浅野 礼二の日常
俺の朝は早い、5時に起きて食事を済ませゆっくりとコーヒーを飲みながら新聞を読む。
8時にドラゴンで学校に登校する。
え?ドラゴンは日常的じゃない?
だがそれが俺の日常だ!
空から見下ろす景色はいつみても最高だ。
別に人がゴミのようだとか、凪ぎ払えなんて叫ぶきは無くても叫びたくなる景色だ。
このドラゴンこと相棒のルウェン
半年前に俺がテイムした初めての相棒。
全長はだいたい5m弱かな?
第一に成龍なんて200mこすやつなんてザラだし。
なぜ俺はドラゴンなんて所持してるかと言うとこの世界では18歳になったらモンスターをテイムする風習があるのだ。
そして俺がなぜこの世界と称するのか、それは俺が異世界転生者だからだ(  ̄▽ ̄)
お?そろそろ学校に着くな、よしアレやるか!
「ルウェン!急旋回だ!からの!急降下着地だ!」
『グルルルル!』
下の方で人が慌てているのが見えてきた。
正直笑える( 〃▽〃)
そして、綺麗に地面に着地する。
「ルウェン今の着地ナイスだったよ!」
そう言いつつルウェンから降り喉を撫でてやるとグルルルル♪と嬉しそうに喉を鳴らす。
「レイジさん!」
後ろからツカツカと足音を響かせながら人が来たので俺は後ろを振り返ってみた。そこには鬼の形相で仁王立ちする俺のクラス担任のメル先生がいた。
「あぁ、先生か」
「あぁ、先生かじゃありません!いつもいつも!テイムしたモンスターで学校に登校するのは規則として問題が無いと言っても、もう少し静かに登校できないのかしら!?他の生徒が怖がります!貴方だけなんですよ?Sランクモンスターをテイムしたのは!」
「ククク、それが楽しくてやってるんですよ」
「わざとかよ!」
先生は顔を赤くしながら地団駄を踏み始めた。
なんかめんどくなってきたから適当に理由付けてこの場から一刻も早く立ち去りたい。
「それじゃ先生授業に遅れないよう早くルウェンを預けに行ってきまーす!行くぞルウェン」
「ガァウ!」
俺はその場からダッシュで逃げる。
「あっこらっ!待ちなさいレイジさん!?」
「ほんとにあの子はもう少し女の子として慎ましくできないのかしら?」
レイジが走りだしポツリと呟いたその言葉を聞いた者はレイジ以外誰もいなかった。
そうオレオレ言ってるから男だと思った?浅野 礼二って名前だから男だと思った?違うんだな~
浅野 礼二は前世の名前だよ(笑)
俺の名前はヴォルフ・リィンジィ・アンシュリーって言うのさ。でもアンシュリーって呼ばれるの嫌いだからリィンジィって皆に呼ぶように言ったんだけど発音が難しいって、レイジって呼ばれるようになっちゃった。
女なのにレイジっておかしいかな?まぁ、それと俺は人でもない。俺は魔族でそのなかでも一番有名だと思われるあの吸血鬼である。しかも俺が思うに美人だ( 〃▽〃)
なんて考えてたら納屋に着いた。
「ルウェンここでおとなしく待っていてね?」
『グルルルル』
ルウェンは寂しそうに頭を擦り付けてくる。俺はしょうがない子だなと頭をコリコリかいてやると今度は嬉しそうにグルルルル♪とひと鳴きした。
「これからHRと授業があるからあまりにかまえないけどここでおとなしくしててね?」
『グルルルル!』
ルウェンは大丈夫と言わんばかりに胸を張りながら喉を鳴らす。さっきまで寂しがっていたのにと俺は苦笑いを浮かべ教室へと向かった。
※※※※※
「皆おはよー」
俺は教室に入ります皆に挨拶をする。教室はとても日常的な光景だった。
腕が8本あるクラーケン族のイリアとカイが8本の腕全部使いジャンケンをしていて。
その隣ではサイクロプス族の女子、カナ、アリサ、アカネが雑談をしていて。
教室の後ろでは猫又族のリンと人狼族のカガリがいつものようにケンカをしていて。
それを眺めるヤタガラス族のエレナとフェニックス族のカンナがいて、その他の人族は物静に勉強するなり漫画読むなりをしている。
クラスの比率は、
魔族一人(俺だ)
クラーケン族二人
サイクロプス族五人
猫又族十人
人狼族十人
ヤタガラス族一人
フェニックス族一人
人族十人
計四十人だ。
途中クラーケンだの猫又だのヤタガラスだのフェニックスだのと人と付けて良いのかわからない奴もいるがそこは無視だ。そしてこの世界では人と人外を比べると人外の方が圧倒的に多いとそのせいか人の立場は弱いのだ。で俺が挨拶してから数人気がついた人が挨拶をしてくる。
「レイジちゃんおはー」
「あっ・・・あの、おはようございま・・す」
「レイジ!おは「レイジさんおはようございます」って被らないでよ~」
「ん 」(・・・おはよう)
「おはようなの~」
上からイリア、カイ、リンと被ってカガリ、それとエレナとカンナの順番である。皆俺の大切な友達だ。
っとなんか皆ニヤニヤしてるな。なんだ?
