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神秘の森 九話 食料調達

-- side you --


 なんで俺の髪の毛がピンクなんだ?

 しかも、髪が超長くなってるし、手にとって見てもピンクだし、重いし首が疲れるし、肩が凝るし、ピンクだし。


 マイの洗濯魔法ってやつのせいか?うーん。わからん。


 でも、洗濯魔法の後からちょっと気分が良くなったんだよね。

 なんていうか、血液が足りてる感じ。まぁその前が血が足りなくてフラフラだったからそう感じるだけかもしれないけど。今はあんまりフラフラしない。

 頭の傷も完治してるみたいだし、身体的には問題は感じない。髪を除いてね。


 あとセーラー服が大きくなった感じがするな。魔法で服が伸びたとか?

 腕まくりでもしないと、手が上着の袖からでないくらいでかい。

 今の服はそれはもう新品同様で、むしろ新品独特のゴワゴワ感さえしてる。でも匂いはフローラルな香りで嫌いじゃない。

 まぁ新しくなる分には問題ないよね。


 『グー』


 お腹の虫が泣き出した。食料とかどうしよう?相談してみるか。


「何か食べる物とか持ってない?」




-- side my --


 髪の色に気を取られすぎて、気が付くのが遅くなったけど。ジリジリと違和感を感じてきた。


 それはユウの身長。そう、明らかに縮んでいる。


 セーラー服とかブカブカだし。袖から手がでてないし。スカートがずり落ちないのが不思議なくらい。

 これは洗濯魔法の副作用かな?

 私ほどの魔法少女になると、洗濯魔法でさえ因果の輪廻が混沌と乱舞するのかも。仕方ないよね。


 まぁ本人は気付いてないみたいだし、とりあえず放置でいいかな。

 顔色も良くなってきてるし・・・。身長が縮んだ分、血が足りてきたのかも?



「何か食べる物とか持ってない?」

「ボクは無いかな。」

「アタシも持ってないよ。」


 やっぱり気付いてない。フフフ。


「仕方ないか」

 ウイ兄が黒い物体、そうイノシシの焼死体を見つめる。


「え?あれを食べるの?」

 流石に死体を食べたいと思えるほどのワイルド性は、アタシは持ち合わせてはいない。


「大きいから食べ応えはありそうだよ?」

「まぁ、大きさだけなら何日でも持ちそうだよね。」

 男子二人には既に食料に見えてるようだ。まぁ真っ黒だしね。


「でも血抜きとかするものじゃないの?」

「あ、なんか聞いたことあるね。」

「なんだっけ、血が固まって美味しくなくなるんだっけ?」


「じゃぁ急いでやった方がいいんじゃない?」

「だね」

「まかせた」




 沈黙が支配する。


「誰が?」

「剣を持ってる人じゃない?」

「よろしく」


 そうか、そこでそうなるのか。正直近寄りたくない。自分で倒したイノシシだけど、今にも起き上がりそうで怖いよね。


「どうやるんだろう?」

 動物から血を抜く方法なんて、学校で習わないよね。


「たぶん、首をちょんぱするんじゃないかな?」

 まじかー無理無理絶対無理。


「ユウ代わって・・・この槍、貸すから。」

「仕方ないな。」

 槍をユウに手渡す。

『ドンッ』

 ユウが槍を落としやがった。アタシの大事な槍を。


「この剣ちょっと重すぎじゃない?よくそんなもの持てるな。」

 ユウが弱音を吐くとは。あぁユウの身長は縮んでるし、その分力も弱くなってるのかも。

 悔しそうなユウ。手首を振ってる。


「じゃぁボクがしようか?」

「任せた」


 軽々と槍を持ち上げるウイ兄。流石は長兄。頼もしい。

「じゃぁ、二人は薪になりそうな木を集めて来てよ。」


 そう言い残すと、ウイ兄はイノシシの前までいくと、思いっきり首に槍を突き刺した。

 吹っ飛ぶイノシシの頭。飛び散るなんやかんや。


「こんな感じかな?」

「判らないけど、いいんじゃないかな・・・」


 イノシシの頭のあった場所から血が噴出し落ちる。結構いっぱいでるんだね。あたり一面真っ赤になっていく。ちょっと川に流れ込んでいった。


「血は穴を掘って埋めたほうがいいんじゃない?」


「今更だけど、そんな感じがするね・・・」

 ウイ兄が槍で地面を掘り出した。アタシの槍が壊れないかな?


「あの血を飲んだら俺の血が増えないかな?」

 ユウが吸血鬼みたいな事を言い出した。


「流石に猪の血じゃ無理なんじゃない?でも馬か鹿なら大丈夫かも。」

「なら馬か鹿ならよかったのに・・・」

 真に受けたユウが本当にちょっと悔しそう。



 燃えそうな薪になりそうな物は結構あった。

 異様にでっかい枯れた葉っぱとか、枯れた木の枝とか。


 薪を拾って戻ってくると、ステーキサイズになったイノシシの肉があった。但しかなり厚切り。


「で、どうやって焼けば良いかな?フライパンとか無いよね?」

「ないね。」

「魔法で焼いてみる?」

 ウイ兄がまた魔法を勧めてきた。

 失敗の予感しかしないよね。


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