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異世界で好きに生きていいと言われたので、3つの願いをした  作者: 猫丸ストレート
第1章 3つの願い編
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第5話 幼年期編

3歳になり行動範囲が広がった。ハイハイではなく立って歩くようになる。


走ることも出来るようになった。言葉も簡単なものは話せるようになる。


母の料理の手伝いや、父と一緒に出掛けることも増えた。父は私が優秀で物分かりがいいと褒めてくれた。


その甲斐もあって森の手前であれば、1人で過ごしても何も言わないようだ。


今日も父アルスに連れられて森の手前まで来ていた。


「父さん。今日は森でどうするんですか?」


それに対して父アルスは、


「出来ればイノシシ辺りを取りたいんだが、最近獲物が少ないからね」


父は冒険者だった。町のギルドで依頼を受けて仕事をこなす時もあるが、どちらかというと獲物をとってきて近所の人たちと物々交換する方を好んだ。


「この辺は森に入らなければ危険はないから、少しこの辺で遊んでてくれな」


そういいつつ、シオンの頭を撫でてから森の中に入っていった。


そうなってしまうとやることがない。その為、家で出来ないスキルの強化を、出かけた時はやるようにしていた。


取り合えず索敵魔法を使って・・・取り合えず1キロ範囲でいいかな?


発動すると周りにモンスターがいないのが分かる。前方100メートルにいるのは父のアルスだとわかる。


「よしよし・・・誰もいないな。」


そういいつつこっそり使えるかどうか試していた初級魔法を唱えた。


「ウインドカッター!」


真空の刃が飛び出て正面の木に当たる。ただ、あまり効果があるようには見えない。


それもそのはず、数回しか使ったことが無い為、初級の風魔法スキルLVは1である。


1発発射するのにMPが5削られる。今のMPなら優に70発は撃てる。


ただし、索敵スキルは使用中はどんどんMPを使用していくため、注意が必要である。


現状で分かっているのは、MPは最大値を24で割った数でしか回復しないということである。


つまり1時間で現状15しか回復しないのである。


それを踏まえた上で、更にウインドカッターを連射する。


そして100発近く撃った時に威力が変わった。明らかに木に切り込みが入ったのである。


ステイタスを確認すると、風初級魔法LV2となっていた。どうやら初級魔法は100発撃ち込めばスキルLVが上がるようだ。


これはいい発見だ。このままLV2なら200発、LV3なら300発ならいいなと思いつつ、索敵に目をやると200メートル先に魔物の表示があった。


色は・・・緑か?いや・・・うっすら黄色?これは・・・図鑑で見たことがあるな。ブルーラビットだ。


ブルーラビットは青い毛皮に額の先にドリルのような角がある。30センチぐらいのウサギ型の魔物である。突進してきて角で刺してくる。毛皮は服などに使われる。ふとんの材料にもなったりするはずだ。


LV1の自分には強敵だった。しかしそれは何も知らない3歳児での話である。


シオンは索敵を切らさず射程を200メートルに縮め、MPの消費を減らしつつ少しずつ近づく。シオンにとって狩りは初めてである。


ドキドキしながら、家族の食卓事情の為にすまないと思いつつ、残り20メートルになったところで、ウインドカッターを横から首めがけて発射した。


ブルーラビットは「ギュ!」と悲鳴をあげて倒れこんだ。


少しの時間様子を見ていたが動く気配はない。絶対隠蔽を使って近寄ってみると、首元がパックリ切れ、確かに死んでいるようだ。それを確認してから絶対隠蔽を解除。


それと同時に力がみなぎってきた。ステイタスを確認すると、


名前:シオン

職業:???

爵位:無し

年齢:3

LV:1→2

HP:15→20

MP:10(400→410)

腕力:6→8

防御:3→5(30)

俊敏:3→5

知力:10(50→60)

幸運:5→6


固有スキル:自動防御LV1、空間魔法LV1

固有スキル:絶対隠蔽LV1

スキル:初級魔法LV1、初級魔法(風)LV2

スキル:★索敵魔法LV10


レベルが上がっていた。MPが360だったのに400になっているのは・・・

これは風スキルが上がって+40されたからか?確認するのを忘れていた。


取り合えずブルーラビットを回収して森から出ようとした瞬間背後から頭をつかまれた。


そして頭をグリグリされた。父アルスだった。

索敵スキルを敵だけに絞っていた為、気配に気づくことが出来なかった。


「森に入っちゃ駄目っていっただろ?約束守らないと連れてこないぞ?」


そう言われてはこうするしかない!


「ごめんなさい」


シオンには謝るしか方法が無かった。




その日の晩飯にはイノシシの鍋とウサギのソテーが振舞われた。


久々のごちそうに両親は終始笑顔であった。

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