146日目 復讐のスウィートパーティー~憎悪のキスはハゲプリン味~
活動報告に書いた通り、前回の区切りがあまりにもアレだったようなので、特別に公開します。読んで後悔されても責任はとれませんので悪しからず。
146日目
昨日が昨日だっただけに、一日遅れで日記を書いている。日付そのものは146日目となっているけれど、実際は147日目に昨日の分の日記として書いているから、そこのところ忘れないように。このあと147日目(今日)の分もすぐに書かなきゃいけないと思うとちょっと不思議な気分。
朝方のいつもの時間に部屋に戻ってギルの鼻付近を確認する。異常魔力波だとかなんかヤバそげななにかだとかを放っているそれをポケットに入れておいた。その時が来るまで厳重に魔導封印を施しておくのを忘れない。
その後はギルを叩き起こして食堂へ。食堂にて、ぐったりとしたジオルドが『全部やっておいたぞ』とメッセージカードをくれた。実は夜中に準備してるとき、たまたまジオルドがトイレに起きて、運よく手伝ってもらうことに成功したんだよね。
ジオルドに手伝ってもらったのはメッセージカードの作成と会場の設置。わざわざここに改めて書く必要もないだろうけど、素敵すぎる俺は身内の迷惑の尻拭いとしてちょっとガチめなスウィートパーティーを開くことにしたってわけだ。
で、せっかくなので食堂に集まっているルマルマのメンツにメッセージカードを配る。スウィートパーティー開催の旨を見た瞬間、クラスの女子とポポル、そしてエッグ婦人と六匹のヒナたちから歓声が上がった。『昨日の埋め合わせだから全部俺のおごりだ!』って言ったらさらに歓声が大きくなった。
そして、当然のごとく諸悪の根源のクソ女も『ひゃっはー! ケーキ食べ放題じゃん~!』とかいってめっちゃご機嫌だった。あいつの頭の軽さにこの時ばかりは安心する。
ミニリカとテッドだけは『……なんか企んでるだろ?』とか言ってきたので、『みんなが好きなだけ甘いもの食べられる。そのあとに何が起ころうと、個人の問題なら関係ないだろ?』と言っておいた。『巻き込まなければいいじゃろ』とお墨付きをもらう。
面倒くさいからだいぶはしょるけど、午前中はみんなに会場設置の仕上げを頼み、ロザリィちゃん他女子たちには俺が一晩かけて作りまくったお菓子の数々を運んでもらった。
作ったのはハゲプリン、煉獄ケーキ、クラフティー、クッキー、ドーナツ、ゼリー、その他いっぱい。あまりにもゴージャスなラインナップにステラ先生はぴょんぴょん飛び跳ね、ピアナ先生はそわそわと落ち着きがなかった。そんな様子が二人ともマジプリティだった。
パレッタちゃんだけは『ここまで憎悪がこもったお菓子があるなんて……!』と別方向の喜びを見出していて若干焦った。
んで、早速パーティーの開始。昨日お預けを食らったからか、ハゲプリンの消費が激しい。ミーシャちゃんは口いっぱいほおばっていたし、パレッタちゃんはケーキを確保しながら食べていた。ステラ先生に至ってはお口をちょっと汚しながら食べていて、すっげぇかわいかった。
ジオルドやクーラスもハゲプリンを堪能する。ポポルは言わずもがな。ギルは特別に作ったポテトパンケーキを『うめえうめえ!』と貪っていた。
クラスのみんなが湧き上がる中、ミニリカも『やっぱりおいしいのう!』と久しぶりに俺のお菓子を楽しんでいた。マデラさんのお菓子もいいけれど、俺みたいにちょっと大胆なアレンジを効かせたものも好きらしく、カミシノとギル・チェリーで作ったゼリーをバクバク食べていた。数か月程度とはいえ、ちょっと恋しくなってたとか。ババアとはいえ味覚は女だと再確認する。
そして本日のハイライト。『もっとケーキをもってこーい!』と調子こいて煉獄ケーキを食いまくっていたナターシャに『昨日はちょっと言い過ぎたな』って特製ハゲプリンを持っていく。『お詫びのしるしとして受け取ってほしい』と頭を下げたら、『んっふっふ! あんたもかわいいところあるじゃない!』とか笑いながら受け取ってくれた。
そのまま数口食べるナターシャ。『ぅぐッ!?』っと声にならない悲鳴。スプーンを落とし、胸元を押さえながら膝をつく。うまく行き過ぎて笑いが止まらなかった。
なんのこっちゃない。プリンにちょっとお薬──こないだの薬師が作った魔系殺しのアレを盛ったってだけだ。
