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137日目 図書館蔵書整理のバイト

137日目


 異常魔力波を放つ拳大の氷塊を確認。全力でアエルノチュッチュ寮の方へぶん投げた。ちょっと肩が強くなったかな?


 ギルをたたき起こして食堂へ。今日もロザリィちゃんたちは快眠できたらしく、『お布団がすっごくふかふかで最高だった!』と満面の笑み。もちろん男子連中もよく眠れたのか、ジョギングに行ったアルテアちゃんとフィルラドを除いてすでに朝食をとっていた。


 ギルの朝飯はもちろんジャガイモ。ただ、今日は暑かったので氷魔法で冷やした『冷やしジャガイモ』にしておいた。『うめえうめえ!』といつも通りの反応しかなかったけど。


 『冷やしたジャガイモってうまいの?』なんて言いながらポポルがギルの大皿からいっこくすねて食べようとしたら、氷のようにガチガチになっていて歯が立たなかった。


 思いっきりかじりついたポポルは涙目になっていたけど、なぜそうなることが予想できなかったのか理解に苦しむ。


 なお、そのジャガイモはロースト、ソテー、ピカタのおもちゃになった。たぶん、温まったらそのまま奴らが食うんだろう。


 昨日はゆっくりしちゃったので、今日は真面目にバイトを探す。何とも都合のいいことに図書館の蔵書整理のバイトがあったので、一人でそれを受けることに。


 内容はいたって簡単。図書館に返却された本を既定の場所に戻すってだけ。ただ、期末に向けて大量の本が借りられたから、その量が半端ない。あと、無駄に呪われていたりする本もあるからそういうのを見つけたら報告しないといけない。


 とはいえ、俺に任された本の山はそんなアブナイものはなかったし、図書館深層に行かなきゃいけないってわけでもなかった。普段俺が本を探してるエリア近辺ばかりで、物足りないといえば物足りない。


 仕事中、面白そうな本を見つけたので一応ここにメモしておく。



・『魔物の狩りの百科』


 分厚い本。口を開けたドラゴンが目印。その名の通り、いろんな魔物の狩りの方法やそのメカニズムが記されていた。誰かに借りられないように本棚の隙間に巧妙に隠しておいた。


・『邪悪なる植物』


 アデノストマ・ファスキクラツムなるヤバそげな発火植物とピロカルプス・ペナティフォリウスなるヤバそげな毒草(通称よだれ草)の記述を発見。恐ろしいことに、この二つは魔法植物じゃないらしい。

 最後に借りた人がピアナ先生となっていたのでよく調べたものの、髪の毛は挟まってなかった。でもわずかにピアナ先生の匂いがしてちょう幸せ。


・『先生、校舎に出現した大型魔獣を、上級生が笑いながら呪ってます!』


 どこか既視感を感じえないタイトルにひかれる。どっか別の魔法学校での体験談をつづったエッセイ的な読み物らしい。ラフォイドルをはじめとしたアエルノチュッチュの連中がここ数日で繰り返し借りていたので、軽く腹痛の呪をかけておいた。



 仕事はつつがなく終了。拘束時間こそちょっと長かったものの、作業量の割にはなかなかのバイト代が出て超ホクホク。一割をクラス資金にぶち込んでおいた。


 夕飯にて、なかなか見事なエビフライを食べる。衣のサクサク感とエビのぷりぷり感がマジデリシャス。あまりにおいしかったので、ついつい三本も食べてしまった。


 エビフライを食べている途中、『尾っぽは食べるか否か』で論争が起こる。パレッタちゃんが『命はみな等しく喰らわねばなるまい』と主張し、ポポルが『下手したら喉に刺さっていたいじゃん!』と主張。ギルは『食べないって発想があるのを初めて知った!』とのこと。今日も平和だ。


 結局、食べるのはアルテアちゃん、ギル、パレッタちゃん、ジオルドほか数名だけだった。圧倒的に食べない率が高い。


 もちろん、今日の夕飯の食べない派が残した尾っぽは全部ギルが『うめえうめえ!』と食べてくれた。物を残さないのはいいことだと思う。


 で、風呂入って雑談して今に至る。ここ最近ステラ先生を見かけていないのが超さみしい。明日あたり会えたらいいなぁ。


 今日も元気にギルはイビキをかいている。図書館の本棚の下に落ちていた活性宝珠(の欠片)を鼻に詰めた。みすやお。

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