10日目 基礎魔法概論:ベースパターンとファンクションパターン
10日目
部屋中がすっげえフローラルな香り。なのに大本が汗臭い。考えるのはよそう。
朝食は新しいジャムが入っていたのでパンとヨーグルトにした。ラーヴァベリージャムってやつだけど、なんか好みの味じゃなかったのでギルのジャガイモに乗せておいた。あいつ、やっぱり『うめえうめえ!』って言いながら貪ってた。
ロザリィちゃんもラーヴァベリージャムを食べてた。きゅーって感じにお口をすぼませているところが超可愛かった。
んで、第二回目の基礎魔法概論。一章~魔法陣触媒を利用した魔法~ってところの第一節『魔法陣の形について』ってところから始まった。以下に今日習ったところの一部を載せる。この方法は日記スペースを埋められて楽だと最近気づいた。
『魔法陣は複雑に見えるが、実は基本の構造であるベースパターンと、そこに付随して機能的なアクセントとなるファンクションパターンの二つから構成されているものがほとんどである。例えば、基本三星構造の魔法陣はベースパターンとして三星パターンが採用されており、そこに種々の目的に応じたファンクションパターンが組み込まれたものである。
魔法陣を作るのにはまずこのベースパターンを考慮する必要があり、また魔法陣の構成魔力も発動結果に大きくかかわってくる。自らが想定したパターンに魔力を流し込んでベースパターンを創造し、そこにファンクションパターンを組み込み、製錬し、仕上げ、ようやく魔法陣は完成する。
また、ベースパターン、ファンクションパターン、ひいては魔法陣そのものを完成させる工程を陣造という。熟練した魔法使いはベースパターンを使用せずにファンクションパターンを直接つなげることで魔法陣触媒の魔法と同等の効果を出すこともできるが、難易度は高い。
なお、ベースパターン、ファンクションパターンともにさらに細かくパーツに分けることができ、これを組み合わせたそれを特に陣型と呼ぶことが多い。魔法使いはほんの小さな作用しか持たないパーツを組み合わせてベースパターン、ファンクションパターンの陣型を作り、制約の中で自分の目的に合わせて魔法陣を陣造するのである』
要は『魔法陣って実は色んなパーツの組み合わせなんだよ!』ってことだろう。それだけのことをこれだけ長ったらしく説明できるシューン先生はある意味すごいと思う。
相変わらず説明ばかりでメモしか取らない授業で話はつまらない。教科書読んでいるだけで十分じゃないかとも思う。でも、教科書に載っていない何気ない会話がテストに思いっきり出たこともあるって噂が流れているから油断ができない。
シューン先生、今日もローブをズボンにインしてた。あと鼻炎らしくて声がひどいことになってた。
そして、今日もザントマン大活躍。クラスの半分近くがうとうとしてて三分の一が眠りの砂にやられてた。あの先生マジでザントマンを呼び寄せる特異体質か何かじゃないかと思う。
ロザリィちゃんの寝顔が可愛すぎて目が冴えまくってた。これがあるからシューン先生の授業は大好きだ。
メモに集中しすぎて指が痛い。ギルのイビキで頭も痛い。今日はオステル魔鉱石を鼻に詰めておこう。最近この瞬間が楽しみになってきている自分が怖い。おやすみ。




