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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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日常の変化

圭君視点です。

 お祭りも終わったので、ハルさんと別れバイトに向かう。

 振り返ってみると、色々あったな。

 神様とも知り合いになってしまったし、御神木で花火観賞なんて……


 何より、改めてハルさんの凄さも実感してしまった。

 ハルさんの事を、今まで以上に知ることが出来た気がして嬉しかったけど、今まで以上に知らなすぎた事も実感した。

 僕は本当に、ハルさんの事を何も知らない……


「あ、瑞樹君。今日もよろしくね」

「はい、よろしくお願いします」


 色々考えてる間に、バイト先についていた。


「お祭りは行ってきた?」

「はい、花火も綺麗で楽しかったです」

「そっかそっか、よかったよ」


 店長がお祭りを教えてくれたお陰で本当に楽しかった。

 あれ? でも店長はお祭り……行ってないのかな?


「店長は行く時間ありませんでした?」

「そうだね。でも前にも見たことあるから……ほら、終わりに凄いのあったでしょ? 花火の火の粉がブァーってなるやつ」

「あ、ナイアガラですか?」

「そうそう、あれがこの祭りの有名なやつなんだよ。瑞樹君花火詳しいんだね」

「いえ、僕も今日一緒に行った……ゆ、友人に教えてもらったんですよ」

「楽しめたみたいでよかったよ」

「……ありがとうございます」


 そうか、店長はやっぱり忙しいよな……

 店長がオススメしてくれたお祭りなんだし、なにかお礼ができればよかったけど……

 折角花火をあんな絶景から見たんだし、動画とかとればよかった。

 あ、でもそれはハルさんが困るか……


「そういえば瑞樹君、シフトの事なんだけど……」

「えっ、はい。シフトですか?」


 急にシフトの話をされた。

 お祭りに店長が行ってないのを、僕が気にしているから、話を変えてくれたんだろう。

 本当にお世話になりっぱなしだ。


「この日、お昼の2時間だけ入ってもらうってできるかな?」

「お昼ですか? 僕、昼は入ったことないので……ご迷惑では?」


 このコンビニの夜勤は大体僕と店長だけ。

 僕が休みの日は誰か代わりが入ってるみたいだけど、会ったことはない。

 夜勤で店長が休みの時はマネージャーが来てくれる。

 マネージャーはお昼とか、店長のいない時間の責任者をやっている人だ。

 2時間だけとはいえお昼ははいったことないし、マネージャーだけが知り合いだし、少し不安だ……


「迷惑なわけないよ。どうしてもこの2時間だけ人がいなくてね。確かに昼だと少し仕事内容は違うかもだし、会ったことない人も一緒になるけど……レジとかだけでも大丈夫だから」

「はぁ、そういうことでしたら……頑張ってみますね」

「この日の夜勤は2時間早く帰っていいからね」

「はい、ありがとうございます」


 少し不安はあるけど、折角店長に頼ってもらったんだし頑張ろう。


 昼勤を頼まれたりと、いつもと少し違ったりもしたけど、バイトも終わり家に帰ってきた。

 それにしても、今日は本当に濃い1日だった。

 ……日付変わってるから厳密に言えば今日ではないけど。


 お祭りも楽しんで、バイトもいつも通りに行ったからな。

 そんなに疲れてないと自分では思ってたけど、結構疲れていたみたいで、お風呂でも少し寝そうになってしまった。

 ハルさんもちゃんと休めてるといいんだけど……

 布団に入ったらすぐに寝てしまった。


 正午にいつも通り目が覚める。

 ちゃんと目覚ましで起きれてよかった。

 起きたら最初にベランダを網戸にして昼食を作る。

 今日も昼食を作り終えたくらいのタイミングで、鳥が1羽入ってきてくれた。

 いつも通りに来てくれてよかった。


「おはようございます、圭君」

「おはようございますハルさん、今日は回鍋肉作ってみました」

「おぉっ! 美味しそうですね!」

「初めて作ったので、ちょっと自信は無いですが……」


 一応毎日キャベツを料理に入れるようにしてるけど、レパートリーもなくなってきた。

 折角なので僕も作ったことないものにも挑戦してみようと、回鍋肉を作ってみた。


「圭君? 無理にキャベツ入れようとしなくてもいいんですよ?」

「えっ? 無理には入れてないですよ。あ、でもそんなにいらないですか?」

「いえいえ、キャベツは好きですから嬉しいんですが、いつも入ってるので……その、私野菜は何でも好きですから! 圭君の無理のない範囲でお願いします」

「全然無理してないです。回鍋肉は作ったこと無かったので、作ってみたかったんです。ハルさんが一緒に食べて下さるのが嬉しいですし、料理のレパートリーも増やせてるので、僕も楽しいですよ」

「それならいいんですが」


 さすがに毎日キャベツ入れてたからな。

 ハルさんも、僕があえてキャベツの入ってる料理を作ってる事に、気がついていたみたいだ。


 まぁでも、ハルさんは変に遠慮する人だし、ご飯は要らないって断ってくるから、今までは好物のキャベツでご飯を食べてくれるように誘ってる感じだったけど……

 さっきの野菜は何でも好きだから、キャベツを無理に入れなくていいっていうのは、キャベツ無しの料理も食べてくれるって事だよな?

 ハルさんも食事の大切さを分かってくれたのかな?


「すごく美味しいですよ!」

「それは良かったです。味付けとか結構適当だったので」


 回鍋肉を食べながら、ハルさんは美味しいと言ってくれた。

 適当に作ったけど、ハルさんが喜んでくれたようで良かった。

 豆板醤とか甜麺醤とか、普段あまり使わないような調味料も増えたし……

 明日は麻婆豆腐にでもしようかな?


「ハルさんって、辛いのは大丈夫な方ですか?」

「滅茶苦茶激辛じゃなければ大丈夫ですよ」

「じゃあ明日は麻婆豆腐に挑戦してみますね」

「はい、楽しみにしてますね」


 キャベツ麻婆でもいいけど、楽しみにしてるって言ってくれたし、明日はキャベツ無しの麻婆茄子にすることにしよう。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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