性格
圭君視点です。
ハルさんに世界の核の場所を聞くと、今いるここだと言われた。
「あの、この御神木が核って事ですか? それだと土地神様が核って事ですよね?」
「そうじゃ~、儂が核じゃ~!」
土地神様はとても楽しそうに、笑顔でそう仰った。
この世界の核が土地神様……それはとても凄いことだと思うけど、核は世界の穢れや淀みを溜めてるんじゃなかったか……?
「だ、大丈夫なんですか?」
「ん? 何がじゃ?」
「世界の穢れとかを溜めてて……」
「おぉ! やっぱり圭君は流石じゃの! 一番に気にする事がそれとは」
「圭君は優しいですからね」
「そうじゃな」
「あの……?」
僕は土地神様の体調を心配すると、土地神様は驚かれた。
でもすぐに優しく笑って下さった。
ハルさんもそんな様子をみながら微笑んでいるので、土地神様は本当に大丈夫なんだろう……と、僕が思っていると、
「すまんの、圭君。嘘じゃ!」
と、土地神様は謝ってこられた。
「……嘘? 嘘っていうのは何がですか? 土地神様は核じゃないって事ですか?」
「そうじゃ。すまんの、ちょっとした、ユーモラスじゃ。圭君がおぉ! と驚くかと思うて言うてみたが、まさか儂を心配するとは思っとらんなんだ。儂の方がおぉ! となってしもうたな」
謝ってくれているけど、どこか楽しそうな土地神様。
思いっきり"和"って感じの格好をしているのに、ユーモラスとか似合わない言葉も使って下さる。
本当に話しやすいし、話をしていて楽しい神様だ。
「そういう所が圭君の凄いところですよね」
「ハルちゃん、惚気か?」
「い、いえ……」
土地神様にからかわれて、顔が真っ赤になっているハルさん。
僕もそれなりに恥ずかしい……
「……こほん、えっと、話を戻しますが、ここは世界の核ですが、土地神様が核だと言うわけではありません」
「そうなんですね、よかったです」
「この土地神様の下に位置する場所に核があるんですよ」
「下に? 土の中ですか?」
「そんな感じです。といっても、核というのは見えるものではありません。大きなエネルギーの集合体のようなものです。少しでも何かに影響されると一気に淀んでしまうので、何にも干渉されないように、常に結界で守られています」
「結界……」
この御神木のある場所は結界で守られていて、普通の人は入って来られない場所だ。
それに、前に土地神様から、結界があるのはここだけだという話も聞いた。
つまりここに結界があるのは、御神木だからあるのではなくて、核を守るために結界があるって事だろうか?
「そうですよ! 圭君のお察しの通りです!」
「え?」
「ここの結界は、この世界の核を守るために存在している結界です!」
僕が少し悩んでいたら、ハルさんは笑顔でそう言ってくれた。
でも、どうして僕の考えていることが分かったんだろう?
もしかして、ハルさんも……
「あの、ハルさんもミオさんみたいに、心が読めるんですか?」
「えっ! ミオはそんな事まで話していったんですか?」
「あ、はい。僕がハルさんといていいかを見極めるために、僕の心を読んでいたと仰ってましたよ?」
「それはそれは……あの子がそんな事まで話すなんて……」
「ハルさん?」
「あぁ、すみません……ちょっとやきもちをやいていただけです。気にしないで下さいね!」
「それはそれで気になるんですが……」
でも気にしないでおいてあげよう。
凄く照れてるみたいだし、自分からやきもきをやいたなんて言ってくれて、凄く可愛いし……
「でも、ハルさんも心を読めたんですね」
それだったら、僕の心を常に読んでくれていてかまわないのに……と思っていたら、
「いえ、読めませんよ?」
と、ハルさんは否定した。
「え? 読めないんですか?」
「はい。私に人の心を読む力はありません」
「じゃあ、さっきのはどうして僕の考えていた事が分かったんですか?」
「ふふっ、圭君ならそれくらいすぐに分かるだろうなぁ~と、思って言っただけですよ。本当に合っていたみたいでよかったです!」
笑顔でとても楽しそうなハルさん。
これはつまり、ハルさんは僕の事をよく分かってくれているって事だ。
それが凄く嬉しい……
「お似合いじゃの~」
「「ありがとうございます」」
「息ピッタリじゃ!」
土地神様にからかわれて、ハルさんと顔を見合わせると、恥ずかしいような、くすぐったいような感じがして、どちらからともなく、笑みがこぼれた。
読んでいただきありがとうございます(*^^*)




