本編 第三話
「僕の名前は神代 真希那! 高校生兼神様なんだよ!」
『………………』
再び沈黙する一同。真希那の言った言葉の意味が理解出来ず、何を言えば良いのか分からなくなったのだ。
英雄は、ただ呆然とその理解出来なかった単語を反駁する。
「………………神様?」
「いえーす! あい、あむ、ごっど!」
「………………本当に?」
「ノンフィクションだよ」
「………………本当の本当に?」
「うん。君の窮地を救いに来たんだ!」
英雄の問いの一つ一つに、女性だったら確実に惚れるであろう笑みを浮かべながら、真希那は返事をする。そんな二人の会話を傍で聞いていたリサが、驚いて真希那に聞く。
「勇者様を助けに来てくれたのですか!?」
「あー、うん。確かにそうなんだけど……多分、君が想像しているのとは少し違うかな?」
「……違うのですか?」
「うん。まぁ、性格には──」
リサの困惑した顔を見た真希那は、マントの下──制服のズボンに巻いたベルトから、一本の剣を鞘ごと抜き出すと、先程とは違う、神々(こうごう)しい程に凄艶な笑みを浮かべながら言った。
「──正確には、勇者の代わりに魔王を倒しに来たんだよ」