136日目 ロザリィちゃんとちゃぷちゃぷ!
136日目
よくわからん小虫がトイレに向かって行列を作っている。面倒くさいのでそのまま流しておいた。夏季休暇の半分が過ぎてしまったことに悲しみを隠せない。
ギルをたたき起こして食堂へ。今日は無難にスクランブルエッグをチョイス。当たり前のようにヒナたちが俺の皿から突いていくんだけど、やつらに心というものはないのだろうか。
もちろん、『うめえうめえ!』とジャガイモを貪っているギルのところからも突いていくという徹底した仕事っぷり。逆に褒めてあげたくなる。
食後、血色のよくなったらロザリィちゃんから『すっごくすっごくよく眠れたよーっ!』と、ぎゅって手を握られる。柔らかい感覚に心臓がバクバク。ロザリィちゃんのプリティさはマジで犯罪レベルだと思う。
アルテアちゃんたちも『……今度もお願いします』って赤くなりながらも頼んできた。みんな俺のベッドメイキングテクにメロメロらしい。俺、自分の才能が怖い。
一応は平日だからバイトでも探しに行こうと思ったんだけど、なんかやる気が出なかったから今日はパスすることに。代わりに栽培スペースに行き、ナエカやリシオ、コケウスなんかを採取する。ついでに草むしりもやっておいた。
リンゴが暑さのせいか多少元気がなかったので、特殊栄養剤をまいておいた。なお、実のほうは普通にフルーティでデリシャス。若干みずみずしさが減っていたものの、その分甘みが濃縮されているようにも感じた。
昼は適当に学食で済ませる。あまりにも暑く、体の中から涼しくなりたかったので、おばちゃんに『なんか冷たくて涼しげなものない?』って聞いたら、『氷なら腐るほどある』ってギルの頭くらいデカい氷をくれた。
さすがに食べるわけにもいかなかったので、それをたらいに入れて水を張る。で、足を突っ込む。超冷たくて気持ちいい。氷の冷気がマジクール。
ひやひや感を楽しみつつ、午後は薬剤の調合に。水をちゃぷちゃぷしながら机の上で薬草を煎じるのがなんか背徳的で楽しかった。調子に乗ってそれなりに質の良い傷薬をたくさん作ってしまう。もちろん、リンゴを加えたお子様エディションの解毒薬(毒)と解毒薬(麻痺)も作っておいた。
作った薬剤は半分をクラス財産に、半分を学生部に売却する。なんとなくそんな気分だったので、今日は収入を丸々全部俺の財布に入れた。俺ってば超悪い子。
微妙に時間が余っていたので、氷水をちゃぷちゃぷしながら本を読む。途中、暇を持て余したらしきポワレとグリルとマルヤキがたらいの中にダイブしてきやがった。
ケツを振りながら水浴びするのがちょっとかわいかったけど、俺の脚を滑り台代わりにするのはやめてほしかった。おかげで下半身がぐしょぬれ。
やさしい俺がヒナと戯れているとロザリィちゃんがやってきた。バイト(魔力補充)が早めに終わったらしい。で、俺の足元のたらいを見て『私もいーれてっ♪』って……
……超密着状態で俺の隣に座ってきたぁぁぁぁあ!! うっひょぉぉぉぉ!
しかもね、しかもね! ロザリィちゃんのまぶしい素足がすぐそこにあるの! エレガントプリティな太ももが俺の脚と触れ合ってるの!
『冷たくってきもちいーっ!』ってすっげぇ笑顔でちゃぷちゃぷしてたけど、マジで天使過ぎて一瞬どうにかなりそうだった! ちょっと汗ばんでいるのにすっげぇいいにおいがして頭がくらくらした!
俺、こんなに幸せでいいのだろうか。あと、空気を読んでどこかへ行ったポワレとグリルにここで感謝を示しておく。いつまでたっても出ていこうとしなかったマルヤキを羽でペンペンしながら連れ出してくれたエッグ夫人にも最高の感謝を送る。
みんなが帰ってくるまでロザリィちゃんとのイチャイチャは続いた。俺を見てやたら舌打ちする人が多かったけど、なにかイライラするようなことでもあったのだろうか?
なお、最終的に氷水はミーシャちゃんとギルが独占してた。ミーシャちゃん、最初は普通に楽しんでいたんだけど、そのうちギルのスネ毛を水で逆立て、ぴんぴん跳ねさせて遊び始めた。
ケラケラ笑ってたけど、いったい何が楽しかったのかいまだによくわからん。ギルはミーシャちゃんに水浴びする脚の筋肉の健気さを語っていたし。
夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。ギルは今日も大きなイビキをかいている……と毎回書いているけど、いつものことだから書く必要もないんじゃないかって思えてきた。
とりあえず、今日はシンプルに氷を鼻に詰めてみる。ちょっとは涼しくなったりするのだろうか?




