表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/26

本編 第十一話


「………………デウス、エクス……マキナ」


 真希那の名乗りを聞いた英雄は、彼の真名を呆然と反芻(はんすう)する。

 デウス・エクス・マキナ。

 それは、ローマ劇や中世の奇跡劇をたて、十七~十八世紀のオペラに登場するようになったモノ。

 絶体絶命の登場人物を救い、物語にピリオドを打つ様々な神や妖精の総称。

 劇の罵詈にもなった。漠然として、どこまでも理不尽な「神」という存在。


「……それが、貴方の正体だと言うのか」

「──そうだよ」


 魔王の問いに、真希那は答える。

 口調こそ軽やかなものの、そこから何故か哀しみが感じられた。

 真希那が言う。


「僕の目的は、英雄くんを助けて、魔王を倒して……この戦いに終幕を迎えること」

「……何故です? どうしてそうする必要があるのですか、神よ」

「世界を壊さないようにするためさ」

「「え……?」」


 真希那の言葉を聞いた英雄と魔王の声が重なった。一瞬だけ、真希那の言葉が理解出来なかったのだろう。真希那が言葉を続ける。


「さっき、魔王が神の力を振るえばこの世界が壊れるって言ってたけど、(ぼく)が介入しなかったら、どの道この世界は壊れていたんだよ」

「なっ、何故にっ!?」

「何故かって? それは、勇者と魔王が戦っていたからさ。──力を持った(・・・・・)君達二人が」

「「──────っっっ!?」」

「もしあの戦いが続いているようだったら、いずれはどちらかが、あるいは両方が世界崩壊レベルの力を手にする可能性があったからね。だから、そうなる前に物語を終わらせる──それが、今回の僕のお仕事だったんだよ」

「──────っっっ!?」

「だから──」


 言葉を失った英雄と魔王に鞘入りのシンフォニアスを向けながら、真希那は告げた。


「──神の名に()いて、魔王(キミ)を倒させて貰おうか」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