『どうやって……ッ!? どうしてこの薬程度で……ッ!?』とクソ女がにらみつけてくる。あいつ、マジで毒入り酒をラッパ飲みして平気な顔できるレベルで薬剤耐性が高いから、普通はこんなことありえないはずなんだよね。
が、俺はそれを見越してあいつ好みのお菓子だけに過剰にアルコール、さらにはこないだ採れたギル・シュガーを使ったのだ。おまけに、みんなに配ったメッセージカードには特殊な守護魔法を仕込んでおいたから、みんながナターシャ向けのお菓子を食べても問題なし。事故を起こさないこの完璧すぎる配慮に自分をほめてやりたい。
クソアマは酔っぱらった上に、飲んだ薬が体内のギル・シュガーと特異反応してヤバい何かを引き起こしているのだろう。むしろ、意識を保っているのが不思議なくらいだったりする。
たぶん、普通の魔系ならこの段階で気絶して三日は意識不明&一週間は魔法をつかえないだろう。現に、クソアマも体と魔法の自由がきかないようだった。
もちろん、こんなことで満足する俺じゃない。ケツをずりずりしながら必死で逃げようとするクソアマの元へ歩みを進め、爽やかに笑いながらあいつの肩をポンポンした。
途端に見るもおぞましい、どす黒く筋肉質でぬめぬめした触手が奴の四肢に絡みつく。成長速度も増殖速度もこないだとは段違い。うまく行き過ぎて逆に怖い。
『魔喰の触種……!? なんであんたがまだこれを持ってんのよッ!?』って言われたけど、逆になんであいつは俺が一個しか持ってないものだと思ったのだろうか? ちょっと理解に苦しむ。
慌てて先生たちがナターシャを助けようとしたんだけど、ここでミニリカが『ただの姉弟喧嘩じゃ。しばらく好きにさせてやってくれ』とナイスなフォローを入れてくれた。
で、クソアマはこないだ自分で言った通り、触種の破壊を試みる。魔系殺しの薬を飲んでフラフラだろうに、めっちゃ濃厚な魔力を練って魔法をぶっぱなそうとした。
しかし、それすら不発。触種の成長は明らかにこないだよりも早く、魔力吸収スピードがあのナターシャの魔力錬成スピードを上回っていた。異常魔力波もすごいし、再生能力もすごいし、増殖能力も物理的な拘束能力も桁違い。『ありえない……ッ!』って歯をギリッてやる表情がマジ最高だった。
実際、あり得ないのも無理はない。なんたって、俺の(一応)得意魔法である吸収魔法を養分に与え、さらにはギル・アクアに浸した魔喰の触種を、とどめとばかりにギルの鼻に突っ込むことでできた代物なのだ。名づけるなら『大魔喰の禁触種』か『グラトニー・ギル・シード』ってところだろうか。
もしクソ女が普通の魔系だったら一瞬で干からびて死んでいる。ついでにそのあとどうなるのかまるで予想がつかない。俺の制御もあんま受け付けてなかったし。
必死になって抵抗するクソ女の表情を楽しむ。腹だの胸だの尻だの脚だのがヌルヌル触手にぎりぎりと締め付けられていた。もがけばもがくほど締まっていって、どんどんお子様には見せちゃいけない感じになっていく。
あいつがあれだけ苦しそうにしている姿を俺は見たことがない。今までずっとチャンスを狙ってきたかいがあった。魔法も使えない、身動きもとれないナターシャなんてただのヨダレ臭い痴女だ。
尤も、普段から痴女染みた格好をしているから、そういった意味での精神的苦痛はほとんどなかっただろう。そこだけは非常に残念である。
しかし、さすがは冒険者最強の女魔法使いと言われるだけあって、ギル・シードをもってしてもなかなか魔力が枯渇しない。しょうがないので俺直々に吸収魔法を叩き込もうとあいつの首筋に歯を突き立てる。今までの恨みをすべてこめてガブッと噛みついてやった。
が、これが失敗だった。そのまま素直に待っていればよかったと今になって思う。
あのクソアマ、『あんたなら必ず直接とどめを刺しに来ると思った……!』と最後の力を振り絞って俺の体を足でカニばさみしてきやがった。さらに、俺の頭をガシッとつかんでくる。
どうやら今までのにはいくらか演技が入っていたらしく、ふり払えないくらいに力が強い。完璧にがっちりと固定された。身の危険を感じたときはもう遅い。
あの野郎、こともあろうにあだいぢゃsdじゃdkまえいへいうなdkさんdか
(判別不明の文字列が羅列されていました)
あのクソアマ、みんなが見ている中で俺にキスしやがった! しかも、よりによって舌まで入れるディープ! ロザリィちゃんが見てるのに! 俺、純情なのに! マジ許さねえぶっ飛ばすぞコラ!
