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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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危機感

ハルさん視点です。

 圭君の作ってきてくれたサンドイッチ、とても美味しかったです。

 私は今日のご飯の事なんて何も考えていませんでしたが、お腹空いてましたし、やっぱりご飯を食べる習慣になってるみたいです。

 ちゃんと自分でもご飯の事も考えて行動しないといけませんね。


 さて、これからどうしましょうか?

 もしかしたら、またさっきの人に追われるかもしれませんからね。

 安全も考慮して、圭君をお家までちゃんと送りたいですけど……

 とりあえずは御神木からさっきのあの人を探して、あの人がいなくなってから帰るというのが1番いいですかね?


「ん? これは……」

「おや、久しぶりだね」


 この感覚は、歪みですね……

 最近あまり歪みも発生してなかったので久しぶりです。

 これからどうするのかとか、色々考えてたんですけどね……


「圭君、ごめんなさい。仕事に行かなければいけなくなりました。ここの道を真っ直ぐ下って行けば帰れますから」

「あ、はい。分かりました」


 まさか、こんな時に仕事になるとは……

 それも歪みの発生ですからね。

 大きさも分かりませんし、どれぐらいで片付けれるかも分からないので、今日はもう圭君に会えそうにないですね。


「帰り送れなくて申し訳ないです」

「いえ、大丈夫です。ハルさんもお気を付けて」

「はい。では、また明日」


 私は鳥に化けて、飛びます。

 大きめのスピードもかなり速い鳥に化けたので、歪みの発生した場所へひとっ飛びです。

 歪みは放っておくとバランスを壊していくので、早急に対処しなくてはいけませんからね。


 圭君には申し訳なかったですね……

 送れなくなってしまいましたし、ちゃんと帰れるといいのですが……

 結界は迷うことないと思いますが、あの追ってきていた人がまだいたら……

 何か私達に危害を加えようとしていた訳ではないと思いますが、私も圭君も追われる理由に心当たりがありませんからね。


 と、歪みの場所へ到着です。

 早く来れたので、歪みもまだそんなに大きくなっておらず、簡単に正常に戻せました。

 思ったより全然早く片付いてしまいましたね。

 近場で良かったです。


 圭君は無事に帰れたでしょうか?

 これなら、全然圭君に待ってもらっていても大丈夫でしたね。

 さっきの山の方まで戻って、上空から圭君を探します。

 神社の入り口の所で、圭君を発見しました。

 誰かとお話しているみたいです。


 あれは、お祭りの時にも話しかけてきた刑事さんですね。

 確か、石黒さん? でしたっけ?

 まさか、まだ圭君を探っているんでしょうか?

 んー? さすがにそんなことないですよね。


 あれから何度か警察には通報もしてますが、一切圭君は関わっていませんし……

 流石にもう無関係だと思ってもらえたはずです。


 少し様子を見ていたら、石黒さんより歳上の刑事さんらしき人が来て、圭君と少し話をしたあと石黒さんを連れていきました。

 圭君が連れて行かれたりとかじゃなかったですし、たまたま会ったから話していただけみたいです。

 圭君も家の方へ帰って行きました。

 圭君を追う人も見当たりません。


 ついでなので、さっき私達を追ってきていた人を探してみます。

 あ、発見しました。

 神様へお供えのできる台座の所で、石碑を読んでいるみたいです。

 石碑を読み終えると、携帯を確認してから、そのまま山頂の方へ走って登って行きました。

 やっぱりまだ、私達を探しているんでしょうか?


 山頂の方までの道を走って、また帰ってきました。

 もう一度石碑のところまで来て、体を伸ばしたりしていますね。

 少ししたらまた、山頂の方へ走って行きました。

 何をしているんでしょうか?


 動きやすそうな服を着ているみたいですし、もしかしてさっきも運動するために走っていただけですかね?

 もし私達の事を探しているのだとしたら、普通もっとキョロキョロするはずですし……

 ただ走って運動しているだけに見えます。

 さっきは私達の方をずっと見ていましたが、あれはたまたま運動コースが一緒だっただけとかなんでしょうか?


 神様に聞いてみましょう。

 本当に運動コースが一緒だったのなら、普段からここに来てるはずですし、神様なら知ってるかもしれませんからね。


「おかえり、お疲れ様じゃの」

「まだ小さな歪みだったので、全然大丈夫でした」

「そうか、それは良かったの。こんなに早く片付くなら、人の子を帰さん方が良かったかの?」

「え? 何故です? 圭君も無事に帰れたみたいなので良かったですよ?」

「いや、ハルちゃんと一緒に帰った方が良かったかとな……」

「いえいえ、むしろ一緒じゃない方が多分良かったので、丁度いいです」

「そうか?」


 一緒に帰っていたら、石黒さんに私もまた会うことになっていたと思いますし。

 私はあまり人の記憶に残っていい存在でもないですからね。

 それに、あの運動の人も本当に運動してたのか分からないので、私と一緒だったら追って来てたかも知れないですから……


「神様。あの、あそこで走ってる人ってよく来ます?」

「ん? いやー? 見たことない顔じゃな」

「そうですか」


 んー、神様も知りませんか……

 普段からここで運動してる人ではないみたいですね。

 やっぱり分かりませんし、顔を覚えおきましょう。

 また何かあったら調べてみる事にします。


 そういえば今回は久しぶりの歪みだったので、報告にも行っておいた方が良さそうですね。

 ついでに最近作ったお菓子も持っていきましょう。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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