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万年課長の異世界マーケティング ―まったり開いた異世界広告代理店は、貴族も冒険者も商会も手玉に取る  作者: ぱげ


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◆71話◆損益計算

超簡易なP/Lです。

収支計算をチクチク書くの楽しい!


キリが良い所で切ったら短めになってしまった。。。

太一達が黒猫のスプーン亭に宿泊し始めて30日が経過し、季節は夏前の雨季を迎えようとしていた。

レンベックのある地方は、春から夏へ切り替わるタイミングは雨季となる。

とは言え、日本の梅雨のようにしとしとと降り続くことは無く、にわか雨が日に何度か降るような気候だ。


ケットシーの鞄は、立ち上げから20日程度経過し、1日の売り上げがだいぶ安定してきていた。

その分、討伐に行く回数は減少傾向になっているが、逆に夜の部で素材の端数買取を開始したため、採集系の依頼達成数は増加傾向だ。

また、小物類討伐依頼が飽和したことによる祭りは、太一達が討伐依頼を受け始めて程なくして予定通り特別推奨依頼となったため、消化率が上がり長期未消化の依頼が減少。

それに伴い、つい最近特別推奨が解除され、冒険者ギルドも落ち着きを取り戻していた。


そんな状況の中、珍しく朝から降り続く雨をBGMにしながら、太一と文乃は宿でケットシーの鞄の収支をまとめていた。

「ここのところ安定して1日600ディル以上の粗利が出てるわね」

「ある程度流行るとは思ってたけど、想定以上の利益だなぁ」

「そうね。まぁギャンブルの利益構成比が60%超えだから、ちょっと思う所もあるけど・・・

 コンビニ部門も利益率が上がってきてるし、買取部門も買取商品の幅を増やして欲しいってリクエストが来てるから、順調と言えば順調よね」

「うん。日に300粗利が上がれば御の字だと思ってたけど、その倍だからね。これで文句言ったら怒られるわなぁ。

 あと、ギャンブルは利益率高いのは分かってたし、保険みたいなもんだからね。

 しかも相当やり方をセーブしてこれだからなぁ。やろうと思えば、すぐにでも3倍くらいは利益増やせられるけど・・・やる?」

「いや、やらないわ。別にギャンブルは否定しないけど、伊藤さんの言う通り保険にしておいたほうが良いわね。

 背に腹は代えられないから、いざとなったら躊躇するつもりも無いけど、今は抑え目でいいんじゃない?」

「同感だね。まぁ、多分もうしばらくするとフォロワーが出てくるから、テコ入れはそのタイミングだと思ってる。

 やりすぎると役人に目をつけられて規制されるかもしれないし、そういう危険性を理解してる自分たちだけで地味に続けたいんだけどなぁ・・・

 ぱっと見で儲かると見るや、頭の悪い連中がエスカレートするからね・・・

 まぁもって半年ってとこだろうね。出来ればその前に役人か貴族みたいな支配階級と話をつけておきたいとこだな」

「ギャンブル利権は日本でも相当大きいものね・・・繋がる方法が無いか、今のうちから探しておいた方が良いわね」

「うん。別に癒着して旨い汁吸おうとは思わないけど、この世界はまだ商売とかマーケティングが未成熟だから、すぐに俺たちは目立つと思う。

 その時に既得権益者から攻撃される可能性は高いでしょ?そういった場合のカウンターが欲しい。一度、ギルマスあたりを訪ねてみるかなぁ」

「知り合いの中で最上位レイヤーにいるのはギルマスだし、妥当な線ね」


「で、話を戻すけど、現状ひと月で18,000は安定して稼げそうだから、商売1本に絞っても良いけどどうする?」

「うーーん、さっきも言ったけどもう少ししたら勘の良い奴らが絶対真似すると思うんだよね。

 あまり競合が増えると破綻するモデルだから、支配階級層とのコネ含めてちょっとテコ入れはするつもり。

 だから、もうちょっと基盤が強固になるまでは、冒険者と兼業かなぁ」

「了解よ。しばらくは兼業ってことで決まりね。じゃあ次はテコ入れの具体的な方針ね。

 ひとまず現状から近い将来見込まれる課題抽出からかしら?」

「うん。さっき言ってたフォロワー問題と、目立つことによる外部からの干渉でまず2つ」

「そこは避けて通れそうにないわね。あと感じてるのは、規模拡大の頭打ちが見えてる所ね」

「だなぁ・・・全部二人でやってるから、手を広げられないんだよね。ひとまずはこの3点ってところ?」

「そうね。ひとまずはこの3点で良いんじゃない?」

「よし。じゃあそれぞれに対するアクションプランと行こうか。

 まずフォロワーの問題だけど、王様に独占を認めてもらうとか非現実的なやり方を除くと、部門毎に個別解決を図ることになるわなぁ」

「商売のやり方が違うから、解決策も別になるでしょうね」

「オッケー。じゃ、まずはギャンブル部門から行こうか」

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― 新着の感想 ―
さすが大手広告代理店のお二方。私には頭打ちになる絵が見えませんでした。
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