「どうしたの?皆楽しそうにニヤニヤして」
「ふふっ!皆せーのっ!」
「「「「「「誕生日おめでとう!レイジ」」」」」」
クラッカーが一斉に鳴り響く中俺は呆然とその光景を見ていて、そしてハッとする。
「え!?今日俺の誕生日だっけ?」
「やっぱりレイジ忘れてたー」
「レイジさん・・・そういうこと・・いちいち覚えてない・・と思う」
「ん」(・・・レイジらしいね)
「エレナ?喋ろうよ」
「まぁ、レイジさんはあまり気にしないタイプですからね」
「レイジ~おめでと~」
皆口々祝い(?)の言葉をかけてくる。少しウルッと来たぞ。
「このあと~ホームルームあるから~ケーキは用意できなくて~ごめんね~?」
「いや、良いよ気持ちだけでもスゲー嬉しかった」
「レイジがデレた!?」
「で、デレてねーよ?デレてないからな?」
そんなこんなで俺達はガヤガヤと雑談をしていると、ガラララと扉が開き先生が入ってきた。
「はーい!HR始めるから皆席に座ってー」
それぞれガタガタと席に戻り全員が席に着いたところでHRが始まり、ちょちょっと喋りHRは終った。
「レイジ1講目って何だっけ?」
HRが終わるなりイリアが近づいてきて聞いてきた。
毎回俺のとこに次の授業聞きにくるんだよなーまったく自分で覚えていてほしいよ。
「あーレイジ今呆れた顔したー」
毎度毎度イリアはぷくーと頬を膨らませ上目使い気味に睨んでくる。俺は思わず吹き出してしまうと、さらにふてくされてしまった。
「ごめんって。な?許してくれって。でまぁ次の授業はテイムモンスターでの模擬戦だよ」
「ぶーわかりましたよ、許しますよ」
言葉とは裏腹に顔はふてくされている。
俺達はテイムモンスターの模擬戦の授業を受けて
なんやかんやあり終った。
「ふぅーいい授業だった」
俺は清々しく息をはき伸びをする。
「なーにがいい授業よレイジ」
「ん」(レイジかっこよかった)
「レイジ様なら当然だと思います」
「ルウェンもレイジすごいね~」
「レイジはもう反則だよ」
「ルウェン・・・強いの・・流石・・Sランク」
皆呆れ顔でため息もプラスで言ってきた。
まぁ確かにルウェンで凪ぎ払え!だけで相手は吹っ飛んじゃうからな(笑)
※※※※※
そして2講目は学園クエストだった。
内容は東の墓地でゾンビが大量発生したとのことらしい。まぁ俺には関係ねぇがなルウェンで一番乗りして。焼き払え!で地獄絵図でおしまい(  ̄▽ ̄)
俺にかかればゾンビなんて燃えるゴミだよ(笑)
※※※※※
3講目は魔力検診だった。魔力量を計る宝玉を砕いてやったぜ( 〃▽〃)どうやったかと言うと魔力を注ぎまくったのさ。そしたらパリンッだってよ(笑)
その時よ係りの先生の顔がうけたよ。
そのあと急に学校が休校となり。俺は皆に帰りの挨拶をしルウェンのもとへ行き家に帰り、風呂に入ります体をさっぱりと湯で流し入浴する。
「ふぅ~気持ちいい・・・今日は満月の日か」
俺は満月の夜になると吸血衝動が激しくなり血を求めてしまうのだ。そのたび血のストックで喉を潤わすのだが、血のストックが今日切れてしまったのだ。
「どうしよっかな~夜に町で獲物探すかな?」
