海賊王
さて、今日は何しようかな。
ミニクトゥルーの様子を見てみようか。
お、今まさに開戦だな。
「我が名はマーリン。孤独なる海の海賊団の船長也」
強キャラ臭が凄い。
「もはや我にさすらう意味などなし、我は殺戮の限りを尽くす!!」
青いオーラが噴き出し、美麗な顔は深い皺が刻まれていく。
「我が真実の姿にて挑戦者を敗るそれだけが我の使命」
その細い体からは信じられない速度で船に直進。
それを、マーメイドクイーンは海の障壁という海を操る技で阻む。
その壁のようになった海をそのままの速度で突破する。
「そのような小技効かぬ」
マーメイドクイーンは槍を持ち、連続で突きを繰り出す。
それを全てヒラリと同じ距離で躱す。
「そのような技で仲間を守ろうとは笑止!!」
そう言って、手刀で突きを連打する。それをギリギリのところで槍でさばいていく。
その間に呪術と洗脳をかける。
これがマーメイドクイーンの得意技、夢幻地獄。
暫くすると、相手の技が空を切るようになる。
そしてこちらの技がヒットし始める。
「なるほど、面白い!!」
そういうと、ナイフを取り出しその短刀で連続して斬りつける。
その間に相手はバンダナをかきあげ、目を露わにする。
海のように深い青だ。
槍がどんどん削られていき、最後には大破する。
「なるほど…貴様こそが…新しき海の王者にふさわし…い…」
ドタッと倒れる。
これは催眠術か。おそらく、無詠唱なのだろう相手はすぐに立ち上がり、こう言った。
「貴様の海賊団に私を入れてはくれないか?私は千年の間仲間を探し求めていた。そのうちに最強の海賊になっていた」
「もちろん!私の仲間にも合わせてあげたいわ。だって貴方、全力じゃないでしょう?」
「バレていたか…。魔力ゼロ、スキル全てオフの状態で私に勝てるものを選別していた」
「それでも、世界中の海賊は私に勝てなかった」
「ようやく、旅が始まるんだな」
そう、マーリンがいい終わった後マーメイドクイーンの体が光り始める。
足が生え、その容姿は洗練されていく。
美しい姿となった彼女の元には、イカリのようなものが降って来た。
Z級の魔物。人魚姫。
え?和訳じゃないかって?気にすんな。
そのイカリには、俺の杖を同じ効果があるようで、船が巨大化を始める。その船の上には大きな水槽、そして一面の花畑。
その中を人魚姫は歩いていく。
「これが地上!!これが…」
感動で彼女は涙を浮かべる。
良かったなぁ…。