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第1夜  変速240秒の法則


「変速240秒……変速240秒の法則……」

 イスに腰掛けている彼女が唐突に呟きだした。

 何故こいつが部屋に居て、我が物顔で机を占領しているのか理解に苦しむ。

 確か勉強に疲れて、ちょっと休憩するつもりでベッドに突っ伏して、そして五分だけのつもりで携帯電話のアラームをセットしたところで力尽きた。そして次に気が付いたときにはベッドで横になって彼女を見上げていた。

 ……おや?

 あれ、またか。

 しまった、ここは夢の中だ。

 もう何度目になるか分からないが、こうやって夢の中に居ながらこれが夢だと認識出来てしまうことがある。明晰夢と呼ばれる現象だ。

 人間の適応能力は恐ろしいモノで、これが夢だと認識してしまえば以後どんな奇天烈摩訶不思議奇々怪々な事象が起きても驚かなくなってしまう。全てこの一言で片付けられる――「所詮、夢だ」と。


 額に痛みを感じる。同時に使い古した小指の爪くらいの丸っこい消しゴムが床に転がる。ゆっくりと転がっていった先は、投げた張本人が座っている足元だ。

 黒タイツを被る両足がぶらぶらと遊んでいる。視線を上げると制服に身を包んだ彼女が静かにこちらを睨んでいる。思わず視線を落とすとスカートの方に目がいってしまう。これは仕方のないことだ。紺のスカートと黒タイツに覆われた太股との間に広がる暗闇には無限の可能性が詰まっているのだ。好奇心旺盛で少年の心を忘れない純真無垢な大人になりきれない男子高校生、それが今此処で一点を凝視している男の正体だ。

 ――見えるか、見えないか。

 その瀬戸際を見極めるのが男子高校生と呼ばれる人種、その精密さはひよこ判定士の比ではない。1ピクセル分の点描、1フレーム分にも満たない瞬間に無限の可能性を見いだせるのが我々なのだ。

 まだ名ばかりの就職1年目程度の腕前しかない自分では、その可か不可かの見極めを行うには力不足であると云わざるを得ない。血気盛んな「男子高校生」という名誉だけ与えられたごく一般的な凡人に過ぎない。その半人前が判断するに――これはYesだ!

 よし、イケる、イケる!

 心の中で某ヒロインの物真似をして自分を奮い立たせる。

 気分はサバンナで声を潜めてじっと機を待つハイエナ。狙った獲物は決して外さないのだ。眼前で無防備に曝されている真に暗き空間、まさにそこは暗夜行路……上手いこと云ったつもりか。謝っておこう、偉大なる作家先生ごめんなさい。

 2つの膝小僧から覗ける隙間は曲線と曲線、まさに2つの放物線が描き出す軌跡であり奇蹟とも呼べる。

 コンマ数ミリの調整。上体をずらし、ベストポジションを模索する。

 x,y軸は完璧。後は距離の問題だ。座標は完璧でも遠すぎては何も見えない。加えてスカート、黒タイツ、魅惑のデルタ地帯(またの名を暗黒深部)はいずれも黒に近いため保護色の役割を果たしている。並大抵の眼では各々の黒色の違いすら見分けるのは困難だ。しかし腐っても男子高校生、その程度の違いを判別することなど朝飯前でなければいけない。視力検査と同じだ。ここで見分けが付けば2.0の素晴らしい目利きをしている、その調子で精進すべし。ここからは徐々に近づいていき、対象物までの距離で男子高校生的な視力、男視力を計ることが出来る。

 頭1つ分近づく――ダメだ、何も変わらない。

 もう一歩……もうちょい……あっ、いや……ダメだな、未だ足りないのか。

 両手がベッドから床に移る。おかしいな、思ったよりも男視力が悪いみたいだ。

 これはダメだ、むしろ思いっきり近くから徐々に離していくやり方の方が手っ取り早いかもしれないな。

 うん、そうに違いない。

 そうに違いない。

 ランドルト環と違って近くで見たからといってどうにかなることでもないし。むしろ色覚検査に近いものがある。色覚異常がある人には分かりにくい色で数字が点描されているように、黒と黒の隙間には非常に分かりにくい色で逆三角形状のロマンが描かれているのだろう。いや、きっとそうなのだ。

 馬鹿な、まるで見分けがつかない!自覚がないだけでまさか色覚異常者なのか!?

