとよい』


 自分なりの解釈を付け加えると、星形は汎用性が高くて小回りが利き、円型は高威力・高耐久が売りなんだと思う。どれも一長一短ってやつだ。表にして纏めようと思ったけど面倒くさいからやめておく。


 書いてて思ったけど、シューン先生の話をいちいち聞いてメモを取るより、理解した奴からちょろっと教えてもらったほうが遥かに時間の節約になる気がする。こういう時はギルがうらやましい。


 書くまでもないけど、ザントマンは猛威をふるっていた。うつらうつらするロザリィちゃんが天使すぎて授業どころじゃなかった。


 週明けからこの授業って結構キツイ。課題がないのが救いだけど指が痛い。先週もこんなことを書いた気がする。


 アホ面晒してイビキをかく友人の鼻に魔胆石を突っ込む。もうぐっすり寝るのは諦めた。

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