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三話:魔能力警察

一人の男が路地裏を逃げている。なにかの犯罪を犯したらしい。


「ハァハァ......なんなんだよ!」


「なんで逃げるの?大人しく私の超能力の前にひれ伏しなさい」


一人の女性が男に向かって喋りかける。


「誰がひれ伏すか!バカいうんじゃねぇ!」


「そう、なら仕方ないわね。それじゃあ......15倍」


「15倍?お前なに言って......うぉ!」


男の体が地面に叩きつけられる。まるで、ひれ伏しているように。


「うぐぅ......お前、まさか」


女性の腕には『魔能力警察』の腕章が巻いてある。








「ねぇねぇ!入らない?」


よっこら食堂で、飯をたらふく食った理彩が俺に問いかけてくる。


「だから、俺は無才能なんだって!」


「私が許可したら入れるから!入ろうよぉ」


「だから!嫌なんだって。魔能力警察なんて」


『魔能力警察』従来の警察では取り締まりが難しくなった才能使用者の犯罪を取り締まりる組織。そんで、その日本支部のトップがマジックサイ。つまり、理彩だ。


「逢徒の才能使ったら絶対検挙率1位になれるって」


「そんなものに興味は無い!」


「じゃあさ、どんな仕事か覗くだけなら良いでしょ?」


「覗くだけって......」


警察の仕事を覗くっていいのか?


「行こうよ!」


はぁ、仕方ない。こうなったら理彩はもうどうすることも出来ない。ただをこねて、まるで、三才児だ。


「分かった。正し!覗くだけな」


「やったぁ!」


魔能力警察なんて、俺は向いてない。








「でけぇな......」


日本で第二位のビルだけにやはりでかい。屋上が見えないんだが......


「へへーん!すごいでしょう!ここが、我が日本が誇る魔能力警察の日本支部なのだよ」


理彩を見ると胸を張り、顎を突き上げ偉そうにしている。お前が建てたんじゃ無いだろ。


「さぁ!行こう!我が城へ」


などと得意気にビルの中へ。ビルの中は、人が行き交い、天井が物凄く高い。正面に受付があり、その両脇に階段がある。


「すげぇな」


「そうでしょ!それじゃあ早速......」


理彩は受付に歩いていき、受付嬢に何やら話している。しばらくしたら、理彩は戻ってきた。


「逢徒、ちょっと待っててね。すぐに来るから」


「すぐに来るって......お前が仕事を見せてくれるんじゃないのか?」


「うん。私は他の仕事があるから行けないんだよ。でも、代わりに日本支部が誇る検挙率1位の才能警察官を紹介するよ」


検挙率1位って、どんな奴が来るんだ?俺の予想は、グラサンにクールな性格で「犯人、チェックメイト」みたいな奴が来ると思う。


「あ!来た~!涼夏!ここだよ!」


理彩が手を振る方向を見ると、一人の女性が歩いてきている。腰まで届く黒髪に整った顔立ち。俺でもめちゃくちゃ美人だと言うことは分かる。


「逢徒、紹介するね。魔能力警察で検挙率1位の佐朱涼夏<さすりょうか>だよ!」


「よ、よろしくお願いします。」


「逢徒って、あなたが才能をコピー出来るっていう」


「まあ、そうです」


「今日はね涼夏と一緒に仕事をしてもらうからね」


「えっ?聞いてないけど」


「うん。だって言ってないもん」


おい、色々とおかしいだろ。まず、なぜ、俺が一緒に仕事をすることになっている。それに、涼夏さんは聞いてないっていってるぞ。


「それじゃ、よろしく!」


「あ!おい!」


理彩は何もかも放り投げて階段をダッシュで登っていってしまった。なんてこった。


「行っちゃったわね......」


「はい......どうします」


「まあ。理彩の命令だから仕方ないわね。それに逢徒君の才能も見たいし」


全く。結局一緒に仕事するのか。まぁ、とりあえず涼夏さんが美人だからよしとしとくか。








「魔能力警察の仕事は基本的に街のパトロールね」


街を歩きながら魔能力警察の仕事を聞いている。大体は普通の警察の仕事っぽいな。


そういえば、


「あの、一つ聞いていいですか?」


「なに?」


「涼夏さんの才能は何ですか?」


「私の才能?そうねぇ。逢徒君、紙持ってる?」


「はい。メモ帳なら」


俺は、自分のメモ帳を取りだし、一枚ちぎって涼夏さんに渡す。一体、何に使うんだ?


「いい?よく見ててね?」


と、涼夏さんは言うと、上からちぎったメモ帳を離した。メモ帳はヒラヒラと落ちていく。と、突然、


「100倍」


と、呟いた。するとどうだろ。今までヒラヒラと落ちていたメモ帳が突然、一枚の鉄板の様になり、地面に叩きつけられる。


「え?一体......」


「私の才能は超能力、物質の質量を変化させる才能。生物も込みよ」


「なるほど」


だから今、紙が突然落ちたわけだ。質量を100倍にしたから。


「ちなみに、何倍までいけるんですか?」


「重くするのが、8000倍、軽くするのが、5000倍ね」


「わかりました。それじゃぁ才能を見せてくれたお礼に俺も見せますよ」


俺はしゃがみこみ、地面に叩きつけられた紙に右手で触れる。俺は、才能で作られた物体、もしくは才能が使われた物体に触れれば直接触れたときと同様に才能を使える。


「それじゃあ、質量、何倍にしましょうか?」


「あなたの最高の力でお願い」


最高の力か。ならば、俺の能の容量の限界までやってやるか。


「40000倍......」


「え?」


通常の40000倍の質量になった紙は地面などへこませていき、3メートルほど地面に埋まった。


「......私の五倍」


「そうなんですよね。俺、能の容量が他人の五倍らしくて」


涼夏さんは驚きと、喜びの表情に染まっていた。


「逢徒君。私から直々にお願いするわ。魔能力警察に入ってくれない?」


理彩と同じことを頼まれてしまった。


「いや、俺はちょっと......」


と、断ろうとすると、


「キャーーーー!」


「悲鳴!?」


突然の悲鳴。一体何が起こったんだ?







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