121日目 ぷち☆すうぃーとぱーてぃー!(成績評価はノーセンキュー)
121日目
ギルのお肌がうるおいすべすべ。これ前にも見たな……と思ったら、スネ毛までしっとりツヤツヤになっていた。もう何も考えたくない。
ギルを起こしてから食堂へ。暑くて気が滅入っているのか、いまいち食欲がわかなかったのでリンゴジュースだけ頼む。フレッシュ&フルーティでなかなかにデリシャス。リンゴの甘味が凝縮されていて気分がさっぱりした。
俺の食欲がないのを気にしてくれたのか、ロザリィちゃんがミルクプリンの最後のひとくちを『あーん♪』ってやってくれた。ナチュラルな間接キス。気づいた瞬間に体中が熱くなって心臓がドキドキした。
『ちゃんと食べないとダメだぞっ』って小悪魔的に微笑んてくるロザリィちゃんがデビルプリティ。俺もうロザリィちゃんになら何されもいいや。
あと、パレッタちゃん、アルテアちゃん、ミーシャちゃん、そしてジオルドとクーラスが盛大に『チィッ!』って舌打ちしてた。朝から何か嫌な事でもあったんだろうか。俺の幸せを彼らにも分けてあげたい。
朝食後、クラスルームに戻ったらステラ先生を発見。ぐでーっと伸びをしてソファの上でダラけていた。
誰もいなくて油断していたのだろうか、俺たちと目が合った瞬間に見る見る真っ赤になって慌てて体裁を繕っていた。『ソファの下のごみをとってただけなの! ホントなの!』って言い訳する姿がマジ可愛い。緩みきったステラ先生もやっぱ最高だ。
で、どうしてここにいるのかと聞いたら、『成績処理が終わったから知らせに来たんだよ!』とのこと。もうすでに確定したらしく、取得単位数と評定平均も保護者の下に送ったそうだ。
ちなみに、成績は天、月、星、地、堕の五段階評価。上から4,3,2,1,0点が振られている。堕が不合格。総得点数を総単位数で割った一単位当たりの得点が3.000以上あれば優秀な部類で、この評定平均で学年順位を決めるとのこと。
単位取得は地からで、これは六割以上の達成度を示す。つまり、『こいつ六割もこの授業の内容理解してねーな』って判断されれば不合格の堕判定が下される。天は達成度九割以上だけど、全体の上位一割にしかつかないってウワサ。
期末テストの結果は帰ってこないのかと聞いたら、『それは各担当の先生に確認とるしかないかなぁ……』って言われた。あれ、成績付けるためだけに必要なものだから、特に理由がない限り返却はしないんだって。返却を望むもの好きもほとんどいないから、いつのまにかそれが普通になったそうな。
そうそう、ステラ先生は学生向けのアルバイトの公募が解禁されたことも教えてくれた。これ、近隣の町から長期休暇中の魔系学生向けに発注された依頼で、ぶっちゃけると学生専用のクエストみたいなもん。
一応学生部を通してきた依頼だからか、内容や報酬もそれなりにまともらしい。学生側にとっては普通に働くよりかはちょっとだけおいしく、依頼する側にとっても(クオリティに若干の不安がありながらも)プロや本職に頼むよりかは安上がりで済むからお互いにとってメリットがあるそうだ。
そりゃ、半人前とはいえ専門技能をかじっている人間をほったらかしにしておく理由はない。俺もせいぜい利用して稼がせてもらおうと思う。
その後、リラックスしたい(そもそもそっちがメインだったらしい。職員室は息が詰まるし、自室で一人はさみしかったそうだ)ステラ先生と共に一日中だらけまくった。カードゲームやボードゲームをお菓子片手に盛り上がる。おやつも奮発してめっちゃ豪華にしておいた。
夕方ごろにピアナ先生が『約束通り、甘いものをたかりにきたぞー!』と遊びに来たので、それならいっそとスウィートパーティーを開催することに。
俺特製のケーキやらハゲプリンやらクッキーやら、とにかく甘いものでいっぱいのステキな夜を楽しむ。『休日だから無礼講だよね……!』とクラスの女子もその後の悲劇を考えないことにして食べまくっていた。ジオルドやポポルもいつの間にかお菓子を貪っていて、みんな実に嬉しそう。頑張って作りまくったかいがあった。
プリンとムースとババロアを食べ比べるロザリィちゃんがマジで可愛かった。ストロベリータルトをおいしそうに食べるピアナ先生はマジで天使だった。チェリークラフティーを頬張るステラ先生はマジで女神だった。
可愛い人がおいしそうにお菓子を食べるのってステキだよね。心がほっこりしまくった。
なお、お菓子の材料費はクラス資金から経費として賄うことに。この一週間で少しだけ増えていたのがちょっと意外。ぼちぼち金を稼ぎ出すやつが出てきたらしい。ちゃんと経費に入れてくれるあたり、みんなの優しさを感じる。
砂糖をまぶした蒸かし芋を『うめえうめえ!』と食っていたギルは今日も大きなイビキをかいている。なぜかポケットに入っていたチョコレートを鼻に詰めた。明日がちょっと楽しみだ。
※あした は もごるえみ の ひ。まうほはいぶきつ は また らしゅいう。




