表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化決定】万年課長の異世界マーケティング ―まったり開いた異世界広告代理店は、貴族も冒険者も商会も手玉に取る【第六回一二三書房WEB小説大賞 大賞受賞!】  作者: ぱげ
8章:新体制稼働編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/173

◆93話◆ワイアットの過去と新しい採集依頼

 冒険者ギルドだ混みあう朝の時間帯ではあるものの、ピーク時間は過ぎているため、ギルド内は比較的空いていた。

 太一達が受けようとしている調達系の依頼は、人気が無いため更に掲示板前は余裕がある。


「いきなり泊りで行くのはハードル高いから、日帰りできる距離ってのが条件で、良さそうなのを見繕うか。あ、ワイアット工房の依頼があったら、それを優先しよう」

 太一が依頼の条件を伝えると、各自が掲示板の依頼を物色し始める。

 空いていることと、調達系依頼は相変わらず人気薄なこともあり、ものの10分でいくつかの候補が集まった。

 

「Fランクのは、あえて受けなくてもついでに取って来れるから、やっぱりEランクがメインだな。Dもいけそうな気はするけど、初日からリスクを負う必要も無いし……」

 太一はそう言いながら、ひとまずピックアップした依頼を仕分けていく。


「そうなると、ゴールドベリー、ロッキートリュフ、それと……あ、このマジックキャノーラってやつもか? 他にもいくつか出てるけど、この3つはリーダーの言ってたワイアット工房の依頼だしな」

 太一が選り分けた依頼の中から、更に条件に合うものをワルターがピックアップしていく。

 

「うーーん、どれも聞いたこと無いな……。皆はどうだ?」

「私は聞いたこと無いですね……」

「ゴールドベリーは聞いたことあるぜ。てか、貴族様向けの果物屋とかでたまに見かける高級フルーツだ。食ったことないけどな」

「某、マジックキャノーラは心当たりがある。マジックポーションの材料になる故、魔法職には馴染みのある素材だな。たまに草原で見かけた記憶があるが、どの辺りだったかまでは覚えておらぬが……」


「お、実物が分かるのが2種類あるのは大きいな。やっぱ知識は共有してこそだなぁ。それじゃあこの3つを受けるってことで。ワイアットさんに詳しい話を聞いたら出発しよう」

 依頼を受けた太一達は、採集場所などの情報取集のためワイアットの工房へと向かった。

 

「おやタイチにアヤノ、おはよう。それとそっちは……、間違っていたらすまないが、ハウリングウルフというパーティーに居なかったかね?」

「おはよう、ワイアットさん。ワルター達と知り合いだったのか?」


「知り合いと言うほどでは無いが、冒険者時代に見かけたからね。確かCランクのパーティーだったし、ダレッカでも名の通った冒険者だったよ」

「どっかで聞いた名前だと思ったら、アンタあの守護神と組んでた魔法使いか!?」

 ワイアットを見た時から何かを思い出そうとしていたワルターだったが、ワイアットの話を聞いてようやく思い当たったようだ。

 

「守護神とはロマーノのことかね? 随分と昔の話だが、確かに彼と組んでいたこともあったね」

「やっぱりか……。レンベックに来てたとは思わなかったぜ。もう冒険者はやっていないのか?」

「ああ。随分前に一線からは身を引いているよ。さらにこっちに引越してからは、ほとんど工房に籠りきりだ。そもそも冒険者をやっていたのも、素材を集めるのと、研究資金を貯めるためだったからね。ようやく依頼を出せる身分になったのだ、ポーションの研究に時間が使えて大満足だよ」


「え? ワイアットさん、ロマーノ様と組んでたのか?」

 知り合いとは言っていたが、詳しい関係性までは知らなかった太一は驚愕する。

「ああ。昔のことだし、聞かれてもいないからな」


「なんだよ、リーダー知らなかったのかよ……。25年くらい前か? ダレッカを中心に大暴れしてるパーティがあってな。そのパーティーに居たのが、現ダレッキオ辺境伯やこのワイアットだ。他にも2人いたかな?話題になり始めた時点でCランク、現辺境伯が家督を継ぐ頃にはBランクになってたはずだ」

「B級……」

 次々と明らかになるワイアットの経歴に、太一は言葉が出ない。

 

「全て昔の話だよ。今の私にはどうでも良い話さ。それより今日はどうしたのかね? 仕入れの話では無さそうだが……」

「どうでもいいって……まぁ、いいや。今日は新しい採集の依頼を受けたから、また情報を貰いに来たんだ」

 明らかにどうでもよくないことなのだが、本人に話す気が無いのでは仕方がない。

 太一は、当初の目的を告げる。


「ふむ。情報を聞きに来たということは、これまでとは別の素材ということかね?」

「ああ。今回はこの3つだな。ちなみに、ワルターさんたちと来たのは、新しくパーティーに加わって貰ったからだ。調達系に特化したチームを作ってね。今日がその稼働初日なんだよ」

「ほぅ……、調達特化のチームか。いいね、いいよ。わざわざチームを作ったということは、ランクの高い調達系の依頼を受けるためなのだろ? 高ランクの素材は殊更に集まりが悪いのだ、是非ともお願いしたいね」


「ああ。採算を取るためにもある程度の報酬が必要だから、Fランクばかりって訳にも行かなくてね。情報が蓄積出来ればさらに効率があげられるから、そこまでが1つの勝負だと思ってる」

「ふふ、確かにチームで情報が共有できれば無駄も無くなるな。分かった。知っている範囲で情報を提供しよう」

 

 こうしてゴールドベリー、ロッキートリュフ、マジックキャノーラに関する情報を仕入れた一行は、まずはそれぞれの採集ポイント間の距離が近いと言う、マジックキャノーラとゴールドベリーの採集に向かうことにした。


ブックマーク、評価ありがとうございます!

とても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