表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友と好きな人の間で  作者: Ray
嵐の海辺
29/31

第29話

屋外バスケットコートには多くの観客が集まり、バスケ部のデモンストレーションを見守っていた。結花はコート中央でボールを持ち、対面には健太先輩が立っている。


「ここからは、バスケットボールの基本技術と実践的な動きをご覧いただきます」部顧問の先生がマイクで説明する。


結花と健太先輩の動きは完璧に同調していた。パスを交換し、スクリーンを使い、シュートを決める。まるで長年一緒にプレーしてきたかのような息の合った動き。


観客から拍手が起こる中、結花の中で何かが変化していた。バスケットという自分の居場所で、全力で動くことの心地よさ。そして何より、健太先輩との絶妙な連携が生み出す安心感。


デモンストレーションのクライマックスとして、結花がドリブルから三点シュートを放った。ボールは美しい弧を描いて、ネットを揺らす。観客から歓声が上がる。


「よくやった!」健太先輩が結花にハイタッチを求めてきた。彼の笑顔が眩しい。


その瞬間、結花の心に確信が生まれた。「ずっと目の前にあった大切なもの」。それは亮太くんへの憧れではなく、毎日の努力を共にし、自分をありのまま受け入れてくれる存在だった。


デモンストレーションが終わり、結花はタオルで汗を拭きながら観客席を見渡した。以前なら真っ先に亮太くんを探したはずなのに、今は自然と健太先輩の方へ足が向いていた。


「先輩」結花は笑顔で近づいた。「ありがとう」


健太先輩は少し驚いたような、でも嬉しそうな表情をした。「何が?」


「いつも私のそばにいてくれて」彼女は率直に言った。「気づくのが遅くてごめん」


健太先輩の頬が少し赤くなった。彼は言葉に詰まりながらも、満面の笑みを浮かべた。


「次の大会、絶対勝とうな」彼はようやく言葉を絞り出した。


「うん!」結花は力強く頷いた。


二人の間に新しい可能性が芽生え始めていた。それは長い時間をかけて育まれた信頼と理解の上に築かれる、確かな感情だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