あまりの出来事に呆然とする。体中がしびれて魔力をうまく制御できない。『お子様には刺激的すぎたかしらぁ?』とかあいつが言ってきたけど、もちろんそんなはずはない。
あのクソアマ、俺に口移しで毒入りハゲプリンを盛ってきやがった! 最後の最後で油断した!
そりゃさ、確かに口には残ってたんだろうし、確実に飲ませられるけどさ、普通そんなことするか? あいつクレイジーってレベルじゃねーぞ? プライドとかそういうのってねーの? いや、マジでさ。
触種は俺の制御を失って俺までナターシャもろとも取り込んできやがった。ヨダレ臭い薬のせいで魔法は使えず、ついでに十分に成長しきった触種のせいで物理的な脱却は不可能。絡みつくヌルヌルがマジでキモチワルイ。パンツの中にまで入ってきて発狂しそうになった。
『このままだとあんたのほうが先に沈むわよねぇ?』と勝ち誇ったクソアマ。確かに、魔力総量はこの段階でなおあいつのほうが上。俺の魔力が枯渇し、触手も消えたところで残るのは、文字通り無抵抗の俺と、最後の一撃くらいは入れられるナターシャだ。
『吸収魔法であたしの魔力を吸えば勝てるわよ? 今のあんたじゃ一生かかってもム・リ・だ・け・ど・!』と小賢しい挑発をしてきたので、あえてその挑発に乗ってやる。薬による魔力変調の影響からか、発動しようとすると体に激痛が走ったけど、そんなのしったこっちゃない。言われたとおりに首筋に噛みついてやった。
まさか俺がここまで成長したとは思ってなかったのか、『ひゃんっ!?』っと完全に不意打ちで吸収することに成功する。が、直後に『このクソガキが!』とガッと頭を持ち上げられ、またもディープキスされた。
魔力変調で意識がもうろうとしてくる……も、こいつにだけは負けたくなかったのでクソアマの舌を思いっきり噛み、奴がひるんだところで今度はこっちから舌を入れてハゲプリンを押し込んでやった。
で、あいつが『んぐッ!?』ってむせて隙ができたところで再度首筋に噛みつく。しかし、やっぱり気を取り直したクソアマが俺の頭をひっつかんでディープキスしてきやがった。しかもちゃっかりハゲプリンを口に含みなおしている。
それからはもう、互いにディープキスしたり首筋に噛みついたりの繰り返しだった。俺は繰り返し注入される薬と触手のせいでフラフラだし、ナターシャもそれプラス俺に魔力を吸われまくって今までにないレベルで疲弊している。
そしてとうとう、俺は恐ろしいことに気づいてしまった。
クラスメイトの俺を見る目がすさまじいことになっていた。
内容はともかく、さっきからずっとキスして噛みついての繰り返しなのだ。オマケに今は、痴女染みた格好のナターシャと完全に密着したうえ(カニばさみも継続中)、ヌルヌルな触手に一緒に絡まれているという、非常に不本意な状態でもあるのだ。
つまり──だいぶアレなかんじに見えるんじゃね?
