チェシャネコとお仕事の時間。
暇潰しにどぞー(*´∇`*)
「あはははは!そんなんじゃ簡単に首をはねられてしまうぜ?」
今日は一味違って街中で天聖戦隊とエースのバトルなぅ。
なんつって!
まぁ、エースが強すぎなんだよね。
さっきからドッカーンだの、チュピーンだの、剣士にあるまじき音をあげながら天聖の連中をのしてくエース。
エースって何でオバサンの部下なんだろ?
…戦闘以外ダメダメだからか。
現在、メイン5人は倒れシルバーも潰れた。
ブラックが一対一で交戦中。
オバサンは後ろで一人高笑いしているけどね…
仕事しなよ…
「…だけど、このままは不味いなー…
ヒーローが殺られちゃうな…」
戦闘場所から少し離れたビルの屋上の上で観察していたんだけど、僕もお仕事かな?
「ほんっとうに!オバサンは役立たずだね!」
2丁拳銃を手にビルから飛び降りていく。
僕に仕事させて…高くつくからね…?
女王さま?
「っ!!」
「!?」
「はーい。そこまでだよー。
女王?ハートは集まったでしょ?そろそろ帰るよー?」
ニッコリ笑ってエースとブラックの攻撃を止めた。
「なっ!?わたくしに命令する気!?」
「…アリスの意思に背くの?」
「…っ!
っわかっていますわ!
帰りますわよ!エース!」
オバサンはヒラリとドレスを翻し移転した。
エースも苦笑いしながら追従し、周りでハートを集めていたトランプ(下っぱ)も慌ただしく帰還して行った。
「…どういうつもりだ?」
「?どういうって?
ブラックは何か勘違いしてない?」
振り向くと、悔しそうなブラックが膝をついていた。
「…僕たちはね?君達の相手なんかついでなんだよ?
僕達の目的はあくまでもハートなんだから」
そう…そして、ヒーローが戦い続ける事もね。
僕らがハートを奪った人達を、君達ヒーローの《善意》の光りで癒してくれなきゃ…
またハートが取れなくなっちゃうじゃない。
僕の《本当の》仕事は、ハートを奪った人達とヒーローの《管理》。
決してハートが枯れないように。
いつまでも人がハートを生み出せるように。
こうして考えると家畜みたいだね。
でも…それを欲しているのは君達の上層部だからねぇ。
本当にかわいそうだね。
滑稽なヒーロー達。
いつまでも踊り続けてくれなきゃね?
ニヤリと笑ってボロいブラックに近づくと、抵抗力の無いのを良い事にマスクを外し素顔を見る。
アレだけヤル気のなかった顔が険しく歪んでいた。
口の端が切れて血が流れていた。
「…かわいそうなブラック。
君も僕も所詮踊り狂う駒に過ぎないのに。
まぁ、次は頑張ってね?」
滴った血を優しく舐めとり怪しく笑って、僕もアジトに移転した。
※※※※※※※※
チェシャネコが消えた後に取り残された俺達は、本部からの応援の奴等に回収されて医療室の住人になった。
「あー!!
負けちまった!」
「うるさい赤嶺!」
「まぁまぁ、青桐くん。落ち着いて」
レッド事赤嶺とブルー事青桐、グリーン事緑原がベッドの上で騒いでいた。
ピンクとイエローは女の子だから別室にいるが、男だけって本当に暑苦しいな。
「…どうしました?先輩?」
「…白茅…お前普段先輩なんて言わねぇ癖に…
いや、ちょっと…な」
シルバー事白茅に話しかけられ思考が止まる。
「今回はまんまとヤられましたが…次は負けません…」
白茅は俺をさっさと置き去りにして次回の意気込みを語ってくれる。
心配してくれてたんじゃねぇの?
白茅の決意に赤嶺達も賛同して病室がまた騒がしくなった。
レベルアップだのはかまわないが…
チェシャネコ…
一度は捕まえたと思った。
しかし、蓋を開けて見りゃまんまと逃げていた。
今回はチェシャネコに助けられたようなもんだ。
あのままエースとヤリ続けてたら、確実にこっちは再起不能になっただろう。
「…わっかんねぇなぁー」
「なんか言いましたか?黒崎」
「んやぁ?何でも無い」
楽しければ何でもオッケーなネコちゃんは次は何する気なんだかなー…
「おじさん、楽しくなっちゃうじゃない?」
思わずにやけてしまう口元を隠しながらタバコを吸うべく病室を後にした。
そして、悪の組織との戦いが動き出す?