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万年課長の異世界マーケティング ―まったり開いた異世界広告代理店は、貴族も冒険者も商会も手玉に取る  作者: ぱげ


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◆92話◆新体制稼働開始!

キリの良い所で切ったら短くなる呪い再び

太一と文乃がダレッキオ辺境伯の後ろ盾を得て2日後、月が替わり7の月となった。

新生フローターズがいよいよ本格的に動き出す日だ。

太一と文乃は2の鐘の後、集合場所であるギルド前に来ていた。

コンビニ部門は、この5日間毎日タバサと一緒に店番をして問題なさそうだったため、今日からは基本タバサ一人に任せてある。


「ようリーダー、おはようさん」

「リーダー、おはよう」

「タイチさん、アヤノさん、おはようございます!」

ワルター達3人はすでに到着しており、太一達を見つけると朝の挨拶をしてきた。

「みんなおはよう。今日からよろしく頼む。準備は大丈夫か?」

「おうよ、ここんとこ毎日3人で肩慣らししてたからな。最低限の連携も問題ねぇぜ」

太一の問い掛けにワルターがニヤリと笑みを浮かべながら答える。

「私もモルガンさんに槍の稽古を付けてもらって、ちょっとずつですが上達してます!」

「うむ。レイアは中々筋が良い故教え甲斐がある。某も実戦の勘が戻って来ておるし問題は無いな」

レイアもモルガンも問題無さそうだ。変な気負いも無く、ほどほどの緊張感とやる気に包まれている。


「そういうリーダーはどうなんだ?何か準備だか用事だかがあるとか言ってたけど、片付いたのか?」

「ああ。こっちも問題無い。

 これから色々やってくと横槍が入ったり真似する奴が出てくるから、その牽制に後ろ盾を探してたんだけど、運よく見つかったよ」

「へぇ。後ろ盾っつうと、貴族様かい?」

「そうなるな」

太一はそう言ってギルドカードをワルターに見せる。

「あん?ってこの紋章どっかで・・・はぁぁぁっ??ダレッキオ家門客ぅぅっ!!?」

ギルドカードに記載されたダレッキオ家の名前を見てワルターが驚愕する。


「ちょっと、ワルターさん!声が大きい!」

「あ、ああスマンスマン。しかしリーダー、ダレッキオ家ってあのダレッキオ辺境伯か?それがバックについたのか?」

「何があのなのかは知らないけど、ダレッキオ辺境伯で間違いない。

 ちょっとした縁で知り合って、一昨日昼餐会に招待いただいてね。その折にお願いしたらこうなった」

「マジかよ・・・・。すげぇなリーダー・・・」

「辺境伯様ってそんなに凄い方なんですか?」

田舎の出であるレイアも貴族に関しては詳しくないのか、ワルターにそんな質問をする。


「凄いも何も、超大物だ。西方の守護神ってな。

 レンベックの西側は、タケンテス皇国っつう敵国と隣接してるんだわ。でかい戦争は無いんだが、小競り合いは何年かに一度は起きてる。

 そん時に真っ先に攻め込まれるのが、国境にあるダレッカの街で、そこを治めてるのがダレッキオ辺境伯だ。

 5、6年前くらいかな?結構大規模な侵攻があって、ダレッカだけじゃなくその周辺にまでタケンテスの軍勢が攻め入って来たんだわ。

 それを、自領の軍と冒険者の混成部隊を率いてボコボコの返り討ちにしたのが、ダレッキオ辺境伯だ。

 俺らも冒険者部隊で参加してたんだが、多分相手の方が倍くらいの兵力だった。それを恐ろしく正確で素早い戦術であっという間に壊滅させちまった。

 それで着いたあだ名が“西方の守護神”だ。“西のいかづち”とも呼ばれてたかな。

 以前からダレッキオ家は西の守りの要で、王家の信頼が厚い名家だったけど、現領主になってから更に評価が上がってるぜ」


「王家からの信が厚いのは知ってたけど、そこまでは知らなかったな・・・しかしワルターさん、妙に詳しくないか?」

「C級になるとな、途端に貴族様からの指名依頼が増えるんだわ、これが。面倒なことに中には事実上強制依頼に近いもんもあって、自然と貴族様との付き合いが増える。

 実力が突き抜けてるようなパーティーは、相手も気を使うから問題無いんだが、そうじゃないとこは相手がどんな貴族か知らないと面倒なことになりかねないんでな。

 情報を色々と調べてたってだけだ」

「なるほど。それで詳しかったのか」

「そういうこった。当代の辺境伯様は元冒険者だしな、後ろ盾としてはこれ以上無いぜ。

 仮に他の貴族から指名依頼があっても、辺境伯の門客だったら断ることも出来る。

 いやぁ、持つべきものは頼りになるリーダーだねぇ・・・レイちゃん、これでよっぽどのことが無い限り俺らは安泰だ」

「え?そうなんです?やった!いやぁラッキーだなぁ、私」

「喜んでもらえて何よりだよ・・・

 じゃあ、準備も出来てるってことだから、早速ちょっと難易度高めの調達系に行ってみるか」

盛り上がるメンバーをやれやれと見やりながら、太一はギルドへと入っていった。

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