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終章 第七話
『それが、僕の姉──〝機械仕掛けを操る神〟だ』
ミュトロジカル・セキュタリー? 聞いたことも無い神様だ。
『ラテン語である〝僕の名前(Deus ex machina)〟と違って〝姉の名前(Mythologica secrtary)〟は英語だから分かると思うんだけど。
直訳するなら、〝神話の書記官〟。その言葉が、姉の存在理由と権能を表しているんだ。
つまり──、僕が物語に終焉を告げる神なら、僕の姉は物語自体を綴る神。
そう言った神──例えば僕の姉や、僕の恋人である〝機械仕掛けを創る神〟みたいに物語に開闢を紡ぐ神は、それ自体が物語に登場することが滅多にないから、人より総称を貰えていないんだ』
名前が無い。故に、存在が認識されないということか。
『ここまで言ったら、流石に英雄くんも理解してくれると思うから話を戻すよ。
……何で、僕の姉が邪魔をしたのか、説明しようか』
……ようやく本題か。
俺は、思わずゴクリと唾を飲み込む。
『僕の姉が、僕の邪魔をした理由。それは……君が物凄い主人公体質だからだ』