 これはもっと近くで確認しなければ。まさかこんなところで病気の可能性があることに気付けるなんて、嬉しいやら悲しいやら(もっともこれは夢の中なので、たとえ風景がモノクロであろうが色覚異常では無かったりするが)。

 これは検査してみる必要がありますねー。ほーらもっとよく見せて~、痛くしないから、大丈夫、すぐ終わるって。ちょっと力抜いて足を楽にしてごら――

「ていっ」

 きゃいんっ

 ――尻尾を踏まれた寝起きの野良犬のような声をあげてしまった。

 延髄チョップは脳天に直撃。現実の肉体は恐らく寝返りを打って壁にでも頭をぶつけたのだろう。これでも起きないのなら、今夜はそう簡単には目が覚めないのだろう。



「ちょっともー、ちゃんと話聞いてる?」

 彼女は膨れっ面で真っ直ぐにこちらを見据えて不満をぶつける。その言葉が放つ素直さを表すかのように、彼女は左腕を指先までピンと伸ばして人差し指がこちらの鼻先をかすめる。視線は遮られ、指先を追うように顔を上げる。なかなかご立腹な表情をしていた。

 客観的に今の状況を絵にすると、椅子に座る女性のスカートの中を覗こうと四つん這いで男性が近づいているというもの。まるで舌を出して餌に近づいていく犬のようだ。なるほど先の鳴き声も間違いではなかったのだ。餌に飛びつこうとしたら餌が反撃してきたとなれば情けない声も出るさ、頭の上にクエスチョンマークを浮かべたくもなるさ。

 しかし彼女はスカートの中を覗こうとしたことに対して怒っているのではない。いやそんなわけないだろ、と突っ込みたくなる気持ちは分かるがそれなりに付き合いが長ければ相手の傾向は見えてくる。彼女が何に対して腹を立てているのかというと、人の話を聞かないことに対して怒っているのだ。多分こいつは先ほどまでのスカートを覗こうとする一連の奇特な動作(といっても男子中高生にとっては極めて一般的な行為であり、呼吸を行うのと同じくらい自然な動作であり生きる上で当然の営みである)に何の感情も抱いていないだろう。むしろ彼女にとっては話を聞いているのかどうかが唯一の関心点で、それ以外は二の次どころか三の次四の次、むしろ次があるかどうかも疑わしい。漫画の中ではこんな貞操観念のおかしな人間が出てきてもおかしくないが、実際に存在するとは思えない。夢の中だからこそ許される所業だろう。

 とか何とか云って、実際にパンツ見せてくれるのかというとそうでもない法則。

 ん、そういえば法則がどうとか……気のせいか。

「あーもう、やっとリアの話聞いてくれる気になった?えっとー、、」

 そう、思い出した。というか思い返された。

「ああ~、また語り始めたー。長い、長いよー」

 無視。

 彼女はリアという名前らしい。名前だったのだ。

 語弊があるな、そういう名前だったことは知っているし覚えていた。ただ、それが忘却の彼方に消え去っていたというか、記憶の引き出しの奥底に仕舞われていた。夢の中でしか利用されない情報なので、記憶の利用頻度、優先順位が低かったのだと思われる。

 彼女は夢の中にのみ登場してくる架空の人物だ。なんかこの一文だけ見るとかなり怪しい人間に思われそうで怖い。

 よくよく考えてみると、どうも自分の夢に出てくるヤツらはユメだのレコだのカタカナ二文字の名前ばかりだが、何か法則でもあるのだろうか。おばあちゃんの遺言でカタカナ2文字の人としか仲良くなっちゃいけませんとでも云われたのか自分は。

