本編 第二話
「「──────っっっ!?」」
あまりにも突然のことに、英雄とダビデは双方一度距離を取り、同時に声のした方を見る。
そして──、英雄は目を丸くした。
そこには、某国民的アニメに出てくる秘密道具にそっくりな、鉄製の扉がいつの間にか設置されており、そこから肩まで黒髪を伸ばしたとても美しい少年が一人、顔を覗かせていた。
思わず、その少年を除く荒野にいる全員が言葉を失う。
少年は、そんな英雄達の様子を見て、何故かニッコリと笑うと、どこでもド──もとい、鉄製の扉から完全に体を出し、そして堂々と宣言した。
「勝利を導く機械仕掛け──〈栄光〉より、神代 真希那、只今登場!」
『………………』
バサッ! とその身に纏った漆黒のマントをはためかせながら、少年──真希那はややドヤ顔をしながら、そう言う。が、英雄はそのマントの下に来ているのが、何処かの高校の制服であろうブレザー姿だったことに気付き、何とも言えない表情をしてしまった。他の人達も、真希那の名乗りを聞いて呆然としている。
一番最初に正気に戻り、真希那に声を掛けたのはダビデだった。
「──貴様、一体何者だっ!?」
「いや、何者って……」
ダビデの言葉を聞いた真希那は、さっき名乗ったのに……、と呟いていたが、すぐに気を取り直してダビデに返事をする。
「僕の名前は神代 真希那! 高校生兼神様なんだよ!」