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五話:副支部長って大変です

こんなに多いとは思ってなかったし、知らなかったのだ。

毎日のように、


「逢徒!事件だってば!」


と、幼馴染兼上司の理彩に言われるのだ。今だってそう。


「逢徒君!犯人そっちに行ったわよ!」


「犯人の数は......12人か」


超能力を使った銀行強盗が発生した。俺達は強盗犯を追いかけているところだ。隣には、何故かパートナーを組んだ涼夏さん。目の前には強盗犯。


「涼夏さん。いつもの」


「分かった」


いつもの、という俺の声に反応して、涼夏さんはポケットから一枚の紙切れをだし、それを丸く丸めて自分の、『質量を変化させる』超能力をかける。俺はそれを右手で受け取った。


「はい。これでいいわね」


「じゃあ、俺は左から8人いきます。涼夏さんは残りを」


「了解。それじゃあ......15倍」


涼夏さんは超能力で4人の体の質量を変化させる。


「俺も......15倍!」


涼夏さんに続き俺も残りの8人に涼夏さんに貸してもらった超能力を使う。強盗犯は地面に叩きつけられ、動くこともままならない感じだ。


これで解決。時間を確認するために腕時計を見ると、


「え、やばい!」


「どうしたの?あ、もしかして学校?」


そう。今は早朝。学校への登校中に銀行強盗が起こりここまで走ってきたわけだ。つまりは早く行かないと遅刻する、と。


「ダッシュで行かないと遅刻なんですけどいっていいですか?」


「いいわよ。後のことは私の方でやっとくわ」


良かった、と安堵し、同時に慌てる。全く忙しい毎日である。副支部長って。








魔能力学園の階段をかけ上がり、二階の廊下を全力疾走。無才能クラスの教室が見えてきた。扉は相変わらず吹き抜け状態だが、この時ばかりは理彩に感謝する。スムーズに教室に入れた。


「おっす。逢徒。今日もお勤めごくろうさん」


優季が挨拶をしてきた。お前は俺の妻か!と、ツッコミたいが、息がきれてそれどころではない。


「はーい。それじゃあホームルーム始めるよー」


無才能クラスの先生の声が教室に響く。気楽な声だ。



さらっとホームルームを終わらせ出ていく先生の後ろ姿を眺めながら、やっと落ち着ける時間がきたな、と思う。だがその時間は今をもって中断された。


「あーいーと!」


聞きなれた声が耳に入ってきた。


「うるせぇよ。理彩。こんなところになんだ?」


「今日はね......頼みごとがあってきたんだよ」


頼みごと、と聞いたときにもう既に想像は出来ていた。最近の俺の日常を見てもらえば一目瞭然だな。


「でっかい事件が起こったんだよ!」


「やっぱりか!」


想像がズバリと的中。最近はずっとだ。もう魔能力警察官なんてやらなければ良かったぜ。


「何が起きたんだ?」


半分呆れた声で聞く。


「怪盗サイキックだよ。怪盗サイキック!」


怪盗サイキック......そういえば朝のニュースでやってたな。なんでも、1000年前の宝石が盗まれたんだとさ。前にも何回か宝石類が盗まれたことがあるらしい。怪盗サイキックの才能は不明だが、明らかに才能を使った形跡があったらしい。


「で?俺達が捜査しろと」


「うん!でも今回は私と涼夏と逢徒の三人で捜査するんだよ」


「三人で?そりゃあ、豪華過ぎやしないか?支部長と副支部長と検挙率1位の警察官だぞ?」


「そのくらいの相手だってことだよ!」


理彩が真剣な顔になっている。これは真面目に取り組んだほうがいいらしい。


「分かった。やるよ。で、何から始めるんだ?」


「......涼夏に電話しよう」



この捜査、大丈夫か?





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