第12話 学園編
翌日シオンは時間より早めに学園に登校した。その甲斐もあって人はまばらであった。
「さて・・・俺のクラスはどこかな~と・・・」
そう独り言を呟きながら学園の広場に向かい、掲示板を確認する。
なるほどね・・・S~Eクラスまで1クラス50人ずつ分けられるわけか。
シオンは自分の名前を探す・・・しかし・・・無い。
何度探しても・・・無い。
何だか雲行きが怪しくなってきたんだが・・・そう思案していると声を掛けられた。
「あなたはこの間光のシオンと呼ばれていた213番の子で間違いないかな?」
振り返ってみると、試験の時に見たような教員がそこに立っていた。光のという部分はさておき・・・番号は間違いなく先日のものと同じため、そうですがと答えた。
教員は申し訳なさそうな顔をしつつ、ついて来て欲しいとだけ言い、学園の中に入っていく。仕方がないのでシオンもそれに従って入っていった・・・
通されたのはどうやら応接間のようだ。待っていて欲しいと言われたので待っていると、扉がノックされ、30代の男性と40代後半の女性が入ってきた。
一応礼があると思い立ち上がり、二人に向かってお辞儀をした。それを見た2人は気にしなくていいのでかけてくれと着席を促した。
要件は何だろうと話を切り出されるのを待っていると、30代の男性にいきなり頭を下げられた。意味が分からないので困惑していると、男性は先日誘拐されかかった少女の父親だった。
その時は少女の名前を確認していなかった為、今初めて少女の名がリシアということを知った。シオンの名前自体は騎士団に報告していた為、学園を通してシオンのことが判明したのだろう。
その上で男性は自己紹介してきた。
「私の名前はラディス=ヴァン=ストレイルという。私の事は気軽にラディスと呼んでくれ。娘を助けてくれて感謝する。何か希望があれば何でも言って欲しい。できる限り要望に応えよう」
いきなり褒美と言われてもすぐに思いつくものはなかったので、もし困ったことがあった場合に力になって欲しいお願いしたら、それは褒美とは言わないからと却下されてしまった。それは褒美としてではなく、当然のことだよと笑っていた。
ある程度雑談が終わった後、もう一人の女性が話を始めていいか伺っていたので、ラディスは構わないと話を勧めた。どうやら学院長のようで、今回の試験について話を始めた。
「シオン君。君の成績を見させて頂きました。とても素晴らしい成績です。この学院始まって以来の数値でしょう」
シオンは褒められて嬉しかったが、学園長からはただ・・・と後に言葉が続いた。
「申し訳ないのですが・・・あなたに教えることが出来る者がいないのです。魔力量や魔法威力などはすでに宮廷魔導士クラスであり、剣術もBランク冒険者に匹敵するとなると・・・」
これはまずいと思った。両親からは学園を卒業するように言われていたのに、まさか・・・素行不良ではなく、優秀すぎて入学出来なくなるなんて目も当てられない。どうしようと思案していると助け船が入った。
「学園長。ではこうしたらいかがでしょう?4年間就学させるのは彼の才能の無駄遣いになる。2年間だけ学園で預かり、2年分は飛び級で10歳で卒業というのは?授業は出席してもしなくても許可して、単位はクリアするということで、特例を出しては?」
そう提案され学園長は悩んだ。確かに才能は優秀だ。いや優秀すぎるのだ。それであっても、仮に1度も出席しないで単位を渡したとなれば、同じように単位を渡せと言ってくる権力者も出てくるだろう。その為、学園長は苦渋の選択をした。
「ではシオン君。こちらの出すクエストを無事にクリアできた時に卒業認定を致しましょう」
学園長はいくら才能があっても越えられないクエストを用意したはずだった。
しかしシオンはその上を行くことになる。そしてもう1人その人数は増えるのであった。




