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吾輩は猫のYouTuberである  作者: 灰庭論
現代猫 編
10/18

10 吾輩、逆ドッキリを仕掛ける

下ネタが苦手な方は飛ばしてください。読まなくてもストーリー上、何も問題はありません。

 日曜日は動画の撮影日ということで、タカカズが朝から張り切っていた。撮影場所は、いつものように吾輩の自室兼撮影スタジオである。


 前にも説明したが、部屋の中にはタカカズが段ボールで自作した寝床と中古のソファしかない。


 まさにオス猫の一人暮らしといったたたずまいであるが、あまりにも殺風景なので、吾輩も留守にすることが多かった。


 最近は長男長女が自分の部屋に引きこもることが多いので、ママさんが寂しくならないように、吾輩がそばにいてあげるようにしている。


 話が逸れたので戻すとしよう。


 今回の撮影は、どうやら吾輩に「かりんとうドッキリ」を仕掛けるようである。


 かりんとうドッキリとは、猫動画の定番のネタで、飼い主がウンチに似たかりんとうを食べることで、猫が不思議そうな顔をするという、騙し企画のことだ。


 吾輩は他の猫と違って、ぷにまる動画の視聴者でもあるので、タカカズがかりんとうを用意した時点で、企画の意図を見抜いてしまった。


 これではドッキリにならない。


 そこでチャンネルを盛り上げるために、タカカズに逆ドッキリを仕掛けることにした。


 いつもカメラのセッティングに時間が掛かるので、その間に、皿に盛られた、かりんとうの中に、吾輩のウンチを混ぜてやった。


 うん


 準備ができた。


 タカカズの方もスタンバイができたようである。


 大丈夫、気付かれていない。


 床に座った状態で、撮影スタート。


「今日はトラにドッキリを仕掛けてみたいと思います」


 吾輩を撮るのに夢中だ。


「かりんとうを用意しました」


 と言いつつ、中身を空けた袋をカメラに映すのだった。


「かりんとうを食べると、飼い主がウンチを食べてると思って、猫が驚くみたいなんですよね」


 カメラを回しながら、皿を引き寄せる。


「早速、食べてみたいと思います」


 興味津々といった感じの芝居をすることにした。


「あっ、うまっ」


 食べたのは普通のかりんとうだ。


 そろそろ気づくか?


「久し振りに食べたけど、メチャクチャうまい」


 勢いよく、つまんでいく。


 そのまま、吾輩のウンチも口に放り込むのだった。


「うん?」


 手が止まり、袋を確認する。


「なんか、違うの入ってた」


 それは吾輩のウンチだ。


「あっ、見てください」


 タカカズがカメラを回し続ける。


「トラが引いてますよ。ドン引きしてます」


 お前がウンチを食ったのだから当たり前だ。


「ドッキリ成功ですね」


 いや、大成功である。

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