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万年課長の異世界マーケティング ―まったり開いた異世界広告代理店は、貴族も冒険者も商会も手玉に取る  作者: ぱげ


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◆60話◆最後のポイント

新規連載も始めました!(本作の更新も続けます!)

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異世界は猫と共に ~システムエンジニアは失われた古代の魔法理論を解析し、魔法具界に革命を起こす

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「ふぅ、流石に数が多いと疲れるなぁ」

「足を止めるわけにいかないから、動きっぱなしになるから仕方が無いわ。

 ゼップさーん、もう大丈夫だから討伐部位を切り取るの手伝ってくれないかしら?」

広場での一戦を終えた太一と文乃は、そこら中に転がっているコボルトから牙を切り取るのを手伝ってもらうためゼップに声をかける。

それを聞き、遠目に戦いを見ていたゼップが慌てて駆け寄ってくる。

「アンタら、とんでもねぇな・・・ホントにEランクとFランクなのか!?」

「ああ、まだ冒険者になって10日も経ってないからな」

「マジかよ・・・」

絶句しつつもゼップも手伝い16匹分の牙を集め終えると、文乃が再びゼップへ声をかける。

「じゃあ、最後の一か所もお願いね!」

「まだやるってのかよ・・・分かった、こっちだ!」

ゼップは若干表情を引きつらせつつも、踵を返して走り出した。


「最後は水場だ!少し先の川から水を引いてんだがよ、途中に溜池を作ってそっから枝分かれさせてんだ。

 そん中の一番でけぇとこが、奴らの水場になっててよ。20匹ぐれぇはいつも居やがる」

「どれくらいの大きさの溜池なの?」

「さっきの広場くれぇだな。ただここは周りに結構木が生えててよ、高い木じゃねぇが水飲むとき以外は大概木の下に居やがる」

「なるほど。それは一度には片付かなさそうね」


情報を仕入れながら、先ほどの広場から村を挟んだ反対側へと向かうと、目標の溜池が遠くに見えてくる。

少し傾き始めた陽の光を受けて、水面が綺麗に輝いている。

「あれだ。水路沿いだと移動しやすいけどよ、向こうから見つかっちまう。脇に逸れるとちょっとした林みてぇなとこがあるから、そっから向かうぜ」

ゼップに先導され、比較的木の茂っている所を選びながら溜池へと近づいていった。


「ストップ。木があるのはもうちょい先までで、その先は池まで木はねぇ。

 その代わりこの時期は、まだ背の高ぇ草が生えてっから、近づくならそれを上手く使うしかねぇな」

「分かった。文乃さんどうする?ひとまず注意しながら木が途切れるまでは近づいてみるかい?」

「そうね。ここからじゃ流石に狙えないし、様子を見ながら近づいてみましょう」

「オッケー。手前ら辺にいる奴は目視できるな。弓の射程範囲内に3匹、射程外に4匹確認した。

 お?その内6匹が分かる。どうやら捕捉可能数が1匹増えたっぽい」

「朗報ね。まだ気付かれてない?」

「2匹気付いてる。射程内の2匹。でも警戒心はほとんど無いな」

「気付いたからって、すぐ襲ってきたり逃げたりするわけじゃないのね」

「個体差なのか基準があるのか・・・とりあえず進んでみよう」

気付かれた個体含めて矢印の変化を慎重に確認しながら少しずつ近づいていくが、木が途切れる辺りまで来ても矢印に変化は見られない。


「そろそろ射線が通るけど、まだ動きは無いわね」

「視界が開けて、さっきより奥まで目視できるようになったから、そっちも確認してみる」

ゼップのいるところから15mほど進んだ上、周りに木がほとんど無くなったため、溜池全体が視界に入るようになった。

そのおかげで、先ほどまで見えなかった所にいる個体も目視可能になっている。

太一は素早く対象を切り替えながらチェックしていく。


「見える範囲に21匹。まだいるかもしれないし、そこそこの数だね。ただ、池の周囲に散らばってるから固まってないのはラッキーかも」

「さっきの2匹以外で、気づいてるのは居る?」

「いや、いないね。完全なリアルタイムじゃないから100%じゃないけど」

「仲間に知らせたりはしないのね・・・」

「確かに。何か見つけたら、集団で問答無用で襲ってくるイメージだったけど・・・もしくは個人主義なのか?」

「リーダー種がいないと、こんなものなのかしらね?

 思えば遺跡でゴブリンと戦った時も、リーダー種が率いていない集団はバラバラだった気がするし」

「そっか。そうなるとまだここの集団にはリーダー種は居ないんだろうね」

「そうね。数さえ減らしちゃえば、後は何とかなるんじゃないかしら」

「元々少数なら村人でも狩れてたって話だからね。とりあえず限界まで削ってみようか」

「ええ。ここが今日最後のポイントだし、ロングボウも使ってみるわ」

「了解。ちなみにロングボウだと、一番遠い奴狙える?対岸にいる奴」

「80m位ってとこかしら?感覚的には多分いけるわね。ぶっつけ本番だけど」

「じゃあ、手前の奴が気付くまでは、奥から順に狙撃していってもらってもいい?

 で、手前の奴が気付いたらショートボウに切り替える。そのタイミングで俺も打って出るから、間引きをお願いしたい」

「分かったわ。そこからは池の外周沿いに前進しながら奥まで行く感じ?」

「そうなるかな。接敵してる数が多く無ければ、遠くにいる奴を優先で大丈夫」

「了解よ」

「何本か矢は残しといてね。さて、そいじゃあ狙撃よろしく~」

「ぶっつけ本番だから、あまり期待しないでね」


文乃は苦笑しつつ姿勢を低くしたまま背負っていたロングボウを下ろし、矢を番えて構える。

ショートボウの1.5倍ほどの大きさがあり張力も強いが、加護の力もあってか弓を引くその姿勢は非常に自然だ。そのまま狙いを定め矢を放つ。

ショートボウと比べてかなり速い初速で飛び出した矢は、少しだけ山なりの軌道を描き池を越えていき、狙ったコボルトの右目の上に命中する。

それを確認した文乃は小さく頷き、速射モードへと切り替え次々と矢を放っていった。

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