ミーシャちゃんはオーバーヒートして目をぐるぐる回していたし、アルテアちゃんも今まで見たことないレベルで真っ赤で汗だく。パレッタちゃんでさえ『お、おおう……』となんか鼻を押さえている。
ピアナ先生はギルの後ろから目を泳がせながらチラチラこっちを見てたし、ステラ先生はプルプル震えすぎて今にも気絶しそうだった。
そして、ロザリィちゃんは羞恥で真っ赤になりながらも(めっちゃかわいくてマジプリティ!)、氷のような眼差しで(クール&スパイシーでマジビューティフル!)、すべてを悟ったかのようにほほ笑んでいた。
マジで、それを見ちゃった瞬間に言葉で表せない絶望を感じた。俺、何が悲しくてロザリィちゃん以外の、しかもよりによってこのクソ女とキスなんかしてるんだろう?
もうその時には完全に戦意が喪失した。それに反応してか、触手の活性も落ち着く。もちろん、まだ身動きはとれないし、そもそも魔力を喰われまくったから脱出はかなわないんだけど。
もう何もかも虚しくなって、ナターシャのことさえどうでもよくなったのに、あのクソアマはdかおいさだいjsぢあえfhlkんkだsじdjiaouanlkadladijawd
(またも意味不明な文字の羅列が続いていました)
あのクソアマは、『あたしに歯向かってただで済むと思ってるの?』とか言って、言って……
『こいつのファーストキスの相手はあたしです! 五歳のときに事故を装ってこいつから奪いに来ました!』とか言い出しやがった!
しかも、『おまけに水浴びしているときに覗いて来たり、脱いでおいた下着を洗濯するふりしてすーはすーはーしてました! これも五歳の時です!』とどんどん暴露を続けやがった!
あのクソアマ、直接攻撃する魔力が残ってないからって、最後の最後で俺の精神をぶっ壊しにきやがった!
非常に腹立たしいし、自分でも屈辱であるが、この悔しさを忘れないためにバラされたことすべてをここに書いておくことにする。どうせ誰も見る人はいないし、ステラ先生もあの場にいたからもう知っていることだ。
いいか、日記を読み返している未来の俺よ。この屈辱を絶ッ対に忘れるな。何のためにここに恥を書き残したのか、その意味をよく思い出せ。
・事故を装いナターシャとキスをした。
・ナターシャの下着をすーはーした。
・ヴァルヴァレッドのおっさんのトイレが長かったため、みんなの前で漏らした。
・テッドの悪戯のせいでみんなの前で漏らした。
・勝手にミニリカの部屋に入り、勝手に布団にもぐりこんで添い寝した。
・ナターシャの風呂場を覗いた。
・ミニリカの風呂場を覗いた。
・おっさんの大人用パンツを何をトチ狂ったか帽子として使ったことがあった。
・テッドのズボンをみんなの前でずりおろそうとしたが、逆にずりおろされた。
・意味もなくミニリカに甘えて抱き付き、尻の感触を楽しんでいた。
・女性客に甘えるふりして抱っこしてもらい、胸を合法的に触って楽しんでいた。
・ナターシャの洗濯物は全部すーはーしてた。
・ミニリカの洗濯物も全部すーはーしてた。
・夜中にひとりでトイレに行けず、テッドの部屋で漏らした。
・夜中にひとりでトイレに行けず、おっさんの部屋で漏らした。
・女性客の寝具の洗濯の時は一通り全部すーはーしてた。
・おっさんに騙され、自分は世界一強いと思い込み、『零式・閃殺』というただの突きを披露しまくった。
・冬場はちょくちょくナターシャの布団にもぐりこんだ。冬じゃなくても普通にもぐりこんだ。
・ミニリカに騙され、女ものの民族衣装を自慢げにきていた。客が来るたび見せびらかしていた。
・完璧に覚えてしまった踊りの女形をミニリカに褒めちぎられ、日常の仕草や口調まで女の子にした。
・ミニリカに『冗談抜きに女形の才能がある!』と褒められ、女の子として生きていくべきかマデラさんに深刻な表情で相談しに行った。
・おねしょしたのをごまかすために、オリジナルの『実は嘘だよダンス』を深夜から夜明けまで踊りつづけていた。
・基本的に女性客の胸は凝視していた。
