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本編 第四話



「──正確には、勇者の代わりに魔王を倒しに来たんだよ」




「──は?」


 と、思わず英雄は呟く。

 魔王を倒す。

 それは、勇者である英雄がやるべき使命の筈だ。

 それを……この神様が?

 英雄は真希那が言った言葉の意味を理解出来ず、咄嗟に彼を問い詰めようとする。……が、それよりも一足先に、ダビデが真希那に向かって吼えた。


「黙れよ、クソガキィっ! 神を騙る馬鹿なガキだとは思っていたが、よもや魔王様を倒すと口にするとはなぁ……。百億年早いんだよっ!」


 ダビデは、真希那に向かってそう叫ぶや否や、いきなり彼に大剣を振り下ろす。


「なっ!?」『きゃあっ』


 それを見ていた英雄とリサ、それにリリアとフレアが思わず声を上げた。ダビデの一撃は、勇者召喚の際に様々な補正を受けた英雄でさえ止められなかった攻撃である。それを、まるで陽炎のような儚さを漂わせている真希那に止めれるワケがない。

 英雄達はそう思っていた。……が、真希那はその右手に持った鞘を軽く翳しながら、小さく呟く。


「………………煩いよ」

「──なっ!?」


 鞘と大剣が触れた瞬間──ダビデの大剣(・・・・・・)が砕け散った。


『──────ッッッ!?』


 その場にいる真希那以外の全員が、今目の前で行われた光景を見て、自分の目を疑う。

 が、問うの本人である真希那だけは、何事も無かったかのようにダビデに言った。


「困るんだよねー。君みたいな脇役がいるのは」

「わ、脇役だとっ!?」

「そう、脇役。本当に……気味みたいな噛ませ犬が中途半端に強いと、僕はとっても困るんだ」


 だから、と真希那は続ける。


「とっとと、退場を願おうか」


 その言葉と共に、真希那は呆然とするダビデの顔を鷲掴みにして──氷像に変えた。



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