俺は湯船出て髪を洗い始める。最初こそ馴れなかったが流石にもう馴れたな、なんてことを思いながら髪を洗い終え体も洗っていく。
鏡には美少女の裸が映っている。青少年がみたら鼻血ぶーだろうが俺はもう見馴れたよ。
体の泡を落とし湯船に浸かり直す。しばらくしてから俺はザバァと湯船から立ち上がり風呂から出て体の水分をバスタオルでふいていく。
リビングにいき服を着てロングコートを羽織る。
外に目を移すともう夜になっていた。
女になってから入浴時間が延びたなーと思うのであった。
※※※※※
とある屋根の上に赤い光を二つ輝かせ一人の少年を見つめる眼があった。
「ふひひ、今日獲物はあの人でいいか」
そう言い黒い何かは少年に飛び掛かるの、少年は気付いたがすでに遅く黒い何かに捕まってしまった。
「うぐっ、誰だ!・・・ってレイジさん!」
そうその黒い何かはレイジだった。
「はぁ・・はぁ、君あったことあるっけ?」
レイジは熱い息をはきながら少年に尋ねる。
「レイジさん学校で名前知らないの人なんて居ないよ?」
「んんっ・・貴方みたいなの学校に・・んっ・・居たっけ?」
「だって僕は」
「ふぅ・・んんっ、はぁっあっ!ごめん、もう限界」
レイジは少年の声をかき消すように声をだし少年の首筋へと唇を這わす。すると少年に動揺が走る。
「ちょっ!レイジさん!?な、何してるの?」
そしてその瞬間カプッと少年の首筋に歯を食い込ませる。
「っつ!?」
「んふぅ・・貴方の血・・・暖かくて濃厚・・美味しい」
チューチューと血をすうレイジと困惑する少年
レイジは少年の困惑に気づくこともなく少年を求めた。チュポンと少年の首筋から唇を離す。
「ふふっ・・少年・・・ごちそうさま」
そう言いレイジは少年の唇に唇を重ねた。
「ふむっ!」
「これは血をも貰ったお礼」
レイジは頬を赤くしながらウィンくも混ぜ少年にお礼を言いその場を立ち去った。
残されたのは惚けた表情の少年だけだった。
レイジが立ち去ったあとまるで夢でも見ていたかのごとく消えてしまったので少年は夢?と思い首を摩ると確かに歯形が残っていた。少年は夢じゃなかったんだと染々思った。
次の日の朝
レイジはベットで項垂れていた。
「やってしまった~満月の夜だからタガ外れるのは仕方無いけどあれはないだろー」
レイジはベット上でorzの体制になっていた。
しばらくしてからレイジは立ち直りいつものようにルウェンに乗り学校へと急ぐ。
いつものように皆に挨拶をし、いつものようにHRが始まり。いつものように転校生の紹介・・・ってんん?転校生!?
「はーい皆さん静かにしてくださいね?これから転校生を紹介します。ほら入ってきて」
教室の扉がガラララと開き見たことのある人物が入ってきた。
「皆さん初めまして!鳴瀬 龍と言います。人族ですが皆さんよろしくお願いします」
俺は思わずあぁーーー!と叫んでしまった。
今日血を吸った人が目の前に転校生として来たのだ驚くなというほがおかしいぞこれ。
「あっ!レイジさん偶然ですね♪」
マジかよー!そんな俺の心中を知るものは居るわけがなく時間だけが過ぎていく。
そして今日、これからもなんやかんやレイジの日常は続いていくのである。