本編 第七話
「……森羅万象、世界の全てを覆せ。──神界剣 シンフォニアス」
真希那がそう呟きながら、持っていた剣を引き抜いた瞬間。
──闇の弾が、反転した。
「なっ!? ──ッギャァァァアアッ!」
反転した弾は、そのまま術者であるシンに向かって一直線に飛んで行き、彼を消し飛ばした。
『………………』
魔界三将軍の一人があっさりと倒されたのを見て、勇者一行も魔王達も唖然とする。
一番最初に正気に戻ったグリードが、真希那に向かって叫ぶ。
「な、何なんだ、その剣は!? 貴様、一体何をしたっ!?」
「えーとね、この剣は神界剣 シンフォニアスって言ってねぇ、別の世界の反則的な鍛冶師さんに献上して貰った剣に、色々な神の加護を付与した、神話にも出てこない僕だけの剣でね。その能力は、〝ありとあらゆる概念を反転させる〟というもの。さっきのは、この能力を使って、〝『相手』の攻撃〟を〝『自分』の攻撃〟に反転させたんだよ」
「んなっ……!? そんな、ありえないっ!」
「……神様だから、アリなんだよ」
グリードの反応を見た真希那は、何故か憐れみとも哀しみとも取れる笑みを浮かべながら、そう言った。そして、右手でシンフォニアスを振り上げる。
「──それじゃあ、君も退場の時だ」
「クッ!!」