アニメのブスの定義に物申す
高校の昼休み、いつものように俺は男友達と机をくっつけて弁当を食べ、食べ終わった後、こんなことで話し合うことになった。
「アニメのブスの定義とは何か?」
「今日の議題はそれか。」
友達Aから出されたお題は、興味深いもので、俺は前のめりになった。
「オホン、かねてより俺は、アニメでブスと呼ばれるキャラを見て、『あれ?普通に可愛いんだけど、お前ら目が腐ってるんじゃない?』と考えていたんだ。」
友達Aのこの意見に俺は同意である。アニメでブスと呼ばれる女キャラの大半は可愛いのだ。こんな可愛い子をブスと呼ぶお前らの目はどれだけ超えているんだと、苛立ちすら覚えたこともあった。
俺が深く頷くと、友人Aは更にこう続けた。
「あと地味でブスだと言われているヒロインが眼鏡やおさげの髪を解いた瞬間に、美人だともてはやされる展開も疑問がある。眼鏡で美貌が隠せるわけが無かろう、スーパーマンのクラークケントじゃあるまいし。眼鏡をかけていた時から美人なのだ。むしろ眼鏡をかけていた方が良いというニーズもあるぐらいだ。」
「激しく同意だ。」
友達Aは俺の思っていたことをスラスラと気持ち良く言ってくれる。前からやる奴だと思っていたが、ここに来て評価が鰻登りである。
相づちを打つだけじゃなく、俺も自分の意見を発言することにした。
「アニメだと"そばかす"だの"三白眼"のキャラは美人キャラじゃないように言われているが、それらは俺にとってはプラスであり、マイナスではない。俺は『赤毛のアン』のアン・シャーリーにだって興奮する男だ。」
「うむうむ、アン・シャーリーはよく知らんが、考え方には深く同意する。あと少し論点がズレるかもしれんが、モブでも凄い可愛い子が居たりするよな。」
「あー、分かる。というか学園アイドルとモブが、視聴者の俺らから見たら同じぐらいのレベルだったりな。」
「うむ、アニメはキャーキャー言われておけば美男子、美女になるのだよ。俺はその元祖はキャプテン翼の三杉君が元祖だと思っている。未だに三杉君と松山君がゴッチャになることもあるしな。」
確かに、騒ぎ立てれば美人に仕立て上げられるわけだ。世論というのは怖いな。
「学校物のアニメに出てくる、結婚出来ずに行き遅れた三十路手前の女教師とかも、可愛すぎて何故行き遅れたのか全く分からん。俺が貰いたいわ。」
「それ分かるー。」
話は本題から脱線し始めたが、まぁ、結論から言って、アニメキャラや、周りの意見など耳を傾けず、自分の感性で美人かブスかジャッジするのが一番だと俺は思うわけだ。