日常の終わり
今日は、一日暇だなぁ…。
ローマニーさんの家に遊びに行くか…と、予定はそれぐらいか。
学校で算学の授業中正直内容が簡単すぎるので窓辺を見ていると貴族連中が押しかけて来た。
「突然だが、AクラスとSクラスの全学年を賭けた武道大会を実施する!!武器の使用はなんでもありでの勝負だ!!」
「もちろん、パステリオス権限でこの命令は無視できない!!負ければお前たちは我々の下という事を認め我々にケチをつけるな!お前たちが勝った場合はこれまで通りだ!!」
なんという理不尽。
「受けて立とうメンバーは何人だ?クラス全員で勝負するのか?」
「いいや、選抜一名のみだしかし、そちらの一名はアルジお前だ」
「いいよ、さっさと終わらせようか授業の邪魔だし」
そして、闘技場へ行くとそこには十体ほどのレッサードラゴンと、一人の貴族の坊ちゃんがなんか機械っぽいのに乗ってる。
「やぁ!!我こそはジーブ・カッテナー、このドラゴン達は私の武器だ」
「正々堂々勝負しようか」
「武器はなんでもありって言っただろ?」
Sクラスの貴族どもがニヤニヤとワンサイドショーを見る下賤な観客の顔をする。
そして、開始の合図と共にレッサードラゴン十体ほどが一斉に襲いかかる。
俺は前方へ手をかざす。
勝負は一瞬だった。闘技場が石の槍へと変化し、全てを貫いた。
辺りに鮮血が飛び散り、観客を赤く染める。
狂乱するもの、怒るもの、様々だった。
「こんな日々も悪くないと思ったけど、もう面倒なんだよね」
俺は、その場にローマニーがいる事を確認すると、元の姿へ戻る。
「我は世界を征服せしものなり、貴様らは精々束の間の平穏な日々を暮らすのだな」
触手でローマニーを掴み、海を解放して、俺は透明化をかけた。
その場はパニックに陥ったが、認識阻害の大規模魔法をかけて全てを忘れさせた。Sクラス以外な。
そして、俺は突然降り始めた雨の中を駆け抜けた。
ローマニーが触手を振りほどこうとするが、鉄柱を軽々へし折れる触手の拘束から逃げられるはずもない。
しばらくすると諦めた。
そして、俺は条件をまた一つ満たした。
その瞬間、体に異変が現れると共に、今まで聞いたこともない声でメッセージが奏でられる。
「おめでとうございます、あなたは海洋の魔王となりました。これからは、世界を滅ぼすもよし、世界征服を目論むもよし、適当に人間をおちょくるのも良しです」
俺の体は変化を始めた。イカの部分から下に、胴体ができ始め全身は鱗の鎧が纏われる。悪魔のような羽が生え杖のような物が空間から放出される。
洞窟はなぜか巨大化を始め、設計図をかなり超えた都市として完成されて行く。その都市の中心部にはそびえ立つ恐ろしいまでの気迫を放つ城。
そして、俺はついに到達した。
進化終了、最終形態。
狂乱の邪神クトゥルー。ランクはもちろんZ。
そんな事より、この杖面白いんだー。
魔物が自分の魔力で雇える。海レベルの魔物だったら俺の魔力の一万分の一ぐらい使う。
Sランクは総じてそれぐらい。
Zランクのは雇えるの少ないけど百分の一くらい喰うな。毎月持ってかれるの辛いな。
一日で回復するけど。
ちなみに、キングフィッシャーは雇うと千分の一ぐらいの価値はあるみたい。
Aランクだよね、君。
とりあえず雇えるやつで使えそうなやつ雇ってみるか…こんだけでかい国は経営がめんどくさそうだから頭良さそうなやつ…こいつとかどうだろう。
ボン!という音と共に召喚される。
「うむ…?我を呼ぶものは誰だ」
「私ですが」
こちらの姿を見ると、すぐに跪いて忠誠を誓う。
「自己紹介させて頂きます。私は魔王ラスト。世界の終焉を目論み、日課国を滅ぼしておりましたが、一向に滅ばず最近は国の繁栄にばかり力を入れておりました」
うん、ぴったしじゃないか。
「君を、国の参謀として迎え入れる。とりあえずは経理とか頑張ってね軍事とかは私やるから」
「ハッ!!!!」
よーし、後はそうだな。うちに足りないものといえばなんでしょうか?
圧倒的なパワー?いや、人間界滅ぼす程度ならもう十分だろ。知力?もう補った。金?まぁ、足りてる。娯楽。そう、娯楽が足りない。
なんか娯楽王みたいなやつ呼ぼうぜ。
って事でそーれ。
「はっ!?ここは!!私のステージじゃないですねぇ」
そう言い、こちらを見て以下省略。
彼の名はピエロ。モンスター界にもただ一匹の存在。
又の名を死の道化師。
彼の技は実に多種多様。追尾ナイフに火の輪を飛ばす事も機動力も素晴らしい。
彼も元は死の雑技団という魔王軍で魔王をしてたらしい。
なんかプロレスっぽい。
彼には娯楽施設の開発に携わってもらう。そういうの私苦手なんだ。
そして、キングフィッシャー彼を遂に最後の進化をする時が来たね。
彼を魔王軍の隊長に指名する。これが進化条件。
すると、彼は進化を終える。
無双の将グランオルカ。
魚じゃないじゃんというツッコミは無しだ。