 何か法則?……気のせいだな。

 そもそもおばあちゃん健在だし。夢の中とはいえ勝手に殺すな。

 誰某の遺言で何々は出来ません、って逃げの常套句であって実際に使われることはない表現ではある。漫画でよくあるが現実では有り得ない展開といえば、と質問すれば「パンくわえた少女と曲がり角でぶつかり、その相手が転校生」と双璧を成すくらいではないか――と、ここまで考えてとんと見当違いな発言をしていることに気付く。

 「遺言なので出来ません」は「明日は槍が降る」と同様ギャグでありネタ発言である。一方「パン食い少女」は一応古典的な王道としての真面目な"設定"を含んだ"展開"である。使い古されて逆にギャグとして用いられるようになっただけに過ぎない。遺言ネタや槍が降るネタは"設定"ではあるが"展開"ではなく、"状況"としての役割しか果たさない。実際にその後の展開として槍が降るわけでもなく、その場限りで通用するネタである。ネタの性質が違う2つを並べて無理矢理共通項を見出し、一纏めにしようとした自分を恥じている。

 冷静に考えればこの設定、かなり無理がある。口に食パンをくわえて家を飛び出したことはあるが、大抵は人に出会う前に全て口の中に運んでしまう。もしくは勢い余って口から零してしまうかの二択だろう。同じ学校に向かうのに曲がり角でぶつかることに関しては目を瞑ろう、可能性としては普通に起こりうることだからな。だが最後、そもそも転校生なら一足先に学校に行って手続き云々を行ったりするものだと思うのだが、クラスメートと同じ時間帯に登校することはおかしい気がする。ぶつかった男側も遅刻寸前で急いでいる設定だと思い起こせば、彼女は転校初日から大遅刻である。本人も親もどんだけ間抜けなんだ。そもそも、前提の中の前提、語ることすら烏滸がましい大前提があったのを忘れていた。――美男美女、であること。この一言を付け加えるだけで確率は天文学的な数字になることだろう。俗称但しイケメンに限る、の法則。

 法則か……どこかで頓珍漢な法則を聞いた覚えがあったが、きっと気のせいに違いない。


 いつの間にかベッドから滑り落ちるかのように四つん這いになってじっと一点を見つめていた男はその場に胡座を掻いて座り込み、腕組みをしながら大きく頷いていた。この男、美男美女なら何でも許されるという世界の不条理に共感せざるを得ないという不条理自身に納得しているのだ。

 先ほどからどうにも主題がずれてしまう。パンがどうとか、イヤ違うな。パンツがどうとか……

「パンでもパンツでもなーいっ!だーかーらー、リアの話を聞きなさいってば!」

 両手で頭を掴み、ぐいと引っ張り無理矢理顔を傾けられる。彼女の両膝がちょうど鎖骨から肩にかけての部分に当てられて、頭は固定され顎が持ち上げられている状態なので視線も自ずと上向きになる。チクショウ、今正面にあるそのスカートはガードががら空きだってのにヨォ!……ッ、痛い痛い、ゴメンなさい話聞くから!聞きますからっ!

「―― 」

 あっそうそう、

「にゃーっ!!!」

 猫みたいな声をあげるなこいつ。……これで最後にしてやるか。

 彼女の話を聞くも聞かないも全ての主導権はこちらにある。夢の中でも会話は双方の間で行われて然るべき物だが、思考はこちらの一方的な行動である。つまりこちらの思惑で会話中に勝手に物思いにふけてしまうことが可能なのだ。途中で会話を遮断して別のことを考えていられる、というのは実に楽しい。具体的にどういうことかは、先ほどからの彼女との掛け合いで推し量れるだろう。


