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16日目 魚うめえ

16日目


 ギルが美声になってた。なんだこいつ。


 ギルを叩き起こして食堂へ。すでにフィルラドとポポルは準備万端で待っていた。朝食は手軽にサンドイッチ。今日もおいしいご飯を用意してくれたおばちゃんに今度何かお礼をしようと決める。ギル専用のジャガイモの大皿ができてた。『うめえうめえ!』って言いながら食ってた。


 学生部で釣り具を借りて近くの湖へ。思った以上に湖が大きくてびっくり。あと、釣り具は割とマシな出来だった。


 釣りはそこそこ順調だった。このへんは環境が良いからか、普通の魚のほかに魔法生物も結構泳いでいた。魚系の魔法生物ならそのまま釣れるらしい。


 ギルの美声によって来たあまりにも哀れなムーンフィッシュとエンゼルフィンを網でそのまますくう。奴らが水面に顔を出した時の絶望の表情を俺は忘れない。


 普通の魚も五匹ほど釣れた。大きさは全部ステラ先生の杖くらい。ポポル曰く骨が多いらしいけどでっぷりと太っていてなかなか食べ応えがありそう。自分で焼いて食べてもいいし、食堂のおばちゃんのところにもっていけば調理もしてくれるそうだ。おばちゃんにマジで感謝。


 ポポルは小魚を狙って十五匹ほど。そのまま素揚げにして食べるそうだ。フィッシュ&チップスが好きらしい。


 フィルラドは六匹。一匹負けたのが悔しい。次こそは勝つ。


 ギルはバカでかいのを一匹。真っ向から力勝負をして奇妙な友情を築いていた。で、なんかお互い分かり合って、ひれと指でサムズアップを交わした直後に棍棒でぶん殴って仕留めてた。下手すればステラ先生を超えそうなくらいの大物だった。


 魚とはいえ友情を育んだ相手を笑顔で撲殺するギルが怖い。筋トレに使うとかぬかしだしたから三人でおばちゃんに渡せと厳しく言っておいた。


 空き時間に湖畔でリシオを採取。黄色くていい香りのする花だった。調合用のをいくらか失敬し、栽培用に株ごといくつか頂いておいた。腐るほどあるから問題ないだろう。


 ホクホク顔で夕飯。魚尽くしフルコース。ギルが仕留めた魚はあまりにも大きかったので、クラスのみんなで食べた。友情が一層深まった気がする。おいしーっ! って笑うロザリィちゃんが可愛かったです。あとミーシャちゃんがギルに並々ならぬ対抗心を抱いていた。彼女も釣りが好きらしい。


 こっそり手数料としておばちゃんに昨日作った風邪薬ほか各種の薬を渡す。なんか照れられたけどいいことしたから気分が良い。あと、胃袋から見つかった泡気石と大きめの魔胆石をくれた。ラッキー。


 ムーンフィッシュ等の処遇はまだ決まっていないので、とりあえずクラスルームに水槽を設置してぶち込んでおいた。材料として有効利用したい。


 エンゼルフィンを絶望させたギルは無駄に美しい旋律のイビキをかいている。今日は泡気石を鼻に詰めよう。おやすみ。


※明日は授業。燃えるゴミを部屋の外に出しておく。魔法廃棄物も。

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