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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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違う行動

圭君視点です。

 今日もいつも通り、正午に目覚ましで起きる。

 起きたら最初にベランダの戸は半分くらい開け、網戸をする。

 するとすぐに鳥が1羽、飛んできた。


「おはようございます、圭君」

「おはようございます。本当に早く来てくれたんですね。ありがとうございます」


 いつもなら、昼食を作り終わった位の時間に来るハルさんは、今日はすぐに来てくれた。

 今日の昼食はハルさんに作ってもらうと、約束していたからだろう。

 僕はついに、ハルさんに自分で自分の昼食を作ってもらう事に成功した。

 ここを起点に、次はお菓子以外の料理への興味を持ってくれるといいんだけど……


 ハルさんは早速ケークサレを作ってくれてる。

 やっぱり覚えは早いし、全然一緒に作る必要は無さそうだ。

 僕は、どうしようか? 起きていきなり勉強する気にはならないし、何しよう……

 いつもやってる事をやらないっていうのは変な感じだ。


 ふと、今回送ってもらった野菜を見たら、トウモロコシが多い事に気がついた。

 ハルさん、ケークサレにトウモロコシも使うかな?

 それでも多いな、何に使おうかな?

 コーンスープでも作るか。


 そういえば神社の土地神様、トウモロコシが好物って言ってたな……

 焼きトウモロコシ作って持って行ったら喜んでくれるかな?


「あの、ハルさん」

「はい?」

「土地神様に焼きトウモロコシを渡したいんですが、どうやって渡せばいいですか?」


 勝手に神社に、焼きトウモロコシを置いてくる訳にもいかないし……

 前にハルさんに連れていってもらった、土地神様の本体の御神木の所は確か、結界が張ってあるから普通の人は入れないって言ってたし……


「そうですね……普通にお供えするなら神社の裏の台座に置けばいいんですが……」

「神社の裏の台座?」


 あの神社に行ったのはこの間のお祭りが初めてなので、台座があるかとかも何も知らなかった。


「一緒に行きますか?」

「ハルさんの都合が悪くなければ、お願いします」

「全然大丈夫ですよ」


 僕が下手に行って、勝手な事をしてくるより、ハルさんに案内してもらった方がいい。


「明日でもいいですか?」

「はい。よろしくお願いします」

「じゃあ、明日は現地集合ということで、ここに寄らずにいきますね」

「分かりました。ありがとうございます」


 前にお祭りに行った時と同じ場所で、待ち合わせをする事になった。


 その後はハルさんの作ってくれたケークサレを昼食として、僕が作っておいたシュークリームをデザートとして食べた。


「ちなみにハルさん、シュークリームは知ってました?」

「はい。食べた事もあります。でも圭君の作ってくれたコレの方が美味しいです」


 凄く無邪気に笑いながら、誉めてくれる……

 嬉しさとか、何か色々混ざって……

 とにかく話を変えよう。


「シュークリームの"シュー"って、"キャベツ"って意味なんですよ」

「そうなんですか! でもキャベツは入ってないですよね?」


 ハルさんは凄く驚いた感じでシュークリームを見てる。

 キャベツという言葉に対する反応が早い。

 やっぱり凄く好きなんだな。


「入ってないですよ。名前の由来は、見た目がキャベツみたいだったからだと思いますよ」

「相変わらず圭君は物知りですね」


 そんな他愛ない会話もして、ハルさんは帰って行った。

 僕もバイトに行く。


 ハルさんはいつも僕の事を誉めてくれる。

 でも怒る時はちゃんと怒って、応援もしてくれる。

 よく分からない人だけど、とても素敵な人だ。


 そういえば、外でハルさんと会うのはお祭りの時以来だな。

 ハルさんはまた黒髪で来るのかな?

 そういう普段と違うハルさんや、僕のまだ知らないハルさんを、これからも知っていけるといいんだけど……


 そんな事を考えていたら、店長に話しかけられた。


「何か今日も楽しそうだね。いい事でもあった? それとも明日いい事があるのかな?」

「いい事というか……えっと、明日? あ、今日か……ちょっと約束があって」


 いつもバイト中に日付をまたぐので、"今日"とか"明日"とかよく分かんなくなる。

 今は午前1時だから、ハルさんとの約束あるのは今日かな。


「そう。楽しんでおいでね」

「はい、ありがとうございます」


 バイトも終わり、家に帰って寝る。

 そしてまた、いつものように起きる。


 今日は神様に焼きトウモロコシを渡すため、ハルさんとは現地集合の約束になっている。

 だから家にはハルさんは来ない。

 ベランダの戸も開ける必要がない。


 起きたら1番にベランダの戸を開けるのが、僕の日課になっていたから、今日はそれをやらないので変な感じがする。

 昨日も、自分で昼食を作らなかったのが変な感じだった。

 僕は多分、いつもほぼ同じ事ばかり繰り返しているから、変化になれていないのかもしれない……


 今までずっと、代わり映えのしない日々を過ごしていたって事なんだろうな……

 いや、今そんな事考えてもしょうがないし、これからもっと新しい事とかに挑戦していけばいいか。

 ハルさんのお陰でなのか、結構前向きな発想もできるようになった気がする。


 そういえばハルさんが今日はここに来ないって事は、ご飯をちゃんと食べないんじゃないか?

 サンドイッチもついでに作って持っていこう。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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