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異世界で好きに生きていいと言われたので、3つの願いをした  作者: 猫丸ストレート
第1章 3つの願い編
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第43話 卒業試験編 (バゼル街道編)

翌日、目を覚ますと、リシアはシオンに抱き着いたまま眠っていた。このままでは起きれない為、頭をそっと撫でた後、起こさないように抜け出す。


部屋の椅子に座りながら、シオンは考えていた。リシアは強くなった。ただそれは身体能力的にであり、精神的にはやはり幼い。


あの幼い少女を守りながら戦う・・・この先も本当に可能だろうか?前回のオーク戦はエクストラスキルに助けられたに過ぎない。


リシアは盲目的にシオンを信頼するふしがある。そう考えた時に、やはりシオン自身が強くならなければという結論に至った。


シオンは一通の手紙を書いた。


リシアが起き出す前に、シオンは部屋を出た。そしてラディスの下に行く。途中で使用人を見つけ、部屋を聞くと教えてくれた。


部屋をノックすると、返事があった為、シオンですと答えてから中に入る。


「おはようシオン。こんな朝早くからどうしたんだい?相談事かい?」


シオンは昨日の夕食の事をまず詫びた。リシアを泣かせてしまったからだ。そしてその上で、自分の考えをラディスに伝える。


「本当にそれでいいのかい?あのはきっと怒るよ?泣きもすると思うよ?」


シオンの意思は変わらないと告げた。大事だからこそ、待っていて欲しいと。そしてラディスには嫌な役回りをさせてしまってすまないと伝えた。


「私はあのの父親だからね。そのくらいは引き受けるよ」


そう言って苦笑いをしていた。


その上でリシアあての手紙を1通手渡し、1年後に戻ってくるとラディスに伝え、シオンはストレイル家から去っていった。




少し時間が経ち、リシアが目を覚ますと、隣にシオンの姿はなかった。


寝ぼけている目で部屋を探すが、やはりいない。段々意識がはっきりしてきて、シオンがいないことに不安になり、部屋を出る。


そして屋敷中を走り回り、使用人に会うたびにシオンについて聞いて回る。しかし誰も知らない。益々不安が募る。


父ラディスなら何か知っているのではないかと、ラディスの書斎に飛び込んでくる。


「おはようリシア。どうしたんだいそんなに血相を変えて」


そうラディスに話しかけられて、呼吸を整える暇も惜しんで知りたいことを聞く。


「父様!シオンがいないの!何か知らない!?」


そうラディスはすごい剣幕で尋ねられた。そして1通の手紙をリシアに渡す。


「朝早くにシオンが私の所に来たよ。そして・・・この手紙をリシアに渡して欲しいと」


リシアは手紙を開封した。そして・・・泣き出してしまった。その手紙にはこう端的に書かれていた。



「私は弱い。今のままでは、君を守りきれないかもしれない。だから、1年間の旅に出る。大好きなリシアへ シオン」



大好きな人にいなくなられたショックと、自分が力になれなかった不甲斐なさが混ざり合い、リシアは数日間泣き続け、部屋に籠ってしまった。


ラディスも何とか宥めたが、それでも泣き止んでくれない。その為、妻のエイナにも宥めて貰う一面もあった。





ストレイル家を後にしたシオンは、エウリーの町にあるハンスの店を探していた。索敵でハンスを探す。


そうすると、大通りに面した場所にハンス商会と書かれている店を見つけた。索敵の印もここになる。


シオンは店の中に入っていく。すると・・・


「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件で・・・ってシオン君じゃないですか!」


以前お約束していたので、伺いましたと言うと、


「まぁまぁ奥の席にどうぞ。今飲み物を用意させますので」


そう言って店員に飲み物を用意させる。シオンもあまり町に長居をするつもりがなかったので、ハンスに相談する。


「この辺でどこか魔物が大量に発生している場所はありませんか?以前魔物が増えていて、冒険者が怪我をするのが多いと聞いたので」


そう端的に尋ねた。するとハンスは色々考えた結果・・・


「そうですね・・・サラキアの森もかなりの規模ですが・・・ここから西に20日程行った場所に、バゼルという街道があります」


そう話した上に付け加える。


「森を伐採した街道なのですが、付近の山から魔物がどんどん降りてきているらしく、魔物が減らないと聞きます。なぜ付近の山から魔物が来るのかは分からないのですが・・・」


そこまで話を聞いて、シオンは出かけることにした。ハンスにお礼を言い、そこに行くと伝えると、


「私の商会の者で、そちら方面に行くものがいます。宜しければいかがですか?」


シオンは渡りに舟だったので、お言葉に甘えることにし、すぐに出発した。




シオンはバゼル街道に向かう途中、早速スキルを使ってみることにした。


「ゼウス様。今お時間ありましたら、ご返答頂きたく思います」


そうして念じてみると、


堤剛つつみたけし・・・いやこの世界ではシオンか。どうした?困り事かな?」


応答があった。その為、シオンはバゼル街道について尋ねた。


「今バゼル街道という所に向かっているのですが、山から魔物が大量に降りてきているようなのです。何が原因なのか教えて頂けないでしょうか?」


そう尋ねると。少し待っておれと調べてくれるようだ。すると・・・


「なるほどな。どうやらあの山にドラゴンが住みついたようだ。そのせいで生態系が変化し、魔物の大移動が起こったみたいだな。ドラゴンは山の中腹からはあまり動かないようだ」


それを聞いて謎が解けたので、ゼウス様ありがとうございましたと伝えて、祈りを終了した。


シオンは思案した。そのドラゴン・・・手なずけられないか・・・と。


20日の間、いくつかの町を経由し、シオンの馬車はバゼル街道に差し掛かった。シオンはハンス商会の馬車主にお礼を言い、馬車を降りる。


「ここがバゼル街道か・・・確かに森を突っ切る形で街道が作られているな。利便性を追求したせいだろうか?」


そう独り言を呟いた。そしてシオンは気合を入れなおし、バゼル街道の森に入り、レベル上げを行うのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が自分のヒロインを守るためにこの話のように、わざとヒロインを置き去りにして、自分だけ行動するというパターンはよく在りますけど、私はそういう話が出てきた途端興味を殺がれてしまいます。 も…
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