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113日目 準備・オブ・打ち上げ

113日目


 ギルの筋肉の艶がいい。いつも通り過ぎてつまらない。


 ここしばらく気を張っていたせいか、いつもより若干遅めの起床。休みだからあんま関係ないけど、ほんの少しの二度寝を楽しんでからギルを叩き起こし、そのまま食堂へ。


 昨日はみんな夜更かししたのか、いつも以上に人が少ない。『テストおつかれさん!』っておばちゃんがフルーツ盛り合わせデラックス(何がデラックスなのかはしらん)をくれたので、いつものメンツと共にフレッシュでフルーティなひと時を楽しむ。


 もちろん、ギルはジャガイモを『うめえうめえ!』って喰ってた。途中、ポワレがジャガイモに首を突っ込んで抜けなくなっていたので引っ張り出しておいた。


 さて、テストが終わったってことはお疲れ様パーティーを開かなくてはならない。なんだかんだでおばちゃんに軽食を頼むことをすっかり忘れていた為、また自分たちで一から準備することに。


 前回同様、ポポルとパレッタちゃんには会場のセッティングを、ギルとミーシャちゃんには釣りを、アルテアちゃんとフィルラドには『安全に、遅くなる場合は連絡を入れる』ことを強く言ったうえで狩りを頼んだ。


 なお、やっぱりティキータ・ティキータとバルトラムイスの連中は事前におばちゃんにお願いしていたらしい。だらけ切ったゼクトがハートフルピーチを齧りながら『おまえらよく動くなぁ……』って呟いていたので、『ちゃんとシューン先生に構っておけよ』と伝えた。


 そしたら、『一次会には誘ってあるけど、二次会は秘密にしてある』となかなかファンキーな答え。一応義理は果たせてあるのか? 時間あったらバラしてやろうと思う。


 んで、俺とロザリィちゃんはステラ先生のところへ行く。打ち上げをする旨を伝え、それに伴うもろもろの許可をもらった。ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶステラ先生がマジ可愛い。これから成績処理の作業とかがあるから、騒がなきゃ気が滅入ってやってられないそうだ。


 そして、忘れちゃいけないのがグレイベル先生とピアナ先生。次の打ち上げには絶対参加してもらうってこの前約束したし、普段お世話になっているから誘わないわけにはいかない。両手に花の状態で彼らを訪ねた。


 ピアナ先生、まさか本当に誘ってもらえると思っていなかったらしく、『ほ、本当にいいのっ!?』って目を真ん丸にして感激してくれた。今まで担任になったことがなかったから、生徒からプライベートな打ち上げに誘われたことがなかったらしい。


 『おいしいお料理いっぱい持っていくから楽しみにしていてね!』と超笑顔だった。グレイベル先生は『俺も料理を手伝うから拗ねるなよ?』と悪戯っぽく笑う。なんか超恥ずかしい。


 その後、飲み物やお菓子類なんかを求めて三人で街に繰り出す。グレイベル先生用に念のためお酒をいくつか買った。ステラ先生も飲みたそうにしていたので、甘めの果実酒も購入。


 ステラ先生、俺がクラス資金で購入したことに気を使ったのか、『自分で払うから!』と財布を取り出したけど、『お菓子作りにも使うから気にしないでください』と強引にその場を収めた。


 俺、みんなに内緒でクラス資金の帳簿を付けているから知っている。ステラ先生、毎週末にこっそりかなりの額をクラス資金の貯金箱にぶちこんでくれているんだよね。むしろこっちが払わないと釣合がとれないくらいだっていう。マジ女神過ぎて頭が上がらない。


 おやつの時間のちょっと前くらいに帰寮。なんと、ジオルドとクーラスがへそくりでちょっと贅沢な食材を買ってきてくれていた。『拗ねられると困るから、こういうところでご機嫌をとらないとな』とからかわれる。なんか俺、拗ねるキャラが定着してね?


 でも、『今回は拗ねないでねー?』ってロザリィちゃんが頭をポンポンしてくれてハッピーだった。なんであの子はこんなにも俺をハッピーな気分にしてくれるのだろう。


 思いのほか食材がいい感じにそろったので、そのままざっくりと下拵えに。エプロン姿のロザリィちゃん、ステラ先生と一緒に楽しい時間を過ごす。二人とも前回よりもいくらか実力をつけていて、作業はかなりスムーズに進んだ。


 途中、堪え切れなくなったポポルと六匹のヒナがつまみ食いの突撃をしてきやがった。あとは細部をデコるだけにしておいたタルトをやられる。タルトだけで済んだのはある意味ラッキーだったかもしれない。


 大皿料理、揚げ物系、ハゲプリンなんかの下拵えが終わったころにミーシャちゃん&ギル、アルテアちゃん&フィルラドの帰寮。


 いつぞやと同じくらい大きな魚をギルが三匹も担いでいて、ミーシャちゃんが超自慢げ。全部脳天に打撃痕があったんだけど、彼らは釣りと言う言葉の意味をもう一度確認するべきだと思う。


 アルテアちゃんたちは大きめのシカ二頭をメインに鳥などを何匹か。前回のイノシシよりかは少ないものの、引き締まった肉がなかなかうまそう。俺の中の天使が早く捌かせろと囁いていた。


 で、夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。雑談中はギル・ポテトで作った大量のフライドポテトをお供にボードゲームで盛り上がった。相変わらずステラ先生がみんなをケツの毛まで毟っていた。先生、どこであのイカサマテクニックを覚えたんだろう?


 書きたいことはいろいろあるけど、疲れたからこのへんにしておこう。みんなが寝静まるのが遅かったから、サプライズのスペシャルビッグケーキを作るのが大変だった。驚いてくれるといいなぁ。


 充実した一日を過ごせたのか、ギルは大きなイビキは一段とうるさい。脱ぎ捨てられたままのヤツの靴下(特定封印指定危険物レベル。微妙に魚臭さが混じっている)で鼻をふさいでおいた。


 普通に寝続けているあいつマジすげえ。そういうところだけは見習いたい。グッナイ。

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