 ところでどうでもいいことを一つ。リアのことをずっと彼女呼ばわりしているが、これは三人称としての女性を表す代名詞であり恋人としての彼女ではないと補足しておく。別にパンツの駆け引きが恋人同士の馴れ合いだとか、そもそも夢の中にのみ登場してくる架空の人物を恋人に見立てて楽しんでいる危険な男子高校生ではないのだ。いやいや、それどころかアイドルと恋人になる夢を見ている男など音楽室の壁の穴ほど存在するのだから、むしろそんな妄想を繰り広げる方が至って健全な男子ではないのか。ヤッベェ自分、夢の中でも紳士を気取るなんて実は精神異常者なんじゃねーの。これはちょっと確かめてみる必要が、って何だこの既視感は。このままでは再び延髄チョップの刑か、そうはいくかよっ。秘儀、"閑話休題"――ってダメだ、むしろ延髄チョップが物語の本筋だ!

 振り下ろされる手刀を真剣白刃取りする予断も許さない。逆「閑話休題」を使うときが来たようだな。

 秘儀"予断で――、じゃない"余談ではあるが"。って、実は結構余裕あるみたいだ。

 ……本当はそれほど余談でもないが。彼女はその容姿や態度、口調などから相当ドSな印象を受けるのだが、実はドレットノート級のマゾ体質でもある。今もこうやって彼女の出番を奪ったり、会話を遮って思考を巡らせることに文句を言いつつも喜んでいる輩である。この変態野郎!と罵ってやりたいのだが言葉責めは彼女の領域であるらしく、むしろそれをこっちがやると怒る。何やら本人の中では決めごとがあるらしく、会話における主導権は彼女が握っている。

 もっとも、そんなことを云われてもリアのことを初めて知った観覧者にはそれが上手く伝わらないと思われる。

 一例を挙げると、病気で寝込んでいる際に献身的な看病をしてくれたとしても、彼女は看病のことをイジメと称する。イジメてたら勝手に快復したと彼女は云う。迷子の子供をイジメて母親の元に送り届ける。口では酷いことをいうが行動は正反対で慈愛に満ちあふれている。それを指摘しても彼女は恥ずかしがるわけでも照れるわけでもなく、ただ冷たく否定するだけだ。照れ隠しなどは一切見せず、なんというか役に徹している。

 逆に彼女を無視したり話の腰を折ったりした方が喜んでノッてくる。要はコイツ、言葉では他人をイジるのが好きなサディストで、態度や行動で他人からイジられるのが好きなマゾヒストというわけだ。その割には突然暴力に訴えてくることがあるのだが、まあそれは彼女なりの愛情表現というか「構って」ということなのだろう。


 いつの間にか文字に起こすと凡そ五千字も無駄に消費してしまったので、そろそろ本題に戻しても良い頃合いだ。

 法則がどうとか云っていたはずだが。

「え……五千?何それ、、、。ま、いっか。えーっと、何だっけ?……ああ、そうそう。法則よ法則。変速240秒の法則。知ってるかどうか訊いてるんだからちゃんと答えなさいよ!」

 問いかけられた覚えは無いのだが。ここで反論しても仕方あるまい、素直に答えておこう。残念ながらそんな法則は聞いたことがない。

「ふっふーん、そうでしょうねっ。これはリアが思い付いた世界で唯一無二の真理なんだから!特別にどんな法則か聞かせてあげても良いわよ。ねぇ、聞きたい?聞きたいでしょ、ねっ。仕方ないわねー、そこまで言われたら教えないわけにはいかないじゃない、口が上手いんだから~」

 口が上手いのはお前だよ。こちとら一言も声を発することなく捲し立てられたぞ。

「240秒が何分かはその空っぽの脳みそでも考えつくでしょ?世の中は全て240秒で作り上げられているのよ!間違いないわ、リアが間違いないって言ったら間違いないわね」

