日乃本国とエイリアス
「さあて、そろそろ帰ろう」
格納していたアランに飛び乗りトコちゃんはそこから瞬と消えた。
謹慎処分も解け晴れて職場復帰したトコちゃん。
「あれ!」
見慣れない顔の子が入隊していた。
「名前、なんてゆうの?」
「はい、伊藤と申します」
「伊藤?何?」
「はい、伊藤、伊藤伸也です」
「ふうん、ま死なない程度に頑張りな」
「はい、ありがとうございます」
「あ、司令だ」
トコちゃんはムスッとした顔で司令に挨拶した。
「トコちゃんどうだった?バカンスは」
「いえ、特には」
「噂で聞いていると思うんだが、エイリアス事件」
「知ってま~す」
「日乃本国とは友好関係にあるのだが、どうもその日乃本国が関与しているらしい」
「その調査リーダーに君を抜擢することにした、頑張ってくれ」
トコちゃんはぴくぴくっとした
「了解です」
「うしし、日乃本か」トコちゃんは日乃本に興味津々だった。
日乃本国は今の日本の進化した姿の国だということくらいしかトコちゃんは知らなかった。
医学が発展した夢の国だ!
しかしトコちゃんは日乃本の位置情報が分からなかったので一度も行ったことがない
「アラン、発進します」いつもの偵察にトコちゃんは出かけた。
今日は、ユウちゃんと新人パイロットの伸也の三機編成で出発した。
「エイリアス、皆注意するように」
トコちゃんはリーダーとしてそう掛け声をかけた。今日は北部のオアシスのあるイスタール地区をグルット回って帰還する予定だった。
そうこうするうちに偵察も終わり帰還しようとしたところ、あたりの様子が一変して真っ暗闇となった。
「視界ゼロ?」
「エイリアスだわ」
「みな素早く南下するように、ステルス飛行開始」
アランは突如としてその場から消えた。
「リーダーどこ行ったんでしょうね」
「さあ」
その日デホ共和国でも同様の事件が起きていた、ミホちゃんのハリアー通称レベンソンが消えたと言う事だった。
噂は広がり、周辺各国のエース級のパイロットが狙われているらしいとの事だった。