戦争と和平
アラべスク空軍基地から一筋の閃光が発射された。
閃光の方向はジェミニへ向かっていった。
砂漠地帯で閃光は、ふっと消えた。次の瞬間にはもうジェミニの上空を閃光が走っていた。
YSSRの本部へ閃光から複数の小さな閃光が放たれた、その瞬間辺りにズドーンという鈍い音が辺り一面鳴り響いた。
YSSRの戦闘機AR2000が数機アランを追った、しかしアランは瞬間移動をし、あっという間に逃げ切った。
「これでいい」トコちゃんは呟いた。
アラベスクからは数機のステレス戦闘機が発進され警戒態勢に入った。ステレス戦闘機は簡単なレーダーでは見えないので、テロ国家ジェミニには何が起きたのか把握ができなかった。
「トコちゃん、大丈夫だった?」ユウちゃんからテレパシーが届いた。
「うん、作戦成功!すごいよこの新型レーザー、YSSRのバリアを突き破ったわ、それとねそれと瞬間移動も思いのままになったのよ」
「よかった、無事で」
「YSSRから追手が来たけど、うちの戦闘機部隊が相手してくれてるわ」
司令がムスッとした顔でトコちゃんを出迎えてくれ、こう言った。
「ジェミニと戦争体制に入る」
そう、ひとこと言って司令官室へと消えていった。
アラバスタの周辺には砂漠を隔てて強豪国がひしめいていた。
その中でもテロ国家と呼ばれるジェミニは脅威であった。
ー戦争ってー
「私のせい?」
結局話し合いからのスタートだった。
「我々ジェミニとしては戦争は避けたい」
「当然こちらも同意見だ」
「よってこちらとしては、今回使われたレーザービーム砲の繊細を渡して欲しい」
「それは無理だ、そもそも事の発端はうちのものの車の事故からで~」
「あれは、事故だ。関係ない」
「嘘を言うな!あの事故にはYSSRが関与していたことが判明している」
「仕方が無い、それではこうしよう、ステルスを一機こちらに渡す代わりにこちらはYSSRの目的を話そう。これでどうかな?」
司令は仕方が無いという顔で席を立っていった。
こうして戦争状態にはならずに済んだ。
もし、戦争状態に入ってもジェミニに勝ち目はない、勿論トコちゃんがいるから。