 どこからその自信がわいてくるのか甚だ疑問だ。鼻息荒く腕組みをしながら頓珍漢な自説を唱えた後に急に立ち上がるな、びっくりするだろうが。その指先までピンと真っ直ぐ伸ばした腕は何処を指しているのやら。

 240秒は……四分か。何とも半端な数字だ。

「そうよ、半端な数字!リアが言おうと思ってたのに何で先に言うのよ、ふざけないでよね」

 なぜ怒られたのかとんと見当もつきません。

「例えばよ、カップラーメンは熱湯を入れて何分待つ?3分ね。ウルトラマンのカラータイマーは何分保つ?そう、3分ね。お昼前にやってる某メーカーの料理番組は何分クッキング?これまた3分よね。これに対して、朝起きたときに寝ぼけ眼で呟く言葉といえば、"う~ん後何分だけ~"?5分ね。試験で問題の最後まで終わらなかったときの言い訳として適切な表現といえば、"後何分あればなぁ~"?そう、5分ね。超優良物件といえば駅から徒歩何分?これまた5分よね」

 世界○分前仮説、といえば?と聞いてやろうかと思ったが、ここで茶々を入れるほど愚かではない。因みに答えは五分前だ。

「けれどね、よーく考えてみて!カップラーメンにお湯を注いでも箸を用意したり麺を解したりして、実際に食べ始めるのって4分間経った頃になっているはずよ。後5分だけって寝かしてもらったところで実際は寝付くまでに時間がかかるし、それに人間の感覚って年を取るごとに徐々に早くなるモノだから、起こす側の体内時計的に考えて再び起こされるのは4分後になっているのよ。そう、つまり世の中の3分や5分と名の付くモノは、実は4分間で片付けられているの。これをリアは変速240秒の法則と名付けたのだ!!」

 自由の女神張りに誇らしげなポーズを取るな。内容の半分も理解出来たかどうか怪しい素っ頓狂な珍説を聞かされた気がするが、ようは3~5分と名の付く言動や事象も、平均的には4分で行われている、ということだろう。至って当たり前のことを述べているように思えるのだが。

「でも、平均240秒っていうよりも"変速240秒の法則"って発表した方が格好良いじゃん」

 論説を格好良さで語るな。

 彼女の法則もあながち外れてはいない。確かにお湯を注いで三分間待つべし、とあるがそれはお湯を入れ始めてから三分なのか、全て入れきってから三分なのかよく分からないし、ストップウォッチでも用意しなければきっちり計ることなど出来ない。さらに云えば、我々は実際の経過時間よりも経験則に基づいて食べられるかどうかを判断する。仮に三分経ったとしても「まだちょっと麺が硬いかな」などと待ってみたり全体を無駄にかき混ぜてみたりして、いざ麺をすくい上げてからも息を吹きかけて冷ましてみるなど実際には三分以上の時間を確実に費やしている。何を本気で語っているのだろうか。

 したり顔でこっちを見るな。一言「バーカ」とだけ云ってやりたい。それを我慢するのが大人というものだ。

「これは素晴らしい法則よね。学会で発表すれば世界中から賞賛されるに違いないわ。好きなだけ使うと良いわ、使用料なんて取らないから。リアは科学の進歩のためなら特許を得て巨万の富を得る道よりも、万人の役に立つ新しい発見を無償で提供する道を選ぶもん」

 こいつ自分のことを天才とか云わないからなー。自称天才なら間違いなくバカって云えるのに。

「さあ、アナタも目が覚めてからどんどん使いなさい。世界の未来のために!」

 なんでこんなに自信満々なんだろうか。当たり前のことを述べただけなのに。



 そういえば、勉強の合間にちょっと横になったのだった。5分だけ休憩しようとして……こういう時に、変速240秒の法則とでも使えばいいのだろうか。

「残念~、今回は法則の適応外なの~。もうすぐ夜明け前みたいだから、おべんきょ頑張ってね」

 …………

 そんなオチかよっ!!!



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