・『やってくれなきゃ死んじゃう』と駄々をこね、ミニリカにキスさせた。
・ナターシャと一緒に風呂に入りたいと駄々をこねた。入った後は背中を流してほしいと駄々をこねた。ついでに全身くまなく洗いっこした。
・ミニリカと一緒に風呂に入りたいと駄々をこねた。入った後は背中を流してほしいと駄々をこねた。ついでに全身くまなく洗いっこした。
・おっさんに『悪い子は八つ裂きにして丸焼きにして食っちまうぞ』と脅され漏らした。ちなみに、言われるたびに泣いて漏らした。
・ナターシャの使ったスプーンをペロペロしていた。
・テッドにそそのかされ、女性客に非常に痛々しいポエムが書かれたラブレターを送った。なお、そのラブレターは宴会の席でテッドに朗読された。
・女性客に『あーん♪』してもらうために、わざと自分の食器を落として泣いたふりをしていた。
・おっさんに復讐するため、愛用の剣に小便をかけようとするも、突然の突風により自分のズボンをびちゃびちゃにした。
・お昼寝していることをいいことに、ナターシャの乳尻ふとももを触りまくっていた。
・お昼寝していることをいいことに、ミニリカの乳尻ふとももを触りまくっていた。
・『雷の音が怖い』とうそをつき、ナターシャのベッドでぎゅってして貰いながら寝た。
・『暗いのが怖くて寂しい』とうそをつき、ミニリカのベッドでぎゅってしてもらいながら寝た。
・興味本位でおっさんの靴下を嗅ぎ、あまりの臭さに悶絶してギャン泣きした。
・階段下の掃除を熱心にしてる……ように見せかけて、女性客のパンツを覗いていた。
・おはようのキスをしてくれとナターシャとミニリカに泣いてせがんだ。
・ナターシャやミニリカが冒険に出かけようとすると『いっちゃ嫌だ!』と泣いて駄々をこねた。女性客の場合も同様。
『なにもかも誤解です! 全部こいつのデタラメです!』と叫ぶも、みんなが目を逸らす。ステラ先生も俺と目が合うと、明後日の方向を向いてしまった。
さらにひどいことに、『実は女子にはいくつか教えてあるんだよね~?』とクソアマ。そんなバカなと女子を見たらアルテアちゃんもパレッタちゃんもミーシャちゃんもロザリィちゃんも目を逸らした。
ふと思い出す。彼女ら、このクソアマが泊まった翌日、みんなして『誰でも恥ずかしい秘密の一つや二つある』って言ってなかったけ?
それってもしかして、ナターシャのヨダレじゃなくて、俺のことだったのか?
この後の記憶が酷くあいまいでよく覚えていない。ただ、気づいたときは大事なものをもち、学園の塔の間の屋根のところ(外から見えないし中からも見えない。風が強くて窓からはいけないところ。足滑らせたらまっさかさまで多分死ぬ)で泣きながら日記に呪の魔法陣を描いていた。
たぶん、あまりのショックに反射的に人のいないところに行ったんだと思う。どうやって行ったのかいまいちよくわからんけど。つーか、そもそもどうやって触手の拘束から脱出したのかもわかんないし。
とりあえず、月光を浴びながら魔法陣を描いていたのだけは覚えている。でも、なぜ描いたのかは覚えていない。
ナターシャを呪いたかったのか、それとも自分を呪いたかったのか。たぶん衝動に突き動かされて描いただけだと思うけど。今のところどこにも影響はないからたぶん不発……だと思う。理性を失っていただけに、マジでどんな効果かわからないんだよね。
で、そのまま放心して寝たっぽい。そんな時でも防御&隠蔽結界を張り忘れないあたり俺ってすごいと思う。
まだ続きを書かなくてはいけないのに無駄に長くなった。この辺で切り上げて今日の分を書いてしまおう。さすがにこれ以上は俺の心が持たないし。
これであなたも道連れです。日記を晒しているのがバレたらおそらく一緒に呪われると思います。呪いだけで済めばいいんですが……。
なお、次回は予定通り20150828に公開します。その後はいつも通り毎日更新に戻ります。個人的には次回こそ読まないほうが幸せな感じでした。
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