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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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今後

ハルさん視点です。

 今日もいつものように、圭君家にお邪魔してお菓子を作らせてもらってます。

 お菓子を作り終えてからは圭君の勉強のお手伝いです。


「圭君? 今日は生物が重点的なんですね」


 圭君はいつも、そんなに生物分野の勉強はしていないのですが、今日は生物分野ばかり勉強しているみたいです。

 少し疑問に思ったので、思わず聞いてしまいました。


「あー、はい。ちょっと急なんですけど、志望大学を変更しようと思いまして。生物分野の大学を目指したくて……」

「そうなんですかー」


 志望大学の変更ですか……

 つまり、圭君は自分のやりたいこと見つけということでしょうか?

 出会ってすぐの頃の、目標とか夢とかそういうのは無いって言ってたネガティブ圭君が懐かしいですね。


「生物系の分野は興味深いですよね。私もこの本から学ぶ事が多いです」

「やっぱり専門的で難しいですよね……」

「大丈夫ですよ、圭君なら」

「はい。ありがとうございます」


 今の圭君はやる気に満ち溢れている感じですし、絶対に大丈夫だと思います。

 それにしても、圭君のやりたい事は何でしょうか?

 生物系って事はやっぱり、実家の農家のためでしょうか?

 私も生物分野の事は、動物に化けたりするのも多いので、余計に知りたいですからね。

 圭君と一緒に、私も学んでいきましょう。


 この日から圭君の生物分野への猛勉強が始まりましたね。

 圭君は毎日生物の勉強ばかりしています。

 参考書とかも増えて、私も学ぶことが多いです。

 まだ決まった訳じゃないかもしれませんが、夢や目標ができるってやっぱり素敵なことですよね!

 私は全力で応援しますよ!


 私が圭君のお家にお邪魔して、お昼ごはんをもらって、お菓子を作らせてもらって、一緒にお勉強……平和ですねー。

 最近は特に大きな事件も起きず、そういう平和な日々が続いています。

 ずっとこうやって過ごしていきたいですけど、そうもいきませんね。


 圭君が大学に通うようになったら、私は圭君のお昼ごはんを食べれなくなりますし、そもそも勉強を教える必要性がなくなります。

 まぁ、元よりそんなに教えれてはいないのですが……

 圭君の家にお邪魔するのも迷惑になって来るかも知れません。


 これから先をどうするのかを、圭君と相談した方がいいかも知れませんね。

 でも今は猛勉強中の圭君の邪魔になると思いますし、大学に受かってからでも遅くはないでしょう。

 もう会うのはやめましょうって話になるかもしれませんし、そうなったら…………寂しい……ですからね……


 と、そんなこれからの事を考えてたら、なんか胸が変に苦しい感じです。

 平和続きだったので疲れてはいないはずですが、何でしょうか?

 少し落ち着きましょうか。

 最近来ていなかったいつもの御神木で、少し休憩です。


「おお、ハルちゃん。よくきたの」


 私もそんなによく御神木に来るわけではないので、神様と会うのは、前に圭君と一緒にお供えに来たとき以来です。


「お久しぶりですね。変わりないですか?」

「この間、あの人の子が焼きトウモロコシをお供えしてくれたよ」

「そうでしたかー。それは良かったです」


 実家から野菜が届いたって言ってましたからね。

 お手紙も一緒に届いたそうで、圭君も嬉しそうでした。


「夜くらいに来てくれたんじゃがの、あんなに遅く出歩いてて、大丈夫か?」

「多分、バイトに行く前によってくれてるんじゃないですかね? 大丈夫だと思いますけど……夜は山道も少し危ないですからね」

「そうじゃの……」


 一応神社までの道はちゃんと舗装されていますが、夜は明かりも少なくて危ないですからね。

 圭君にも夜にお供えに行くのは危ないと、伝えておきましょうか。


「そういえば、前に聞いた走っていた人ってどうですか?」

「あー、あの男はあれから毎日来るよ」

「毎日ですか?」

「この山をジョギングコースにしたみたいじゃな。丁度昼過ぎくらいの時間に毎日走って帰っていくの」

「そうですか」


 ではやはり、あの日からジョギングを始めようとしたら、私達がいたから気になっていただけの人のようですね。

 特に気にしなくても良さそうです。


「あー、あとハルちゃん。少し前になるんだがの、ミオちゃんが来たぞ。ハルちゃんも会ったかの?」

「えっ? ミオがですか?」


 ミオ、こっちに来てたんですね。

 というか神様って、ミオと知り合いだったんですね。

 私に会いに来てくれてないということは、余程忙しかったんでしょうか?

 大丈夫ですかね?


「ハルちゃんのこと、心配しとったよ。あの人の子は、元々記憶を消す予定だったらしいじゃないか」

「そう、ですね……」


 今まさにミオの心配をしたところだったのですが、まさか私が心配されていたとは……

 圭君の事に気づいたから来てくれたんでしょうか?

 確かにミオには、自分で蒔いた種は自分で解決するって言いましたからね。

 ミオからしたら記憶を消してなくて大丈夫なのかって、心配ですよね。


「ハルちゃん、後悔はしんようにな」

「はい」


 これからの圭君との事をどうするのかとか、自分でも考えてはいたんですが、ミオや神様にまで心配されてしまいました。

 圭君は記憶を消さなくても大丈夫ですが、だからといってずっとこのままで迷惑をかける訳にもいきません……

 本当にどうするのか、ちゃんと考えておかないといけませんね……


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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