本編 第九話
「それじゃあ、大詰めと行こうか」
そう言って、真希那は銀の焔を纏わせたままのシンフォニアスを魔王に向ける。それを見た英雄達は、ついに終わるのか、と息を呑む。
しかし……剣を突き付けられた魔王が、思いもかけない言葉を発した。
「神よ……貴方は、この世界を壊すつもりか……っ!?」
「なっ!? それはどういう意味だっ!?」
魔王のその言葉を聞いた英雄は、思わず魔王に問い詰める。流石に、今の言葉をスルー出来なかったらしい。
そんな英雄を一目した後、魔王は真希那に向かって言う。
「神代 真希那……貴方がもし本当に神だと言うのなら、分かっている筈だ。貴方達は世界を創り、終わらせるような力を持った存在なのだ。そんな方がもし世界に顕現し、力を振るおうものなら、そこに歪みが生じ、そこから世界が破綻するのは目に見えているだろう!?」
「なっ!? それは本当なのか!?」
魔王の言葉を聞いた英雄は、思わずエクスカリバーの柄に手を伸ばしながら、真希那を思い切り睨み付ける。
その瞳からは、魔王の言葉が本当だったら、刺し違えてでも真希那を倒そうとする気概が感じられる。
そんな姿を見た真希那は……小さく溜め息を吐いた。
「あのねぇ……。君達、少し勘違いをしているよ」